「この人たちと一緒に仕事をしたい」
アジアに恋した大学時代
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もう一つ、自分にとって大きな出来事は、大学2年次のときに「東南アジア青年の船」に乗ったこと。この船旅は、東南アジア6ヵ国の人たち約300人が一つの船に乗り、各国に寄港して現地でボランティアやホームステイをしながら約2ヵ月間過ごすというものです。
船上で私と同室になったのは、アキノ革命のために戦ったフィリピンの政治活動家と、シンガポールのリー・クワン・ユー首相(当時)の秘書、という2人でした。2人とも若いのに、すでに社会のあり方にビジョンをもち、「自分たちが社会を変える」と信じていました。彼らに大きな影響を受け、「この人たちのために」ではなく、「この人たちと一緒に」仕事がしたいと強く思うようになりました。そしてアジアが大好きになり、その後何度も足を運ぶことになりました。
大学3年次以降も、“活動”が生活の中心でした。たとえば、国連大学が主催するグローバル・セミナーへの参加。これは学生や若手社会人が対象の1週間の合宿で、地球規模の問題について、専門家の講演を聞いたりグループ討議をしたりするもの。その後、セミナー参加者で学生協会をつくることになり、勉強会の企画運営もしました。
この頃一緒に活動していた人たちとは、いまでも一緒に仕事をしています。じつに30年近くに渡って付き合いが続いているわけで、この頃に自分の人生を支える基盤ができたと確信しています。