ワーキングママは時間がない! 保育園児ママ、小学生ママ、家庭学習のそれぞれの悩み
今回の座談会に参加したのは、第一子に年中から小学2年生までのお子さんがいるママたちです。
時間がなく、余裕がないという悩みはみなさん共通。「学童へのお迎えが7時半。9時に寝かせようと思うと、自転車に子どもを乗せて大急ぎで帰ってご飯、おふろと、たたみかけるように済ませているので、まったく時間に余裕がありません」というのは、民間の学童保育に小学1年生の男の子を預けているママです。
時間に追われるワーキングママが、わが子の家庭学習について感じている悩みは、保育園児ママと小学生ママではポイントが多少違っているようです。保育園児ママの場合には、「小学校に入ったらどんな生活になるの?」、「小学校入学前の準備として、学習面で今のうちに家庭でできることは?」といったもの。一方の小学生ママの悩みは、「学校の授業についていけている?」、「学校の勉強に必要な準備や宿題を自分でやってほしいけれど、どうしたらいい?」などなど。
家庭学習と一言で言っても、ママたちが気になるのは学校の宿題や学習習慣づけなど、まずは学校に関連することのようです。
小学生ママの悩み「忙しいのに、どうやって勉強を見ればいい?」習慣づけには毎日時間を決めて。学習後にうれしいことを用意するのも一つ
ある小学生ママは「学童で宿題を終わらせるので、家で学習をする習慣が全くないけれど、このままで大丈夫?」ということに不安を感じている様子。
ほかの小学生ママたちも、
「毎日の学校の宿題をこなすだけで精一杯」
「寝る寸前に苦手な宿題を出してきたりして、困ります」
「夏休みは、自由研究などがあるのでさらにイレギュラーな課題が増えて大変。毎日朝の忙しい時間に朝顔の観察なんて、付き合うのは不可能だし……」
学校の宿題については悩みが尽きません。
一体どうしたらいいのでしょうか。ママたちは、日々試行錯誤をしているようです。
「うちの子、学校の先生の言うことは聞くみたい。そこでホワイトボードを買ってきて、学校ごっこのように子どもに先生役になってもらおうと試みました。でも、ホワイトボードはお絵かきボードになってしまい、うまくいきませんでした(笑)」
「うちの子は競争心が強いので、先に親が勉強を始めると、負けじと始めます」
いろいろと生活の中で工夫をしている様子が話され、座談会も盛り上がります。
「最初は親が一緒に見てあげていたけれど、だんだん子どもが自分でやるようになりました」というママは、自分から取り組んだときにほめたり、終わったあとの「うれしいこと」を決めておいたりといった工夫をされていたそうです。
「うれしいこと」というのは、ゲームや読み聞かせなど、子どもが喜ぶこと。ほかのママたちからも、「夕食後であればデザートを出す」とか「“一人で勉強できてがんばったね”とねぎらいの言葉をかける」といった意見が出ました。
やはり最初のうちは、「これが終わればいいことがある」というのが学習に自分から取り組む一つの動機づけになりそうです。「すぐにはうまくいかなくても、淡々と続けると徐々に習慣づけられる」。となると、ママの忍耐力も試されそうですね。
小学生ママから保育園児ママへのアドバイス 「興味の向く方向から知的好奇心をのばす」
保育園児ママからの「入学前にどの程度学習をしておくとよい?」という質問には、小学生ママたちから
「興味のあることから少しずつ学習につなげる。うちの子は、大好きな電車の名前を通してひらがなとカタカナが読めるようになりました」
「読み書きは入学前にある程度できたほうが良さそう」
「無理のない範囲で、本を読んであげたりするといいと思います。乗り物や虫が好きなら図鑑を一緒に読んであげるのもよいのでは?」
「時計の見方を生活の中で取り入れて、時間を読めるようにしておくといいですよ」
「壁に日本地図を貼って、行ったことのある場所や旅行で行く予定の場所など、実際の経験を結びつけて話をすると、親子で楽しみながら学べます」
「お風呂に貼れるポスターを貼って、お風呂に入りながら文字や数に触れるのもいいかも」
といったアドバイスが挙げられていました。
「逆に、読み書きが完全にできてしまっていると、学校で習った時に“やさしすぎてつまらない”とならないでしょうか?」という質問には、
「小学校では、書き順やきれいな字の書き方まで、かなりきっちりと教えられるので、授業は新鮮みたいですよ」といった答えに、質問をしたママもホッとした表情を見せていました。
時間がないからこそ、「子どものできることを増やして、まかせて、自立を促す」
毎日10分でもいいから机に向かって勉強をするという習慣をつけたいが、なかなかうまくいかない。そんなママたちでしたが、話しているうちに、
「みんな悩んでいるんだ!」
「親が焦って無理にやらせようとしても絶対にうまくいかない」
「まずは一緒にやって、徐々に子どもに任せていく。それには時間がかかる」と次第に肝が据わってきたよう。
座談会後半には、
「一緒にいる時間が短いからこそ、家にいる時間は子どもの表情をよく見て対応するように心がけてみようかな」
「子どもが自分でできることを増やしていって、少しずつ子どもにまかせることで、自立を促すことを考えていくといいのでは」
と、時間がないという制約をポジティブに捉えていく意見も出てきました。
親としては、わが子の性格や成長度合いを把握しながら、「自発的に勉強をするにはどうしたらいいか考え、環境を整える」ための努力をあきらめずに続けることが必要なようです。親に時間がないからこそ、「自立」を意識して、子どもが自分でできることを増やしていくことが大切なのかもしれません。