「見て・触れて・体感できる」から生まれた
「KUMON PARK・KUMONすくえあ」の新たな価値

経済産業省「新たな世界を切り開く玩具産業企業20選」に選定されたことを受け、「KUMON PARK・KUMONすくえあ」を統括する、くもん出版 マーケティング部 部長の篠淳一郎(以下、篠)に、この取り組みについて聞きました。

Q.「KUMON PARK・KUMONすくえあ」の新たな価値とは?
篠:「KUMON PARK・KUMONすくえあ」は、「見て・触れて・体感できる」空間をつくりたいという想いからスタートしました。
実際に商品を体感していただくことで、一人ひとりの子どもたちが「できた!」の喜びを感じながら、「学びへの興味や意欲」を育む場となっています。また、「お子さまが取り組む様子」を見守る中で、保護者の方が「わが子の可能性や成長」を発見できる空間にもなっています。
Q.今回、「新たな世界を切り開く玩具産業企業20選」への選定を受けてのご感想をお聞かせください。
篠:率直に、「国から評価していただけた」と感じ、とてもうれしく思いました。
とくに評価いただいたのは、お客さまとの接点を創出する取り組みです。書店という場の中に、「KUMONの知育玩具で遊べる」「わが子の可能性を発見できる」「親子でコミュニケーションを楽しめる」といった価値を提供する空間をつくることができました。
また、「『KUMON PARK・KUMONすくえあ』があるから書店へ行こう」と思っていただけるような来店動機を生み出せたことも大きな成果だと考えています。リアルな体感の場を提供することが書店さまの集客にもつながり、その点を評価いただけたのではないかと思います。
KUMONブランドが広がっていくことが原動力に
全国・海外へ広がり、設置数は500店舗超
Q.「KUMON PARK・KUMONすくえあ」は全国にあるのですね。どのように広がっていったのですか?
篠:2016年に体験型売場「KUMON PARK」がオープンしました。私自身、2019年に入社した際、研修の一環でKUMON PARKを訪れましたが、一企業の商品をこれほど大きなスペースで展開し、実際に体験までできる空間があることに驚いたことを覚えています。その時から、「この取り組みをもっと広げていきたい」と考えるようになりました。
紀伊國屋書店玉川高島屋店内のKUMON PARKでは、くもん出版の商品がそろっており、週末や平日のコアタイムには専任のスタッフも常駐しているため、商品の価値を直接お伝えしやすい環境が整っています。一方で、より多くの店舗へ展開できる仕組みが必要だと考えた結果、2020年6月に誕生したのが「KUMONすくえあ」です。
KUMONすくえあでは、くもん出版のドリルや絵本、児童書、文具、知育玩具の中から、書店さまへのヒアリングをもとに、地域性や来店されるお子さまの年齢層に合わせた商品展開を行っています。さらに、お客さまの反応や、季節ごとのニーズに応じて、商品構成を柔軟に変えています。
3店舗でスタートし、売り上げはいずれの店舗も好調でした。また、当時は書店さまから常設でスペースをご提供いただけること自体が画期的であり、KUMONブランドに対する期待の大きさを実感しました。「これは広がる。広げるべきだ」と強く感じたことを覚えています。
立ち上げ当初から、棚に設置するパネル装飾もすべて内製です。自分たちで店舗ごとにサイズを測り、製作したパネルを現地で開梱して貼り付けるなど、準備から設営まで行っていました。新たな店舗で売場を展開するたびに、交渉、採寸、製作、設営が必要となるため決して簡単ではありませんでしたが、頼もしいメンバーに支えられながら取り組むことができました。

その原動力になったのは、「KUMONブランドが広がっていく」という喜びでした。「KUMON商品の売場」が新たに生まれ、書店さまに定着し、多くのお客さまに利用していただけるようになる。その一つひとつの積み重ねが大きなモチベーションになっていました。
売場を設置した店舗は複数年が経過しても好調な実績を上げる店舗が多く、「地域の方々に受け入れていただいている」という確かな手応えも得られました。「売場が書店さま、地域の方々に喜んでいただける」という実感から、書店さまへ自信をもってご提案できるようになったことは大きな転機でした。「KUMONすくえあは書店さま・地域の方々にとって価値のある売場」だという確信が深まり、提案活動をさらに加速させていきました。
また、売場スペースに限りがある等の事情で「すくえあ」は難しいが、この売場に共感していただいた書店さま向けには、「KUMONすくえあ」の魅力を凝縮した「KUMONすくえあmini」を展開し、ご好評をいただいています。その結果、全国の書店を中心に導入が進み、2024年には国内設置数が100店舗を突破しました。さらに、海外の書店にも展開が広がり、2026年3月時点で500店舗を超える規模へと成長しています。
お子さまの可能性を実感できる知育空間

紀伊國屋書店玉川高島屋店内にある「KUMON PARK」の責任者を務める、くもん出版 マーケティング部 マーケティングチーム 特命リーダーの小宮健太郎(以下、小宮)に、KUMON PARKの魅力について聞きました。
Q.KUMON PARKの魅力とは?
小宮:一番の魅力は、くもん出版の商品に実際に触れて、体感できることです。保護者の方が抱える「わが子に合っているのか」「楽しく遊んでくれるのか」といった不安を、その場で解消できる空間になっています。
また、「こんなことができるようになったんだ」と、お子さまの成長や可能性を実感し、新たな一面を発見できる場でもあります。そうした場面に立ち会えることは、責任者として何よりうれしく感じる瞬間です。
初めて来たお子さまも、まるで遊園地に来たかのように自分の遊びたい場所に向かっていきます。また、保護者の方からは、「このおもちゃ、児童館にありました。KUMONの商品だったんですね」といった声をいただくこともあり、新たなKUMONとの出会いの場にもなっています。
ご家庭で何らかの悩みや課題を抱えてKUMON PARKを訪れてくださる方も少なくありません。専任スタッフがいるため、その場で課題解決のお手伝いができればと考えています。

