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Vol.550 2025.04.01

小2で数学最終教材を修了した元公文生が第28回ジュニア算数オリンピックで金メダル受賞!

ワクワクする気持ちで
丁寧な学習時間を意識することが
難問に取り組む秘訣

KUMONは「一人ひとりの可能性を追求し、その能力を最大限に伸ばすこと」を目指しています。そのため公文式教室では、指導者が子どもたちの伴走者になり、年齢に関係なく一人ひとりの学力にあった「ちょうどの学習」を進めます。
2024年夏、ジュニア算数オリンピックで金メダルを受賞した小股陽翔(おまたはると)さん(取材時小5)は、3歳の頃公文式教室に入会し、小学3年生まで学習しました。算数・数学は小学校入学前に中学課程相当の学習を修了。その後も難しい問題にチャレンジし続け、小学1年で高校基礎課程、小学2年で最終教材であるO教材を修了。最終的にはその先の研究コース(現在のコンプリーターズコース)まで学習を進めました。
指導された棚田幸子先生が「KUMONですごく伸びた生徒さん」と絶賛する陽翔さんとご両親、棚田先生にお話を聞きました。

目次

    3歳で入会したKUMON
    問題が難しいほどワクワクした

    陽翔さん
    国語教材を学習
    (入会して間もない頃)

    陽翔さんは小さいころから好奇心旺盛で、街中の看板に興味を示し、目にしたものを「あれは何?」とよく質問する子どもだったそうです。2歳半の時にはすでにひらがな、カタカナ、数字を理解し、好きだったKUMONの世界地図パズルではピースの形で国名を答え、車に乗ると近くを走る車のナンバープレートで簡単な計算をして遊んでいたといいます。

    ご両親はそんな陽翔さんを見て、学ぶ環境をつくってあげるにはどうしたらよいか考え、何か習い事をさせてみることにしました。ちょうどお祖父様が通っていたスポーツクラブの近くに公文式教室があり、お祖父様のアドバイスもあって入会。特に数字や計算が好きだったので、算数から学習を始めました。

    陽翔さんに当時の教室の思い出を聞きました。

    「棚田先生が大きな花丸をつけて『さすが!すごいです!』などとコメントを書いてくれるのがうれしくて、毎回行くのが楽しみで仕方がありませんでした。その後国語と英語も加わり、算数も進度が進むとだんだん難しくなっていきましたが、一度も嫌だと思ったことはありませんでした。むしろ難しい内容や問題であるほど絶対にマスターするんだとワクワクしました」

    「教室では宿題をしっかりと終わらせると「がんばりカード」をもらえて景品と交換できたので、たくさんもらうため宿題を頑張った記憶があります。頑張った分だけ進度を上げることができたこと、また、先生がいつも笑顔でほめてくれるので、それが本当にうれしくて、モチベーションにつながりました」

    お母様に聞く
    学習エピソードとスランプ

    陽翔さん
    2018未来フォーラムで棚田先生と弟と(5歳の頃)

    陽翔さんのお母様に学習の思い出をふり返ってもらいました。

    「くもんは遊びの延長で、本人は嬉々として取り組んでいました。幼稚園に入る前は時間の余裕もあったので、くもんの学習は陽翔がやりたい時にやりたい分だけ進めていました。楽しくて止まらないときは1日トータル3~4時間学習していた日もあって、幼いころからとにかく集中力がすごい子でした。徐々に学習進度が上がって難しくなっていきましたが、楽しそうに学習している陽翔をみて、くもんを始めて本当に良かったなと思っていました」

    「自分からどんどん取り組み、宿題がなくなってくると『プリントのおかわりほしい!』と陽翔から言われることが何度かありました。今でも覚えているのが、年少の時のお正月のエピソードです。当時小学5年生レベルの教材をしていたのですが、年末に大量に宿題を出していただいたのに、残りがなくなってしまって、先生に申し訳なく思いながら追加でプリントをいただけないかお電話したことがありました」

    「年長になってからは図書館で学習することが多くなりました。自宅近くに3か所あったので、その日の気分で陽翔に選んでもらい、どの教科を学習してもいいようにくもん3教科分のプリントや、漢検、英検などのテキストを準備して行っていました。休憩時に食べるおやつも忘れずに持っていき、学習の合間に一緒に食べるというのがひとつの楽しみでもありました。自宅だとおもちゃなどの誘惑でなかなか学習が進まないときもありましたが、図書館では集中して取り組めるため、しっかり宿題を終えることができました。気分転換に読書をしたり、大好きな地図帳を見たりできるので、図書館学習は我が家にとってとてもよい学習方法でした」

    「幼稚園生の頃、学習進度が進み、1枚のプリントに時間がかかるようになったこともあり、スランプになったことがありました。そんなときは自宅の庭にテントを広げて外で学習をしたり、ポイントカードをつくり宿題の枚数に応じてポイントを貯めて菓子をプレゼントしたり…、いろいろと工夫して、喜びながら楽しく学習できる方法を探しました。それでもうまくいかないときは棚田先生に相談して、教室での学習や宿題の量などを調整していただきました」

