アドバイザーとして「“人を支える”人」をサポート
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現在私は、公立の中学・高校のスクールカウンセラーや大学の非常勤講師を務めるほか、「いのちの電話」「チャイルドライン」「子育て支援」など、地域でボランティア活動をされている方々をサポートする仕事をしています。子育てなどの悩みを電話で相談できる「くもんダイヤル相談」の相談員の対応についてアドバイスしたり、指導者対象の「コミュニケーション講座」のお手伝いをしたりと、公文教育研究会ともお付き合いもあります。
個人事務所である末松TA研究所では、個人やカップルを対象とした心理面接やカウンセリングの勉強会を行っています。勉強会は、ソーシャルワーカーや臨床心理士などプロの方のグループもあれば、カウンセリングに関心がある主婦の方のグループもあります。また、TA(Transactional Analysis:交流分析)の国際資格を持っているので、学びたいという方にTAを教えることもあります。
「TA」というのは、1950年代半ばに、アメリカの精神科医エリック・バーン博士によって開発された心理学の理論です。「精神分析」(当人が“気づいていない意識”を理解していくための、心を分析する手法)を取り入れながら、人と関わる中で自分を活かしていくために、さまざまな“とらわれ”を解放していくアプローチです。
例えば私がある人を面接したとします。そのとき、「この面接で自分が何をしているか」ということを本人にわかってもらいながら、「自分でどう変えていきたいのか」を明確にしていく。最終的には、私のような立場の人がいなくても、自分で“人と関わる力”を身につけられることをねらいとしています。「自分や他の人との関係の中で何が起きているのか」を理解するための理論であり、日本では心療内科で使われるほか、教育界ではエゴグラムなどが知られています。
このように、今でこそ私は“心”に関する支援活動をし、学びを追求していますが、最初に進んだ法学部時代は学ぶことにそれほど真剣に取り組んでいませんでした。「学問」の喜びを知ったのは、2回目の大学時代です。