子どもは小さな大人、大人は大きな子ども。
大人になっても好奇心を忘れずに学び続けていこう
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子どもたちに浮世絵の魅力を伝えるとしたら「コミックスを読むように浮世絵を見るとおもしろいよ!」と伝えたいですね。実際、寝ている子の夢の内容がフキダシに描かれていたりと、コミックスのような浮世絵もあるんですよ。描かれている子どもたちも、やんちゃだったり、おねしょしていたり、女の子がおしゃれをしていたりと、子どもってこんなだったよね、と思いますし、今と変わらないことがわかります。
![]() 喜多川歌麿 夢にうなされる子どもと母 |
江戸時代は子どもが早く亡くなることも少なくなく、家族を置いて江戸に来ていた父親が、「うちの子もこんなに元気だといいな」などと願いつつ、母子を思って浮世絵を買っていったのかもしれません。「子どもが元気でいれば、その社会は幸せ」というのは今も昔も変わりないと思います。
私は「子どもは小さな大人、大人は大きな子ども」だと考えています。子どもの想像力や大人になる過程の推進力はすごい。そういうものを刺激できるように、大人は子どもを見守ってあげるといいのではないでしょうか。そして大人は経験があるからこそ、学ぶことの大切さをご存じですよね。人生の転機を迎え、時間や気持ちに余裕ができたり、あるいは多忙な中でも学ぶことで気持ちに余裕ができることもあります。そうした時に、大人の中にある子どものようなワクワクした好奇心を大切にしていただきたいと思います。
私にとって大切なのは、やはり大学における「教育」と浮世絵を中心とした日本美術の「普及」活動。そしてこの2つを支えている「研究」活動です。やはり自分がもっと勉強しなければならないと思いますし、改めて今、とても学びたいと思います。
この教育、普及、研究という3つを丁寧に続け、好奇心を刺激できるような講座や書き物、展覧会の企画などをしていきたいですね。また浮世絵を育んだ江戸や明治時代と、社会や美術業界など周縁との関わりを、広く捉えて紹介していきたいと考えています。授業や講座でお話ししている事柄をなるべく早く文章化して、より多くの方に精力的にお伝えできればと思っています。そしていつか、自分のイラスト入りで、子ども向けの楽しい浮世絵の絵本を製作できたら素敵ですね。
関連リンク
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『くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵 江戸の子ども絵・おもちゃ絵大集合!』
練馬区立美術館

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笠井 信司さん
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