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KUMONグループの活動  2021/05/11更新

Vol.402

公文国際学園のオンライン英語版模擬国連2021  

自らの意志で参加し、主体性をもって
英語で国際平和を議論する経験が
生徒の内面的成長を促す

公文国際学園(中等部・高等部)では、2021年2月に第16回公文国際学園模擬国連(MUNK: Model United Nations of KUMON)を初めてオンラインで実施し、120名が参加しました。3月に実施した第9回となる英語版公文国際学園模擬国連(MUNK International)には64名の生徒が参加し、「飢餓をゼロに」というSDGs 2番目の目標にもある「飢餓問題」をテーマに議論しました。2008年から始まったMUNK Internationalは生徒主体で行われ、他校の生徒も交えながら校内で人気の一大イベントであり、一条校の先進的な取り組みとして他校をリードしています。今年は新型コロナウイルスの影響から、学園の生徒のみの初の「オンライン実施」となり、模擬国連の新たな形を生徒と先生が一丸となって作り上げました。今回は、MUNK Internationalに焦点を当て、オンライン実施の様子、模擬国連の教育効果や参加生徒の内面的成長についてお届けします。

テーマは「飢餓問題」
今年はオンラインでの実施にチャレンジ!

オンライン実施の様子
オンライン実施の様子

MUNK Internationalでは、これまで核兵器、LGBT、難民問題、女性の社会進出など国連で取り組むさまざまな国際問題を議論してきました。テーマは生徒からなる実行委員会より決められます。今回のテーマは「飢餓問題」。そこで、近年発展途上国の飢餓問題と先進国の食糧ロスが深刻なことから、SDGsの「飢餓をゼロに」の目標に着目しました。生徒たちは、割り当てられた国の大使の立場に立って、模擬国連に参加します。担当する国の現状や政策を事前にリサ―チすることで、テーマへの理解を深め、その国のスタンスを確認し、解決策を考えます。開会式後、各国の立場表明演説(オープニングスピーチ)後に行われるロビーイングでは、意見の近い大使同士がグループに分かれ、グループごとに決議案を作成します。午後からはそれぞれのグループごとに提出された3つの決議案を採決するセッションが行われます。1つの決議案につき70分間、提出した立場からの意見表明、質疑応答などのディベートを通して修正案を提出、そして決議案の採決を行います。今回の模擬国連では、多数決により全ての決議案が採決されました。
また、今年は新型コロナウイルスの影響から生徒が校内に一同に集まることを避け、他校の生徒を招待せずに学園の生徒のみのオンライン実施となりました。大使となった生徒たちは、担当する自国の国旗を画面の背景に設定し、国際会議の雰囲気さながらでした。ロビーイングでは、代表となった3つのグループのうち自国の意見に近いグループをチャットに記入し、実行委員が大使をZoom内の3つに分かれたブレイクアウトルームに誘導。ロビーイング中は各国の大使が所属グループのGoogle Classroomに入り、各々が同時にオンライン上で編集を行い、解決策を練り上げました。セッションでの発言権や決議案の採択もチャットを活用、これまでとは異なる会議の参加方法の中、模擬国連に参加経験のある上級生たちがリーダーとなって会議を盛りあげました。下級生たちは活躍している先輩の姿を見ながら会議を肌で感じ、積極的に参加していこうとする姿勢が随所に見られました。今年はオンラインでの模擬国連の新たな形が生まれた実施年となりました。

模擬国連プログラムの教育効果とは?

高校生の模擬国連

模擬国連は、国際政治の仕組みを理解し、国際問題の解決策を考える過程を体験できることから、教育プログラムとしても高い評価を受け、現在では世界中の大学・高校の授業に採用されるほか、学生の課外活動としても行われています。
模擬国連を通して、参加者が得られる教育効果として、公文国際学園国際部の教員であり、全国高校教育模擬国連大会事務局長である米山宏先生は共著の書籍の中で、下記3点を挙げています。

<模擬国連プログラムの教育効果>
1. 積極的な発言力や交渉力の涵養と協働による達成感の獲得
2. 国際問題への深い関心の醸成とリサ―チ力の鍛錬
3. 英語学習へのモチベーションの向上
全国中高教育模擬国連研究会編『高校生の模擬国連―世界平和につながる教育プログラムー』2019年、山川出版社より

