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Vol.593 2026.08.06

くもん子ども浮世絵コレクション40周年

子どもたちの幸せを願って集められた、
唯一無二の浮世絵コレクション

KUMONが収集する「くもん子ども浮世絵コレクション」は、2026年7月に40周年を迎えました。KUMONは現在、約3000点の「子ども浮世絵」および「子ども文化研究史料」を所蔵。子どもをテーマとした浮世絵コレクションとしては世界最大規模を誇ります。この史料群は近世の教育・育児・遊びなどを研究する上で欠かせない貴重な画像資料となっているほか、日本と他国との文化交流においても江戸・明治期の庶民文化を伝える作品群として活用されてきました。
また昨年リニューアルされた公式サイト「くもん子ども浮世絵ミュージアム」では、子ども向けコンテンツ「浮世絵ってなぁに」を公開中です。浮世絵の説明から子ども向け浮世絵コラム、浮世絵で遊ぶ動画コンテンツまで、夏休みの自由研究のヒントがたくさん。ぜひご活用ください。

目次

    絵画史料を用いた
    子ども文化研究

    初の展覧会パンフレット(1989年)
    初の展覧会パンフレット(1989年)

    家庭内暴力や校内暴力の問題が社会の関心を集めていた1986年、公文教育研究会の社長であった公文毅(故人)はこれらの問題に取り組むべく、くもん子ども研究所を設立(2005年まで活動)。親子による体験活動の提案・実践とともに、子どもの生活や学びなどに関する基礎研究活動を行うこととなりました。

    そこでKUMONは、絵画に描かれた子ども像を用いて中世ヨーロッパ社会における子ども観を明らかにした、フランスの歴史学者フィリップ・アリエスの手法に注目。「日本近世の子ども観を浮世絵という絵画史料を用いて紐解き、現代の子どもにまつわる様々な問題の解決のヒントを見出す」というコンセプトの下、KUMONによる浮世絵の収集・研究が始まりました。そして今年、この活動は40年目を迎えました。

    KUMONはそれまでほとんど注目されることのなかった、子どもの生活や文化、子どもを見守る社会の様子などを描いた浮世絵を収集し、多くの専門家の協力を得て、研究・調査を行ってきました。その成果が「くもん子ども浮世絵コレクション」です。子どもをテーマとして集められた浮世絵コレクションは、世界でも類を見ない、唯一無二のもの。今も様々な学問分野の研究素材として活用されているほか、書籍や展覧会などを通じ、その収集・研究の成果を広く社会に還元しています。

    浮世絵が今に伝える
    江戸の子ども観

    歌川国貞「子宝遊」
    歌川国貞「子宝遊」

    浮世絵は明治以降、世界中で広く知られるようになりましたが、評価されていたのは優れた芸術作品としての側面です。遠方に望む富士山を背景に、荒ぶる大波とその波間で翻弄される小舟を躍動感たっぷりに描いた北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や、当代きっての人気歌舞伎役者たちの似顔絵を、独特なデフォルメを加えて描いた写楽の役者絵などは、みなさんも一度は目にしたことがあるでしょう。

    しかし浮世絵が制作されていた江戸時代の人々にとって、浮世絵は額に入れて崇め奉るような美術作品ではありませんでした。浮世絵として描かれたのは、名所の風景や人気役者だけではありません。何気ない日常の風景や最新の社会ニュース、故事や物語を題材にしたもの、なぞなぞ遊び、双六やペーパークラフトのような子ども用おもちゃ、育児や食育の知識、病気を治す護符など、ありとあらゆるテーマの浮世絵がありました。当時の人々にとって、そば一杯程度の値段で手軽に入手できる浮世絵は、現代のスマホやテレビ・雑誌のように、ありとあらゆる情報を収集して楽しむ「身近なメディア」だったのです。

    そんな浮世絵には当時の人々のリアルな生活や文化が描き込まれています。例えば、浮世絵に描かれた子どもたちの着物には、健やかな成長への願いを込めた竹模様や麻模様などがあしらわれており、背中には魔除けの飾りがつけられています。そして多くの子どもたちの腰には、名前や住所を記した「迷子札」を入れた巾着が描かれていました。子どもの衣服を見るだけでも、江戸の子どもたちがいかに大切に育てられていたかがわかるのです。

    また寺子屋や習い事をする様子を描いた浮世絵では、必ずふざけて遊ぶ子どもが描かれています。その他、大人に対するいたずらを描いた浮世絵も多くあることから、江戸の大人たちは子どもたちをとても「おおらか」に見守っていたようです。そして何より、子どもの日常を描いた浮世絵に「子宝」と銘打った作品が商品として大量に制作・販売されていたこと自体、江戸の社会が子どもの存在を祝福し、「よろこばしいもの」として認識していたことを示しています。

    くもん子ども浮世絵コレクションは、文献史料には記されることのない、江戸の庶民のリアルな子ども観や子ども文化を知ることができる一級の歴史的史料なのです。

    子ども向け浮世絵コンテンツ
    「浮世絵ってなぁに」

    実際に浮世絵で遊べるコンテンツ「つくってみよう!遊べる浮世絵」
    実際に浮世絵で遊べるコンテンツ
    「つくってみよう!遊べる浮世絵」

    くもん子ども浮世絵コレクションを紹介するサイト「くもん子ども浮世絵ミュージアム」では、子ども向けコンテンツ「浮世絵ってなぁに」を展開しています。浮世絵の歴史・技法の説明や絵師の紹介、子ども向け浮世絵コラムなど、子どもの「知りたい」気持ちに応える情報が盛りだくさん。また、江戸の子どもたちが遊んでいた浮世絵である「おもちゃ絵」の印刷用データをダウンロードして、遊び方を解説した動画と共に楽しめるコーナーも。

    夏休みの自由研究で浮世絵のことを調べたいお子さまや、テーマを探しているお子さまにピッタリのコンテンツです。どうぞご活用ください。

    関連リンク 2026年7月、くもん子ども浮世絵コレクションは40周年を迎えました|プレスリリース Webサイト「くもん子ども浮世絵ミュージアム」が リニューアルオープン|KUMON now! くってみよう!遊べる浮世絵|KUMON now! くもん子ども浮世絵ミュージアム 子ども向けコンテンツ「浮世絵ってなぁに」 公文教育研究会子ども文化史料閲覧データベース(浮世絵以外の史料の閲覧)

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