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Vol.032 2014.04.15

学力と読書の関係

子どもたちの豊かな育ち
欠かせない“読書”
平成25年度全国学力・学習状況調査「保護者に対する調査」結果概要から

2014年3月に発表された、お茶の水女子大学による「平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」(文部科学省委託研究)から、学力と読書の関係について考えてみたいと思います。

目次

学力を左右するさまざまな要因

学力と読書の関係全国学力・学習状況調査(通称「全国学力テスト」)は、2007年度から小6と中3の児童生徒を対象に毎年実施されていて、学力の実態を調査するのが第一義の目的というのはご存じの通りですが、学力テストにあわせて、保護者へのアンケート調査も実施(今回は約4万人が対象)されています。このアンケートでは、親の子どもへの関わり方・教育に対する考え方・生活習慣などについて文字通りきめ細かく聞き、学力との関係を分析しています。

過去のこの調査結果からは、基本的生活習慣(朝食や睡眠時間など)や世帯収入と学力との関係などが報告されています。そして、今回の調査にスポットを当てたのは、その目的です。

本研究は、平成25年度全国学力・学習状況調査の追加調査として実施した「保護者に対する調査」の結果を活用し、家庭状況と学力の関係、不利な環境にも関わらず成果を上げている学校や児童生徒の取り組みを分析するものである。
–同調査の報告書(関連リンクからどうぞ)冒頭より

端的にとらえれば「経済的に不利な状況であっても、学力の高い子の要因分析」と考えてもよいでしょう。

不利な環境なのに学力が高い児童生徒の特徴とは?

この調査の分析結果報告書の冒頭のパートには、「家庭の社会経済的背景※が高い児童生徒のほうが、各教科の平均正答率が高い傾向が見られる」と記されています。過去の調査結果と同様、経済的に有利な子どもたちのほうが学力が高い傾向にある、ということですね。

※「社会経済的背景」:家庭所得・父親学歴・母親学歴の3要素を変数化し合成した指標

注目したいのは「不利な環境を克服している児童生徒の特徴」と題した2つめのパートで、つぎのような4項目(要約)が記されています。

  • 家庭の社会経済的背景が低いからといって、必ずしも全ての子どもの学力が低いわけではない
  • 学習時間は、不利な環境を克服する手段の1つ
  • 学習時間の長さが、高い学力の獲得に関して独立した効果をもつ
  • 家庭の社会経済的背景は低いが、学力が高い児童生徒の6つの特徴

さらに、上記の「6つの特徴」(要約)を詳しく見ていきましょう。

◆朝食等の生活習慣
朝食を毎日食べる、毎日同じころに就寝し起床する、テレビやテレビゲームをする時間が少ない
◆読書や読み聞かせ
親が新聞や本を子どもに勧める、小さいころに絵本の読み聞かせをした、いっしょに図書館へ行く
◆勉強や成績に関する会話・学歴期待・学校外教育投資
勉強や成績に関する親子の会話が多い、高い学歴への期待、教育投資額が多い
◆保護者自身の行動
授業参観や運動会などの学校行事への参加
◆児童生徒の学習習慣と学校規則への態度
家で自分で計画を立てて勉強する、学校の宿題をする、学校の規則を守る
◆学校での学習指導
自分の考えを発表する機会がある、家庭学習の課題の与え方について教職員で共通理解(小学校)

[おことわり] この調査報告書後半の「不利な環境においても成果を上げている学校の取組」と「保護者の意識等と学力の関係」のパートは、スペースの都合上割愛させていただきました。関連リンクからご参照ください。

KUMONの読書運動

いかがでしょうか。「6つの特徴」は、そのどれもが「なるほど!」と納得できるものばかりかと思いますが、「読書や読み聞かせ」については、ぜひお伝えしておきたいことがあります。それは、KUMONが30年以上前から、読み聞かせも含めての読書運動に取り組んでいること。

KUMONと読書。意外に思われる方も少なくないかもしれませんが、それには、こんな理由があるのです。公文式学習で優れた学習成果を現した子どもたちの成育歴などを調べてみると、皆例外なく高い読書能力を持っていることがわかったのです。また、そうした子たちのほとんどは、乳幼児期から絵本の読み聞かせなどを通して、豊かな親子のコミュニケーションを体感し、親子の絆がしっかりと育ち、その結果として豊かな言葉も育っています(関連リンクからどうぞ)。こうしたベースがあってこそ、自ら積極的に本を読み、高度な知識と豊かな感性を身につけていけるわけです。

読書運動の具体的な活動としては『くもんのすいせん図書』を選定しています。一人でも多くの子どもたちを読書好きに育てたいという願いから、読書へのきっかけを与え、本への興味・関心、そして段階を追って読書力を高めていけるように、読みやすいものから深い内容の本へと13段階に分け、各段階に50冊の本(計650冊)を配しています。

『くもんのすいせん図書』は、世間一般にある大人が子どもに読ませたい課題図書のリストではありません。古今東西の優れた図書のなかから、子どもたちに人気が高く、内容的にも優れている本を選りすぐったものです。ぜひ、一度ご覧いただければと思います(関連リンクからどうぞ)。また、有料になりますが、ご家庭で手軽にできる読書指導のポイントとともに、「くもんのすいせん図書」650冊を紹介している冊子、『くもんの読書ガイド』(下記参照)もあります。

くもんの読書ガイド

『くもんの読書ガイド』 会員価格 90円(税込)

ご家庭で手軽にできる読書指導のポイントとともに、「くもんのすいせん図書」650冊を紹介している冊子です。公文式にご入会の方は、教室を通じてお求めいただけます。 ご入会いただいていない方は、冊子・送料分の切手が必要となります。ご希望の方は以下をご覧ください。


関連リンク 平成25年度全国学力・学習状況調査「保護者に対する調査」結果概要 [PDF/477KB] “歌と読み聞かせ”を科学する|KUMON now! くもんのすいせん図書一覧表 [PDF/630KB]

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