例えば、「文字は読めるけれど、書くときの字が雑になってしまう」といったご相談をいただくことがあります。そのような場合、まずは「幼児ドリル」シリーズをご紹介することもありますが、勉強というとしり込みしてしまうお子さまには、遊び感覚で取り組める商品をご提案しています。消せるマーカーペンでくり返し楽しめる「書きかたカード」シリーズや、水で書けて乾けば消える『もじ・かずボード』など、お子さまの特性や興味に合わせてご案内しています。
「字をきれいに書けるようになりたい」という課題であっても、お子さまによって適した商品は異なります。そのため、一人ひとりに合った商品選びをお手伝いしながら、親子のコミュニケーションが深まるきっかけづくりにも貢献できればと思っています。
KUMON PARKには、あえて手を出さずにお子さまを見守る方もいれば、一緒になって問題に取り組む方もいらっしゃいます。KUMONの商品を通じて遊びながら学びを深めていく様子からは、学びへの関心の高さや熱意が伝わってきます。
また、私たちが想定していなかった遊び方をするお子さまもいて、そこから新たな気づきや発見を得られることも少なくありません。そうしたお子さまの姿が、新商品のアイデアにつながることもあります。
お子さまの「できた!」を感じていただくことが
私たちの喜び

「KUMON PARK」には、週末や平日のコアタイムに専任スタッフがいます。紀伊國屋書店玉川高島屋店内にあるKUMON PARKの専任スタッフ・辻市(といち)さん(以下、辻市)に、お客さまの様子について聞きました。
Q.KUMON PARKを利用されるお客さまはどのように過ごされていますか?
辻市:お子さまが様々なおもちゃで遊んでいる中で、保護者の方はその様子を見守ったり、商品を手に取ったりされています。また、祖父母の方がお孫さまへのプレゼントを探しに来られることもあります。専任スタッフがいるため、気軽に相談できるというお声もいただいています。
KUMON PARKには特別な什器も置いています。『くもんの日本地図パズル』のタイムトライアル台は、ゴールデンウィークなどには1時間近い待ち時間が出るほどの人気です。完成時間を計り、時間によって「級」を定めたカードをお渡ししています。半年間、塾帰りに立ち寄ってくださったお子さまもいました。毎回タイムトライアルに挑戦し、当初は5分以上かかっていた完成時間が、最終的には1分台まで縮まったのです。
そのお子さまは受験が終わった日にも立ち寄ってくださり、最後に『くもんの日本地図パズル』をご購入くださいました。お母さまからは「塾で忙しい中でも、タイムトライアルに挑戦することが楽しみだったようです。少しずつタイムが縮まることで、コツコツ続けることの大切さを学んだようです」というお話をうかがいました。
お子さまの成長を見守れることも、私たちの喜びです。妊娠中から来てくださっていたお客さまがご出産され、そのお子さまがKUMON PARKで元気に走り回る姿を見ると、本当にうれしく、自分の子どものように感じることもあります。私を含め、KUMON PARKのスタッフはみんな子どもが大好きです!
Q.専任スタッフとして心がけていることを教えてください。
辻市:商品についての説明は、基本的に保護者の方から質問をいただいたときのみにしています。私たちが意識しているのは、お子さまが何かに熱中しているときは、できるだけ声をかけずに自由に遊んでいただくことです。その様子を見守る中で、私たち自身も「この玩具にはこんな遊び方があるのか」と、多くの気づきや学びをいただいています。
くもん出版の商品を体感し、「できた!」の喜びを親子で感じていただくことが何より大切だと考えています。そのため、「先義後利」の考え方を大切にしながら場づくりを行っています。お子さまが「できた!」と喜ぶ瞬間に寄り添い、その喜びを親子で共有していただけるよう、必要に応じてお声がけやお手伝いをしています。
私たちは、お子さまの安全を最優先にしています。また、商品を売り込むことは決してせず、お客さまにとって心地よい場であり続けるために、お客さまの様子を見ながら必要なときにだけお声がけすることを心がけています。ふらっと立ち寄っていただき、お子さまの「できた!」を感じていただくことが、私たちにとって何よりの喜びです。
KUMONブランドの価値や品質への信頼を伝える
海外の「KUMON SQUARE」
KUMONすくえあは、タイに4店舗、マレーシアに1店舗(現在改装中)の2か国(2026年7月現在)に展開を広げています。その一例として、タイ・バンコクにある紀伊國屋書店エムクオーティエ店には「KUMON SQUARE」が設置されています。
エムクオーティエ店のKUMON SQUAREには、平日を含め多くのお子さまたちが訪れ、思い思いに楽しんでいます。現地でも、KUMON TOYが親しまれていることがうかがえます。
現地の書店スタッフによると、『くもんのはじめてのはさみ』は隣に並ぶ他のはさみと比べて約6倍の価格帯であるにもかかわらず、好調に販売されているそうです。その理由については、「子どもに使わせるものだからこそ、安全性の高い商品を選びたいという保護者のニーズがあるのではないか」と話していました。
KUMON SQUAREは、商品を販売するだけでなく、KUMONブランドの価値や品質への信頼を伝える場として、海外でも重要な役割を果たしています。
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