OB・OGインタビュー
Catch the Dream - 夢をかなえる力

2020/05/29更新

Vol.069 米ベンチャー投資家/京都大学特任准教授(DNX Ventures インダストリーパートナー)
山本康正さん  後編

「見晴らしの良い場所」から
学ぶことで未来はよりよく見える

山本 康正 (やまもと やすまさ)
1981年大阪府生まれ。京都大学で生物学を学び、東京大学で修士号取得。米ニューヨークの金融機関に3年間勤務した後、ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。グーグルに入社し、フィンテック(金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きのこと)や人工知能(AI)などで日本企業のデジタル活用を推進。ハーバード大学客員研究員。日米のリーダー間にネットワークを構築するプログラム「US‐Japan Leadership PROGRAM」諮問機関委員、2018年より米国のベンチャーキャピタルDNX Ventures インダストリーパートナー。京都大学大学院特任准教授。企業の顧問も務め、著書に『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』(講談社現代新書)がある。

「世の中を変えたい」という情熱を持ち続け、さまざまな経歴を経て現在は国内外のベンチャー企業や日本企業を支援する投資家の山本康正さん。常に志を高く持ち、夢をかなえるために多彩な領域で学び続けてきたご経験から、日本の子どもたちにも「見晴らしの良い場所」で学ぶことを勧めます。投資家というお仕事のやりがいや公文式で学んだ思い出、そして子どもたちに身につけてほしい力などについてうかがいました。

保護者も情報のキャッチアップをして
子どもの「好き」を存分に育ててあげよう

学びは10年、20年後に花が咲くものですから、保護者の方は、すぐに成果が出なくても焦らずに、お子さんを信頼して、お子さんが熱中する習慣、好奇心を持ち続ける習慣をつけてあげてください。言い換えれば、いかに子どもの「好き」を育てるかということです。例えば、「いいな」と思った人が発信しているブログを読み続ける、専門家とメールやチャットでつながるなど、テクノロジーを活用することで可能性はどんどん広がります。

このように今後、テクノロジーの土台の上にいろいろなものが成り立っていきます。オンラインでの授業が広がりつつあるように、学びもガラリと変わり、よりよい学び方が登場してくるでしょう。それを保護者の方がキャッチアップして、「今、教育は、技術は、こう変わっている」と理解していないと、子どもが出会えるものも変わってきます。情報源を学校や先生だけに求めるのではなく、保護者の方も広くアンテナを張っておいていただきたいですね。

一方、子どもたちには、「何が使えて何が使えないか」を瞬時に判断する力を身につけてほしいと思います。普段からデータの裏には何があるか、深読みする習慣をつけるといいでしょう。加えて必要なのは、一人の能力には限界があるので、専門家と議論できるような教養、そして同時に親しくなれる力です。日ごろから違う意見の人と議論し、「なぜそう思っているか」を互いに言えれば、「自分と相手の前提の違い」に気づけます。「根拠は何か」を考えるためには、「なぜこれに関心があるのか」など、何でもよいので記録しておくこともお勧めです。表現力や伝える力も磨かれます。

先行き不透明な中、保護者は我が子の将来も気になると思います。今は本業をひとつに絞れない時代。私は「何をやっているかわからない人が強い」と考えています。「仕事のかかわり方はひとつではない」ということです。私自身、投資家をしながら大学で教えていますし、分野は「金融」×「テクノロジー」というように複数の掛け合わせです。そうなると相乗効果があって楽しいですし、多面的に見られるようになります。

仕事を考えるにあたっては、「自分の好きなこと×自分の得意なこと(好きなだけでは得意とは言えません)×外部環境の将来の需要(現時点ではなく)」という視点を持つといいでしょう。いろんな選択肢を掛け合わせながら働くことが可能な時代ですが、子どもは選択肢を多く知りません。周囲の大人がふんだんに提示してあげることが必要です。

常に「今より広い世界がある」と考えよう

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