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Vol.075 2021.03.19

株式会社ニューズピックス代表取締役社長CEO
坂本大典さん

<後編>

ゴールを設定して他人と比較せず
自分のペースを自分でつくっていこう

株式会社ニューズピックス代表取締役社長CEO

坂本 大典 (さかもと だいすけ)

愛媛県生まれ。同志社大学商学部在学中に、インターンとしてNewsPicksの親会社である株式会社ユーザベースに参画。大学卒業後、外資系コンサルティング会社を経て、再び同社に入社。ビジネス情報収集・分析のための経済情報プラットフォーム「SPEEDA」の商品企画、顧客対応、営業など幅広い業務を経験した後、2013年よりNewsPicks事業の立ち上げに従事。NewsPicksにおいて事業開発全体を統括し、2017年4月に取締役に就任。2021年1月より現職。

安定した職業に就いてほしい――不安定な時代には、子にそう願う保護者は少なくないかもしれません。ソーシャル経済メディア「NewsPicks」を提供する株式会社ニューズピックスの代表取締役社長 CEOの坂本大典さんは、大学卒業後、超優良企業として知られる外資系コンサルティング会社に入社しましたが、3ヵ月後には当時創業間もない情報系のベンチャー企業へ転職。NewsPicks事業の立ち上げを担当し、今では560万人ものユーザーに利用されるメディアになりました。子ども時代に「自分のペースを自分でつくる」ことを公文式教室で経験できたことが、社会に出たいまも役立っているという坂本さん。どのように進路を決めてきたのか、生い立ちや転機となったできごと、また情報を扱うコツなどについてもうかがいました。

目次

マンションの一室で純粋に
夢を追っている人たちと一緒に働く

就職活動でもいろいろな人の話を聞きたいと、さまざまな業界に足を運びました。「将来経営者になろう」と決めていたので、就職先は「優秀で学ぶことが人が多くいるだろう」と判断した、商社か経営コンサルティング会社に絞り込みました。

最終的に外資系の経営コンサルティング会社に内定した後に、創業間もないユーザベースというベンチャー企業がインターンを募集していることをメルマガで知りました。当時の会社のメンバーは、金融系など一流とされる会社を退職して自分たちで起業している。なぜそうした会社を辞めてまで起業するのか不思議でした。実は当時、起業にはうさんくささも感じていて、実際どうなのかも知りたくてインターンに応募しました。

坂本大典さん

京都から一時的に上京して、東京・品川のオフィス……といってもマンションの一室でしたが、そこで大学4年の夏休みと少し、働きました。インターンのためにウィークリーマンションを借りていたのですが、オフィスには寝袋が、屋上には大浴場が、1階には食堂があって、結局借りた部屋には住まずに、ずっとオフィスに住んでいました。

インターンの仕事内容といえば、銀行口座の残高確認とか国会図書館のHPからリンクをコピーしてくるとか、地味ないわゆる雑務です。そこで思ったのが「こういうことの積み重ねが仕事なんだな」ということ。このときにそうしたことに気づけたのはよかったですね。

インターンでは何かを得るというより、とにかく楽しかった。マンションの一室で純粋に夢を追っている人たちと一緒に仕事ができたこと、近所のスーパーで見切り品を買い込んで一緒に料理して食べたこと……中高時代、部活でみんなでわいわいするのが好きだった私にとって、そうした環境が純粋に楽しかったのです。

悩んだ時に大切にしている考え方

落ち込むより「次に何をすれば
これを解決できるか」を考えよう

夏休み明けは京都に戻り、たまにリモートでインターンの仕事を手伝いつつ、大学を卒業して予定通り4月からは内定先のコンサルティング会社に入社しました。入社後に中国・上海で研修を受けて、日本に戻ってきた6月頃のこと、なんとインターン先の代表者から「そろそろ戻ってきたら?」と連絡があって驚きました。そんなつもりはまったくなかったので……。

結論から言いますと、コンサルティング会社を3ヵ月で辞めてインターン先だったユーザベースへ移りました。その一番の理由は、「何もないところから皆で何かをつくることがとても楽しい」という実体験があったことです。

坂本大典さん

もうひとつのきっかけは、ある方から「1分でも早く辞めてユーザベースにいったほうがいい」と進言されたことです。その方がいうには「コンサルティング業界には人はたくさんいる。今の時代、この業界で最年少マネジャーになる経験と、スタートアップ企業で株式上場まで導くことができる経験と、どちらがレアだと思う?」。「確かに」と思ってレアなほうを選びました。

