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KUMONグループの活動  2016/10/27更新

Vol.179 就労支援としてのKUMON-
でらいとわーく(後編)  

自分の持っているに気づき、可能性を知る。
自分にとっての“ちょうどいい”を知り、
働き続ける喜び、幸せを感じる」
その実現のためのサポートをしたい。

障害のある方たちが、就労を目指しさまざまな能力やスキルを育てる場、学ぶ場。それが「就労移行支援事業所(*)」です。東京都大田区にある就労移行支援事業所“でらいとわーく”には、毎日20人ほどの利用者様方が集い、笑顔と活気あふれる学びの場になっています。公文式を就労支援トレーニングの一環として導入してからの事業所の様子を、2回にわたってレポートします。後編の今回は、公文式を導入してから事業所で起こった変化についてお伝えします。

*「就労移行支援事業所」
就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に定められた障害福祉サービスのひとつである「就労移行支援」のサービスを提供します。障害のある方を対象に、仕事をするうえでの必要な能力やスキルを身につけるためのさまざまな職業訓練プログラムを用意するほか、就職活動全般をサポートします。また、「就労移行支援」は比較的新しいサービスです。2006年の障害者自立支援法(2012年改正、2013年に障害者総合支援法)の施行に伴い、それまでの「授産施設」「小規模作業所」(通常の就労がむずかしい障害者のための働く場)のほとんどは、就労そのものの場を提供する「就労継続支援A型(雇用契約あり)」「同B型(雇用契約なし)」、そして就労に必要な能力やスキルの向上を図るための「就労移行支援」などの施設や事業所へと順次移行してきています。

「公文に出会ったことで、利用者様方はとても良い状態になっていますが、わたしたちスタッフも少しずつですが変化し、成長しています」

2015年3月に、就労支援トレーニングの一環として公文式の国語、数学、英語の3教科を導入したでらいとわーく。スタッフのみなさんは、公文の学習をどうとらえているのでしょうか。就労支援員の佐藤さんにうかがいました。

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佐藤さん(就労支援員)

「公文の学習はとても興味深いです。健康面やメンタル面も含め、その日の状態が良くも悪くも学習にあらわれてくるのです。状態の良い日は教材を学習する時間も速く、ミスも少ないのですが、良くない日は時間がかかり、ミスも目立ち、字までも乱雑になってきます。そういったことを日々見ているうちに、利用者様一人ひとりをよく見て、その日の状態に合った対応や言葉かけができるようになりました。このことは、自分自身、大きな変化だと感じています。

しかし、公文の学習でいちばんいいなと思うのは、“できた!”っていう成功体験を重ねることですね。自己肯定感ももてるでしょうし、メンタル的にも強くなると思います。実際、失語症と診断された利用者様が、公文の学習を続けるうち、国語や英語の学習で音読をくり返すうちに、言葉として出てくるようになったことにすごく驚いています。音読練習の効果もあるとは思いますが、成功体験が大きく影響しているのかなと思っています」

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英語 E-pencilを使っての学習風景
これは公文式教室ではおなじみのE-pencilを使った英語学習ですが、でらいとわーくでの英語学習で、意外な効用があることがわかりました。それは“電話を受けながら、メモをとる態勢と習慣づくり”です。たしかに、電話を受けている姿に重なりますね。

職業指導員藤崎さんは、こんなふうにコメントしてくださいました。

「公文の学習は、すべて仕事に置き換えられると思います。たとえば、つぎの教材に進んでむずかしいところになったとき、決められた学習時間内に目標枚数ができないときもあります。たとえば、目標の10枚に届かず8枚を終えたところで終了時刻。ご本人も納得がいかない様子。そんなときは、“これが仕事であれば残業になりますね”、“でも、残業できない日もあるので、残った仕事を明日にまわすことも考えたいですね”といった言葉かけをさせていただきます。そうすると、利用者様も“なるほど!”という表情になります。それで、“今日できなかった分は明日やろう”、“むずかしいところになったから、ちょっとだけ枚数を少なくしよう”など、ご自分で考えて、ちょうどいい枚数に調整できるようになっていきます。でも、そのためには、利用者様お一人おひとりをよく見ていないといけないので、わたしも、自然と見る眼が磨かれているような気がします」

おふたりの話を横で聴いていた西浜さん(副施設長)は、にこやかな表情でこんなお話を…。

「つい最近のことですが、うちを巣立って仕事に就いた利用者様方から“公文をやっててよかったです”というお話をたて続けに聞いたのです。というのも、“よろしくお願いします”、“ありがとうございました”、“失礼します”といったあいさつの言葉が、それに合わせたおじぎも含め、職場で自然にできるそうです*。そして、仕事を集中して続けられるのをほめられることも多いと聞きました。“でらいとわーくで公文の学習をしているときにはわからなかったけど、会社に入って初めて、公文の学習で身につくものの大切さがわかりました”と、異口同音に話されるので、わたしもびっくりでした」。

*あいさつの言葉、それに合わせたおじぎ
公文式学習を導入している就労移行支援事業所では、学習の始めと終わりのあいさつ、学習した教材の採点時の受け渡しのときなどに、「失礼します」「よろしくお願いします」「ありがとうございました」といったあいさつを、おじぎも合わせ励行しています。これは公文式学習を「仕事」ととらえ、学習の場を「模擬的な職場空間」にしています。これは礼儀作法を身につけるための着想であり実践です。もちろん、公文式学習の最大の目的は、学力をつけ、集中力や持続力などを養いつつ、能力全般を高めていくことですが、こうしたあいさつやおじぎは、仕事に就いてからのほうが役立つようです。

悪いのは子どもではない

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