日々吸収できることはたくさんある
経験を積んでも学ぶチャンスを逃さない

コンシェルジュに必要なのは社会経験です。単に人と接する経験だけでなく、広くさまざまな経験が活きる仕事です。なりたての頃は、そもそも知識や情報が足りませんから、やるべきことはたくさんあります。本を読む、出かける、自分で試す、人の話をよく聞く……そういうことを、とにかく繰り返す。日々の中でどれだけ経験値を増やしていくかということです。
たとえば、毎日の通勤の中でどれほど見逃している「経験」があるでしょうか。電車の中吊り広告だけでも、ものすごい情報量です。道中で起きていること、人の会話……そういうものに、いかに敏感になれるかで吸収できることは大きく変わってきます。若いときは身軽でしたから、ちょっと気になったことはすぐに見に行くこともできます。「わからないこと、知らないことがたくさんある」と自覚していたので、むしろ勉強しやすかったですね。
ところが慣れてくると、次第に「知らないこと」は減り、自分の知っている中でモノを考えてしまいがちになります。わたしはそれをせずに、「何か違うぞ」と思ったときに、その感覚を見過ごさず、誠実に向き合うことを心がけています。わかっていないことを「わかっていない」とちゃんと受け止め、学ぶチャンスを逃さない。これは、ある程度経験を積んでからの自己研鑽で大切なことではないでしょうか。