たくさん絵を描き、たくさん字を書こう
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夢を実現するために、ある程度まで勉強していても、うまくいくことはなく、たいていは行き詰まってしまいます。そこでやめるかやめないかは、「ちょっと頑張って、ちょっと辛抱して、勉強したらわかるんだ」という成功体験が積み重なっているかどうかだと思います。大きな問題はいきなりやると難しいので、小さなそういう経験がたくさんあるほうが強いのではないでしょうか。大学時代の公文式教室でのアルバイト経験からも、そういう経験のない子は途中で投げ出してしまう傾向にあると感じました。「やればできる」という成功体験がすべてだと思います。
「夢がない」とか「好きなことがない」という子は、途中で考えたり調べたりすることをやめているのではないでしょうか。「何か引っかかる」ことがあったら、それを捕まえて一歩先に進んでみる。進むためには「本を読む」など基礎的なトレーニングが必要です。「本を読める力」がないと、なかなか世界は広がっていきません。
家庭の中にたくさん本があるのはきっかけになりますし、その中に難しそうな本があるといいと思います。私もそうでしたが、「ここに自分のまったく知らない世界のことが書いてあるようだ」と思うと、読めるようになりたいと思いませんか。
私には就学前の二人の息子がいますが、彼らがつまずいた時に、どんな方法ならわかるか付き合ってあげたいと思います。私が小6の頃、受験勉強をしていたとき、算数の問題を父親にみてもらっていました。父は算数の問題を、数直線にするなど、たくさん絵にして説明してくれました。よくできる子はそれを頭の中でやっているのです。でも算数が得意ではない子は、視覚的にイメージしないと難しい。そして描いてもらうだけではなく、自分で描く。それが私には良かったので、自分の子どもにも、たくさん絵を描き、たくさん字を書くことを勧めたいです。
昨今では、大学でも「わかるように教えて欲しい」という学生が多いようです。それまでの学校教育とは違い、大学の授業というのは難解で、自らそれを解いていくものですが、学生は自分で「わかるための努力」をあまりしません。教えてもらうことも大事ですが、手を動かして自分で考えることも大事です。公文式学習もそうですが、手を動かし考えることを続けていれば、いずれ「あっ!」と思う瞬間が来る。ぜひ大人も子どももそんな体験を積み重ねてみてほしいと思います。
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