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Vol.095 2015.07.14

グローバルママ座談会

自分の意見を言える力、
異文化を認める柔軟性を持ち
問題解決能力のある子どもに
育ってほしい
グローバルママ座談会レポート

大好評だった第1回に続き、今回は「グローバル人材」について考えるママ座談会を開催。仕事や私生活でグローバルな経験をお持ちのママたちに集まっていただき、どんな経験をしてきたのか、それをどう子育てに生かしているのかについてうかがいました。

目次

    グローバル人材と聞いて思い浮かべるキーワードは?「発信力」「行動力」「国籍に対してボーダーレス」

    今回集まっていただいたのは、英語を使って仕事をしたり、留学や国際結婚などで、海外の異文化に触れたことのあるママたち。まずは、そもそも「グローバル人材」と聞いてみなさんはどのような人を思い浮かべるのか聞いてみました。名前が挙がったのは、「中田英寿さん」、「関根麻里さん」、「黒柳徹子さん」…などなど。どの人にも共通する点として、「行動力、発信力、英語力があり、信じる物事を推進していく力がある」、「国籍や異文化に対しボーダーレスである」などが挙げられました。「日本を世界の中のひとつと俯瞰してみることができる」という意見もありました。

    異文化の中でのハラハラ経験、乗り切り体験とは

    さて、みなさんは、日本とは違う環境の中でどんな経験をしてきたのでしょうか。宗教観、マナー、言葉遣いなど、日本とは違う文化の中での体験が語られました。

    「一軒家に多国籍の人たちと住んでいたが、同じ国の出身者同士はそれぞれの母国語で話すので、それ以外の人たちは彼らが何を話しているのかわからず、悪口を言われているのではないかと疑心暗鬼になってしまった」

    「英語が通じないイスラム圏で友達がケガをしたときのこと。お祈りの時間になったら治療よりそちらを優先されてビックリ!」

    「ホームステイの契約がだんだん当初のものと違ってきた。ご飯も出なくなってきてしまった」

    などなど、日本ではあまり考えられないようなエピソードがたくさん出てきて、みなさん「わかるわかる」とうなずいたり、思わず大笑いしてしまったり。

    しかし、そんな状況でもそのままで終わるみなさんではありませんでした。

    一軒家で多国籍の人たちと住んでいたママは、「この家で使う言語は英語に統一しよう」と提案し、それからお互いに快適にコミュニケーションがとれるようになったそうです。

    ケガの治療よりお祈りを優先する病院には、断固抗議。その病院が方針を変えることはなかったけれども、治療を優先してくれる病院を紹介してくれ、無事に治療を受けることができたとか。

    ホームステイ先の契約がだんだんうやむやになってきてしまったママは、交渉しようと決意。前の夜から英語で下書きを書き、必死に覚えて翌日交渉に臨んで、交渉成立。

    たくましいですね!グローバルママたちは海外経験の中で、ミッションをクリアするために「自分をしっかり持ち、相手に気持ちを伝えること」が大切なのだと身をもって学んできたようです。「ただ言う、伝える」だけではなく、要点をまとめて結論をしっかり伝えたり、下書きを書く工夫があったり。一方で、「異なる国や文化の中では、柔軟性、相手を尊重することの大切さ」も大事なことと知ったと言います。語学力より、異国・異文化の中で「どんな風にコミュニケーションをとったか」「どう自分の思いを表現したか」が貴重な経験となったようです。

    我が子につけさせたい「力」とは?問題解決能力、どこでも生きていける力を

    では、そんな経験をしてきたママたちは、子どもたちにどういう「力」をつけてほしいと思っているのでしょうか。

    「英語ができるのは大前提。でも、英語力だけを身につければグローバルに活躍できるようになるわけではないと思います。英語は目的ではなく手段にすぎません」という意見に、皆さんうなずきます。「英語力」以外に、座談会で共通して挙げられた「子どもたちに身につけてほしい力」には以下のようなものがありました。

    1. 問題解決能力
    「何もなければ、つくる。考える。何とかする力」「意見をちゃんと言える力」など、地球上のどこに行っても生きていける力をつけてほしいという意見が多く出ました。

    2. 環境適応能力
    「固定観念を持たないこと」、「柔軟性」。異文化を認めて「郷に入っては郷に従え」と考えて対応できることも大切。異文化を認めなければ、異文化に入っていくことはできないのですね。

    3. 自分のルーツを大切にする力
    自分の国やルーツを知ることが周りの人を知ることにもつながります。「日本語、日本の歴史、伝統文化を大切にしてほしい」といった意見に同意するママも多かったようです。 また、「英語も大切ですが、それよりもまずはしっかりと日本語で相手に伝わる話ができるようになってほしい」という意見もありました。

    わが子のためにしているサポートは?

    それでは、子どもたちがそういった力をつけるためには、何が必要なのでしょうか。この議論では、「子どもの個性を伸ばしつつ、可能性を広げてあげたい」というママたちの熱い気持ちが伝わってきました。

    1.自分の意見をきちんと言えるようにする
    「交渉力がとても大切だと思います。子どもが『○○がほしい』と言ったときにはすぐに与えず、『なぜ、それがほしいの?いつまでに?どうして?』などとしっかり聞いて、子どもがちゃんとコミュニケーションをとれるようにサポートをしています」

    2.日本の文化を大切にして、得意分野にする
    「自分の国やルーツを知った上でのグローバル人材だと思う。しっかりと日本文化も知ってほしい」と考え、空手や日本舞踊といった日本固有の習い事をさせているママが何人かいました。「日本の食文化や季節感を大切に暮らし、その中に少しずつ英語を取り入れている」という意見には、皆さんからも「なるほどー」といった声が上がっていました。

    3.異文化を直接体験させる
    国際結婚をされているママは、「夫の実家(外国)に数か月、子どもと一緒に暮らす機会を持つ予定です。実際に行ってみてわかること、感じることも多いと思うので、異文化を直接体験できる機会を用意してあげたいと思います」とおっしゃっていました。ゆくゆくは留学やホームステイなどを考えている方もいらっしゃるようです。

    可能性を広げて、地球規模で活躍してほしい

    これからの時代、子どもたちの活躍の場はますますグローバルに広がっていくことでしょう。そんな社会にわが子を送り出すママたちの想いは、「自分の意見をしっかりと持ち、相手を認めながら、物事を解決していってほしい。子どもたちには、好きなこと、得意なことを見つけて可能性を広げてほしい。そして、地球規模で、世の中に貢献してほしい」というもの。ママたちが経験してきたことはさまざまですが、親として子を想う気持ちは同じようです。

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