第1回:子どもの家庭学習の現状と母親が思い描く理想の家庭学習の状態について※
第2回:調査から見えた「家庭学習をうまくいかせるための3つのポイント」(今回)
第3回:家庭学習が「うまくいっている」家庭から学ぶ、親の観察ポイントとは?
※第1回の調査結果は、記事末尾の関連リンクからご参照ください。
ポイント1: 学習する時間を決める
【調査概要】 調査方法:インターネット調査 調査対象:小1~小3の子がいる共働き世帯の母親1,000人 調査期間:2015年8月28日~8月30日 |
親の意識・行動として「平日の家庭学習の開始時間を把握している」(57.7%)、「その日にやった家庭学習の内容を終了後に確認している」(52.0%)の2項目は、「あてはまる」と回答した人が全体の半数を超えていました。
この結果を、家庭学習が「うまくいっている」「うまくいっていない」という状況別にみると、「平日の家庭学習の開始時間を把握している」という項目に対して「あてはまる」「ややあてはまる」と回答したのは、「家庭学習がうまくいっている」家庭で65.3%、「家庭学習がうまくいっていない」家庭は43.1%という結果で、13項目のうち一番差が大きい結果でした。
一方、「うまくいっていない」家庭では、「気がつくと学習に関してがみがみと怒っている」(66.3%)、「子どもの学習を毎日促している」(64.5%)が高率でした。この結果から、「うまくいっていない」家庭は、子どもの学習に関して“促しが必要”であり、このことによって母親が怒りがちであるという状況が浮かんできました。学習する時間が決まっている(親子で決めている)のが、家庭学習をうまくいかせるポイントの一つであると言えそうです。
【グラフ1】 Q. あなたの小学1年生~3年生のお子さまの学習状況や態度について、あなたの意識や行動として近いものをお選びください。 |
ポイント2: 親も楽しむ
もう一つKUMON now!が注目したのが、「子どもとの家庭学習の時間が楽しみだ」という項目に対する回答です。この項目に対して、「うまくいっている」家庭の15.6%の方が、「あてはまる」と回答していました。(「うまくいっていない」家庭では、「あてはまる」と回答したのは、6.5%。)この結果から、親も一緒に家庭学習を楽しむ気持ちを持つことも、家庭学習をうまくいかせるポイントの一つと言えそうです。小学生になると、「学習は自分でするもの」と親は考えがちですが、特に小学校低学年のうちは、親が一緒に家庭学習を楽しみながら取り組むことで、学習習慣づけによい影響があるかもしれません。
ポイント3: 普段からのコミュニケーション
今回の調査では、普段の生活における親子のかかわりと家庭学習状況の相関が見てとれました。共働き家庭で親と子が一緒に過ごす時間は、平均で「1時間38.7分」でした。この結果は、「うまくいっている」家庭と「うまくいっていない」家庭で大差はありませんでした。
親子で過ごす時間の過ごし方は、「テレビを一緒にみる」(69.0%)、「買い物に一緒に行く」(63.8%)、「一緒にお風呂に入る」(61.1%)が6割台で挙げられました。家庭学習の取り組み別に比べると、「うまくいっている」家庭は「テレビを一緒にみる」を除く全ての項目で「うまくいっていない」家庭のスコアを上回る結果が出ました。この結果から、「うまくいっている」家庭は、子どもと様々なことをして過ごしている様子がうかがえます。
【グラフ2】 Q. あなたは、小学1年生~3年生のお子さまと、普段どのように過ごしていますか? |
また、子どもとの会話で話題にあがるのは、「学校での出来事全般」(74.1%)、「友達について」(60.0%)、「子どもの興味のあることについて」(51.2%)の項目がトップ3でした。 家庭学習が「うまくいっている」家庭では、全項目で「うまくいっていない」家庭のスコアを上回り、親子で多くの話題を共有している様子がうかがえます。
【グラフ3】 Q. あなたが、小学1年生~3年生のお子さまとの会話で、話題に多く上がるのは何ですか? |
これらの結果から、家庭学習が「うまくいっている」と感じているママは、会話や遊び、勉強といった日常の基本的な生活の場面を子どもと共に過ごしており、学習に限らず生活全般で子どもとの関わりがスムーズである様子がうかがえます。それによって、家庭学習も「うまくいっている」と感じているとも考えられます。
関連リンク 子どもの家庭学習調査(1)家庭学習の現状と理想|KUMON now! 子どもの家庭学習調査(3)大事な親の観察力、注目すべきポイントは?|KUMON now! 共働き世帯「家庭学習」に関する調査|プレスリリース