第1回:子どもの家庭学習の現状と母親が思い描く理想の家庭学習の状態について(今回)
第2回:調査から見えた「家庭学習をうまくいかせるための3つのポイント」
第3回:家庭学習が「うまくいっている」家庭から学ぶ、親の観察ポイントとは?
家庭学習で行っているのは 「小学校の宿題」がメイン
1日の学習時間は「32.0分」、頻度は週「5.7回」
調査方法:インターネット調査
調査対象:小1~小3の子がいる共働き世帯の母親1,000人
調査期間:2015年8月28日~8月30日
小1~小3の子どもが家庭学習として取り組んでいるのは、「小学校の宿題」(94.2%)が大多数でした。このほか、「通信教育の課題」(30.6%)、「(ドリルや問題集など)両親が与える課題」(20.8%)と続きました。
また、平日の家庭学習の平均時間は「32.0分」という結果でした。学年別にみると、小1が「25.2分」、小2が「32.0分」、小3が「36.7分」と、学年が上がるにつれて長くなっている傾向がみられました。家庭学習の頻度については、週平均「5.7回」という結果となりました。子どもたちは、平日を中心にほぼ毎日、家庭学習に取り組んでいる状況のようです。
52.7%の母親が家庭学習に「悩んでいる」と回答
母親が思い描く理想の家庭学習の状態とは?
わが子の家庭学習に関して、半数以上となる52.7%の母親が「悩んでいる」と回答しました。実際に「わが子の家庭学習がうまくいっている」と回答したのは65.9%、「うまくいっていない」が34.1%でした。この結果から、「わが子の家庭学習がうまくいっている」と思っている母親も、何らかの形で悩みを抱えているということが明らかになりました。
では、母親は何をもってわが子の家庭学習が「うまくいっている/うまくいっていない」を判断しているのでしょうか。
「家庭学習がうまくいっていると思う状態」についてたずねると、「子どもがみずから進んで家庭学習ができる」(54.8%)、「子どもが日々決められた学習量をこなすことができる」(42.0%)が上位に挙げられました。一方、「家庭学習がうまくいっていないと思う状態」については、「声をかけてもだらだらとし、すぐ行動に移さない」(53.3%)が最も多く、続いて「いちいち指図しないと動かない」(35.9%)が続きました。
「子どもの学習への自主的・意欲的な姿勢がみられるかどうか」が、母親が「家庭学習がうまくいっている/うまくいっていない」を判断する根拠となっているようです。
家庭学習の現実…親の対応は?
子どもの学習状況をたずねた設問のうち、家庭学習が「うまくいっている」家庭と「うまくいっていない」家庭の間で、もっともポイント差が大きかったのは「子どもがみずから進んで家庭学習をする」という点で、40ポイント近い差がありました(グラフ1)。逆に「うまくいっていない」家庭では、「親が声をかけないと学習ができない」という点におけるポイントが高く、「うまくいっている」家庭と大きく差がありました(グラフ2)。親が「うまくいっていない」と感じる場合には、親による促しや補助が必要な状況があるようです。
そんな現状に対して、親はどのような対応をしているのでしょうか。
子どもの学習において「ほめることがある」が計82.7%、「怒ることがある」は計76.8%という結果でした。子どもへの「ほめ方」についてたずねると、「『よくできたね』と声をかけて認めてあげる」(68.3%)、「『すごい!』『できるじゃない!』など大きく喜ぶ」(65.5%)というスタイルがトップ2となりました。対して「子どもの願いごとを聞いてあげる」「ごほうびとしておやつや好きなものを与える」など、子どものがんばりに対価を与える方法はとらない方が多いようです。
一方、「子どもの学習に関して怒る原因」についてたずねたところ、「だらだらとし、集中してできていない」(69.1%)、「字が汚く、乱暴に書いている」(57.3%)、「なかなか宿題(学習)にとりかからない」(54.8%)が上位3項目となりました。
家庭学習への取り組み状況別にみると、「うまくいっている」家庭では「ほめることがある」率が高く、「うまくいっていない」家庭では「怒ることがある」率が高くなっています。親の対応が子どもの家庭学習の取り組みに影響している可能性があるといえそうです。
連載第2回以降、家庭学習をうまくいかせるためのヒントを、調査から明らかにしていきます。
関連リンク 子どもの家庭学習調査(2)家庭学習をうまくいかせる3つのポイント|KUMON now! 共働き世帯「家庭学習」に関する調査|プレスリリース