「人が笑顔になる。これが福祉に携わる人間のなによりの喜びです」
「障害のある方対象の就労支援」と「公文式」。このふたつは、ちょっと結びつきにくいかもしれません。しかし、3年ほど前から、公文式学習を就労支援のためのメインプログラムとして導入してくださる就労移行支援事業所(※)が増えはじめ、2015年8月現在、全国で30ヵ所ほどになり、着実に就労実績を伸ばしています。
※「就労移行支援事業所」
就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に定められた障害福祉サービスのひとつである「就労移行支援」のサービスを提供します。障害のある方に、仕事をするうえで必要なスキルや能力を身につけるためのさまざまな職業訓練プログラムのほか、面接対策など就職活動全般をサポートします。2006年の障害者自立支援法(2012年改正、2013年に障害者総合支援法)の施行に伴い、それまでの「授産施設」「小規模作業所」(通常の就労がむずかしい障害者のための働く場)のほとんどは、就労そのものの機会を提供する「就労継続支援A型(雇用)・B型(非雇用)」、そして就労に必要なスキルや能力の向上を図るための「就労移行支援」の施設や事業所へと順次移行してきました。
|
長崎県諫早市。長崎県のほぼ中央に位置し、大村湾・有明海(諫早湾)・橘湾の3つの海に囲まれ、長崎県では長崎市、佐世保市に次ぐ人口第3位の市です。いくつもの街道が交わり、古くから交通の要衝として栄えてきた街でもあります。今回ご紹介する諫早ワークスサテライト(以下「サテライト」)は、社会福祉法人つかさ会が運営する就労移行支援事業所です。市の中心部の諫早商工会館の4階にあり、立地条件は抜群。
さっそく、つかさ会の理事長である志賀さんにうかがってみました。
「つかさ会では就労継続支援B型(前述)の諫早ワークスという事業所を運営し、ある程度の就労実績をだしていました。しかし、もっと多くの障害のある方に働いてほしいとも考えていました。それは、われわれ福祉に携わる人間にとってのなによりの喜びは、人が笑顔になることですし、何かできたときの嬉しさを共感できることだと思っているからです。障害があっても働きたいと思っている人はたくさんいます。それならば、さらに強く就労支援をサポートできる就労移行支援事業所(以下「支援事業所」)を開設しようということで、3年前に「サテライト」を開所しました」。