1つ目の「積極的な発言力や交渉力の涵養と協働による達成感の獲得」は、模擬国連はあくまで会議の場なので、自分が発言しなければ何も始まりません。積極的に自ら他国大使に話しかけなければ、何もすることができなくなってしまい「会議難民」になってしまいます。また、仮に積極的に加わることができても、他国の意見を聞き、調整を繰り返しながら自国の主張をできる限り決議案に反映させるにはそれなりの交渉力が必要です。2つ目は「国際問題への深い関心の醸成とリサ―チ力の鍛錬」です。模擬国連で扱う国際問題は日本国内で広く報道されているものもあれば、私たちにとって関心が低いため取り上げられにくい分野も含まれています。これらの問題にも目を向けていく必要があり、関心を持つだけでなく、担当国の状況や政策などあらゆる側面から調査し、さらにその状況がほかの国々によってどのように評価されているのか、その議題で扱われそうな国々の情報までも含めて理解力と思考力を持って向き合っていく必要があります。この情報収集能力や分析力・取捨選択能力が養われるのが模擬国連なのです。そして最後に、「英語学習へのモチベーションの向上」があります。模擬国連での共通言語は英語なため、英語力の向上は参加生徒個々の最大の課題です。国際問題を英語で議論するというハードルは決して低いものではありません。しかし、会議に参加する英語の流暢な帰国生が英語で会話するのを耳にすることで、今の英語力は心細くても、彼らに刺激を受けてモチベーションが上がっていくことも大きな効果がある、と明記されています。

ここからはMUNK Internationalに参加された5名の生徒をご紹介します。彼らがこのMUNK Internationalをオンラインで参加したことで、それぞれどのような学び(内面的成長)があったか、お話を伺いました。

英語レベルの高さに圧倒されるも他国の現状を調べることで国際問題が身近に

まず、今回初めてMUNK Internationalに参加された現在中3(参加は中2)の伊藤 さくらさんと井口 心虹(いぐち ここ)さんに参加された感想、そこでの気づきや学び、また次回への想いなどお話を伺いました。伊藤さんは帰国生、井口さんは日本国内のインターナショナルスクールの出身で2人とも中2の時に公文式英語最終教材を修了されています。共にオーストラリア大使を担当しました。

オーストラリア大使を担当した井口さん(左)と伊藤さん(右)
オーストラリア大使を担当した
井口さん(左)と伊藤さん(右)

伊藤さん)入学当初からMUNKに参加することへの憧れがありました。今回初めてMUNK Internationalに参加して、会議で話し合う英語レベルの高さについていくのが必死でした。また、飢餓問題について事前に調べる過程では、調べれば調べるほど自分の知識不足を実感しました。一方、英語でオーストラリアの現状を調べることで、日本との現状の違いやオーストラリアの制度の特徴を知ることができ、今置かれている現状に気づき国際問題の関心が高まりました。伝えたいことを的確な表現と流暢な英語で話している先輩方を目の当たりにし、自分自身の英語力をもっと向上させたいと思いました。この想いを胸に、来年こそは積極的に参加したいです。

オーストラリア大使を担当した井口さん(左)と伊藤さん(右)

井口さん)会議で積極的な発言ができたかどうかと聞かれたら”NO“です。発言できたのはオープニングスピーチとロビーイングで各国の国の状況を共有するところでしか話せず、悔しかった上に自分の英語力の低さを痛感しました。日常会話を話せるだけではMUNK Internationalで積極的な参加をすることはできないとわかり、議論で話される専門的な単語も学ぶ必要を感じました。その一方で、いろんな国の大使と一緒に作るレゾリューションには達成感がありました。今回参加することで掴んだMUNK Internationalのイメージを、次回に活かしていきたいです。今後の抱負は、将来は海外に関わる国際的な仕事に就きたいので、MUNK Internationalの経験値を増やして、高校2年生にはBest Delegate Award(全会議を通じての最優秀賞)を取りたいです。

英語版模擬国連に参加することで得られる3つの能力とは?

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