小さい頃から食べることが大好きで
将来の夢は「ケーキ屋さん」だった
![]() アントルメグラッセ(アイスケーキ) 「バルーンドフリュイ」 |
私は今、表参道にある「GLACIEL(グラッシェル)」というアントルメグラッセの店で、シェフを務めています。「アントルメグラッセ」とは、フランス語でアイスクリーム(グラス)を使ったデコレーションケーキ(アントルメ)のことをいいます。
「シェフ」と言うと、料理人をイメージすると思いますが、正確には「製造責任者」を指します。ただおいしいものをつくって終わりではなく、企画・開発から原料調達、配送まで、幅広く関わっています。とくにアイスケーキは配合によっては溶けやすくなるため、配送や保管方法の改善検討も必要だったり、さまざまな業務をしています。
フルーツなど材料についても、直接産地に行って「この人から買いたい」と思うものを買わせていただいています。日本には各地にすばらしい農家さんがいらっしゃって、特徴あるフルーツをつくっていますが、当の農家さんがその価値に気づいていないこともあります。新鮮な材料でつくり、その価値を製品を通じて発信することで、少しでも日本の農家さんの力になれたら、という気持ちもあります。
わたしは幼稚園の頃から食べるのが大好きで、「ケーキ屋さんになりたい」と思っていました。朝ごはんを食べたら昼ごはんのことを考え、小学校の作文にも遠足がテーマなら「お弁当がどうだった」とか、必ず食べ物のことを書いていたくらい。誕生日には必ず母の手作りケーキが登場するような、料理もお菓子づくりも好きな母に育てられたことも影響していると思います。小さい頃は母と一緒にお菓子づくりをし、小学校に入ると、自分でお菓子の本や材料を買ってきて、勝手につくっていました。