シェアハウスで「世の中のためになにができるか」毎夜議論
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もともと教育には興味があっての就職でしたが、大手の社風がなじまないこともあり、1年半で退職しました。違うところで力をつけたいと、ITベンチャー企業に就職したのですが、直後に起業の可能性が出てきたため、試用期間の最終日に辞めることを伝えました。
学生時代の起業の経験を経て、自分は起業は向いていないと思っていたのに、起業するにいたったのには、当時、同世代の仲間とシェアハウスに住んでいたことが大きく影響しています。シェアハウスのメンバーは官僚や起業家など多士済々。「仕事を通じて、世の中をどうよくしていくか」という話を夜な夜なしていました。
あるとき、シェアハウスのメンバーのアメリカの友人が泊まりに来ました。彼は、私が起業するきっかけになった「Startup Weekend Tokyo大会」というイベントのファウンダー(共同創業者)でした。そこで「君も出てみたら」と勧められ、出ることになったんです。
イベントでは新規ビジネスを週末3日間で仕上げてプレゼンするのですが、翌日の月曜が転職先の試用期間の最終日。やるなら今しかないと、この3日間で「先生のためのサービス」を具体化しました。それが入賞し、世界大会にも出場、起業することになりました。
もともと学校教育は自分の知らない分野です。教員をしている知人は、着想のきっかけをつくってくれた同級生ただひとり。そこで全国の先生方に話をききに行きました。加えて、事業運営に必要な法律や会計などの専門知識は、お金がなかったので、その分野の専門家にメールで連絡をとり、ランチにつきあってもらうことにしました。約1時間のなかでききたいことを全部きくのです。大学時代、自分はリサーチ能力と行動力を養えたと思いますが、このときに「人に話を聞く」力が身についたと思います。