かわいがってくれた会社を振り切って辞めることになったので、「絶対に成功させよう。上場するまでは絶対に辞めない」と決めて突き進んできました。

そうして思い切って飛び込んだ新天地でさまざまなことを経験し、NewsPicks事業の立ち上げを担当。その後事業を分離して設立した株式会社ニューズピックスで運営統括を任されて現在に至っています。そしてユーザベースは2016年10月に無事上場しました。

もちろん、その過程では失敗したり落ち込んだりしたこともありましたが、今となってはほとんど忘れていますね。現在は、自分が悩んでいてもメンバーの相談にのる側でもあるので、「自分がくじけていたら終わる」と自分を奮い立たせています。

落ち込んでも、自分でペースづくりができていたら、「いま自分はここだ。もう少ししたらこうなるだろう」と、自分の状態をある意味客観視できて、落ち込む必要がなくなると思います。私がそうできるのは、「自分で自分のペースをつくる」くせが、公文式学習を通じて自然と身についていたからかもしれません。

加えて、「悩んでいてもいいことはない」と知っていることも大きいですね。悩んで解決することはほぼないので「次に何をすればこれを解決できるか」を考えていくことが大事です。

これからの夢・子どもたちや保護者へのメッセージ

ユニークなビジネスパーソンをつなぎ
NewsPicksでグローバルカンファレンスを開きたい

情報過多な社会といわれるなか、うまく情報と付き合うには、2つのコツがあると思います。ひとつは、好き嫌いせずにいろいろなジャンルの情報に接するくせをつけることです。時間をあまりかけず「今活きるとは限らないけど、数年後に活きればいい」くらいの気持ちでかまいません。興味がないジャンル含め広く見ていると、5年後くらいの自分の考えを形成することがあると思います。
もうひとつ、とても大切だと思うのは、自分が仕事をしっかりやり切ること。仕事で結果を出していれば、ある種の仕事の“型”ができてきて、「この情報は正しいかどうか」がわかるようになります。

坂本大典さん

自分に価値のある情報を見つけるためには、仕事でも教育でも生活でも、情報収集するだけでなく、情報収集した内容について、実際に自分でやってみることが必要。やってみて、「あ、違った」となれば、自分にとって価値がない情報だとわかります。また、情報は自分から発信することも大切です。「自分はこういうことをしたい」と発信し続けていると、自然といろいろな人が貴重な情報を持ってきてくれます。

人が成長するうえで大事なのは、自分なりのゴールをつくり、いかに最短でそこに行くかだと思うので、その観点から保護者の皆さまにお伝えしたいことは、お子さんが「こういうふうになりたい」と考えられる材料をいろいろ提案してあげるということです。宣伝になりますが、NewsPicksもその材料のひとつになり得るので、ぜひ活用してみてください。

子どもたちと情報の付き合い方については、基本はスマホなどでも好きなものを視聴させることだと思いますが、低学年であれば、それに加え、しっかりとつくりこまれたコンテンツを探して提示してあげるといいと思います。子どもたちに対して伝えたいことは、「他人と比較せずに、自学自習で最短で目的に近づく方法を見つけよう」そして、「ワクワクするものを見つけてがんばれ!」に尽きますね。

私自身の夢は3つあります。ひとつは冒頭でお伝えした、愛媛の高校生、つまり地方の高校生が読んで「経済っておもしろい」と思う機会を提供すること。2つめは、日本中の優秀でユニークなビジネスパーソンをヨコでつなぐこと。ネットワークをつくり、オールジャパンで一緒に世の中をつくっていきたいと考えています。そして最後は、そうしてつくったコミュニティの人たちを今度は世界へとつなぎたい。政治、ビジネス、メディアなど多彩なジャンルのリーダーたちが集まって、世界の課題解決を話し合う場に「ダボス会議」がありますが、将来的にはNewsPicksでグローバルカンファレンスを実現したいと考えています。

これらの夢は、すべてNewsPicksだからこそ実現できることです。当社の社員にも、私のように、会社を使って自分のやりたいことをやってほしいと伝えています。もちろん、私の会社だけでなく、働くみんながそういう意識に変われば、きっと通勤電車でもいい顔をしているビジネスパーソンたちが増えていくのではないでしょうか。

前編を読む

関連リンク

NewsPicksNewsPicks – YouTubeNewsPicks – Twitter


坂本大典さん   

前編のインタビューから

-人生が変わる”メディアでありたい
-「自分のペースを自分でつくる」ことを学んだ公文式学習
-将来を変えた恩師からの言葉

前編を読む

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