    「棚田先生は気軽に相談に乗ってくれる方なので、どうしたらいいか悩んだときは、すぐ相談させていただきました。先生の言葉にはパワーがあって、不思議と悩んでいたことがスッと解消してしまうので、安心して頼っていました。棚田先生には本当にお世話になり、感謝しております。教室で発行される教室だよりからもたくさん学ばせていただきました。今でも大事に保管していて、時おり見返しています。また、同じ教室で出会ったママさんたちの存在も大きかったと思います。教室の待合室で、悩みを共有したり、お互いの頑張りをほめたたえたりできる環境があったからこそ、親子共々楽しくくもんに通い続けることができました」

    宿題は短時間で集中を意識

    陽翔さん
    2021年高進度賞オブジェと(小学2年生の頃)

    小さなスランプはあったものの、「くもん大好き」という陽翔さん。自宅ではどのように取り組んでいたのでしょうか。陽翔さんに当時の学習について聞きました。

    「宿題は夕方から夜にかけてリビングで学習していました。今できる枚数+αを意識して、目標を決めて取り組んでいました。1枚終わるごとに母が隣で採点してくれるので、すぐに間違いを訂正でき、精度の高い学習ができました。一度の学習は1時間程度で、短時間で集中することを意識していたので、残りの時間は自分の好きなことをしたり、家族で出かけたり、時間を有効に使うことができました」

    数学検定にチャレンジ

    陽翔さん
    最終教材のO教材を学習(小学2年生の頃)

    KUMONでの学習を順調に進め、幼稚園生のうちに中学課程レベルを修了した陽翔さんは、外部のテストにもチャレンジすることにしました。

    「数学が高校教材レベルになった頃、数学検定3級合格という目標ができました。参考書や過去問題集を使って独学をしましたが、全く習っていない単元を理解するのが本当にたいへんで、何度もくじけそうになりました。解説書を読んでもわからないところは、両親や教室の先生に聞いて習得。初めて数学検定を受験し、3級に合格したとわかった瞬間は大喜びして飛び跳ねました」

    小学校1年生の秋に数学検定3級に合格した後は、準2級、2級の1次試験まで合格。その後、漢字検定3級、英検4級も取得しました。

    ジュニア算数オリンピックで金メダルを獲得

    陽翔さん
    算数オリンピック表彰式会場で

    その後陽翔さんは算数オリンピックという大会にもチャレンジし、小学5年の時、見事ジュニア算数オリンピックで金メダルを獲得しました。

    「小学校3年生の6月に初めて算数オリンピックのキッズBEE(小学1年生~3年生対象の大会)に参加しました。力試しの気持ちで挑戦しましたが、決勝大会まで進んだものの、入賞はできず、悔しい思いをしました。4年生ではジュニア算数オリンピック(小学5年生以下対象)に挑戦し、決勝大会まで進みましたが、入賞はできませんでした。そして、5年生の今年、再度ジュニア算数オリンピックに挑戦し、念願の金メダルを手にすることができました。授賞式ではピーター・フランクルさんから賞状とトロフィー、金メダルをいただき、涙が出るほどうれしかったです。この気持ちは一生忘れることはありません」

    これからの夢や目標

    小学生で検定試験合格やジュニア算数オリンピック金メダルなどさまざまな成果を出した陽翔さんに、これからの夢や目標について聞きました。

    陽翔さん

    「将来は病気の研究をして多くの命を救うことができる医師になりたいです。小学4年生の時、大手中学受験塾の全国テストで成績上位者になり、10日間アメリカ研修に行く機会をもらいました。プログラムの中に、イエール大学でウイルスの研究で活躍されている日本人研究者の講義があり、いまだ解明されていない病気を治すために日々戦っている医師や研究者の姿に感銘を受けたことを覚えています。この夢を叶えられるよう、一生懸命頑張りたいと思います」

    学習中の皆さんへのメッセージ

    算数・数学最終教材修了を目指す現在学習中の皆さんへ、陽翔さんからメッセージをいただきました。

    小学3年の夏頃学習していた研究コースの教材
    小学3年の夏頃学習していた研究コースの教材

    「公文式教材は初めての単元でも理解しやすい構成になっていて、徐々に難易度が上がるため、一問一問『できた!』と手ごたえを感じながら解き進めることができるようになっています。何度もくり返し解くことは、学力を定着させるために必要な要素なので、難しくてもあきらめないで取り組んでほしいと思います。つまずいたときは一つひとつ丁寧に計算過程を書き出していけば、頭の中も整理され、正解にたどり着けると思うので、あせらずじっくり解いてみてください」

    「私は問題を解くスピードにもこだわり、時間を計りながら学習していました。時間を意識することで、集中力を向上することができます。そして、同じプリントを解くスピード、正解率を確認することで、自身の成長を感じることができます。計算処理の精度を高め、演習量を重ねれば、どんな問題に対しても対応できる力が備わっていくので、是非皆さんも時間を意識して取り組んでみてください」

    棚田先生からのメッセージ

    最後に、今まで陽翔さんを指導し、見守ってこられた棚田先生から、メッセージをいただきました。

    陽翔さん
    通っていた教室で棚田先生と

    「たくさんの子どもたちを見てきて確信しているのは、子どもは天才の頭脳を持って生まれているということです。ただ、その才能が目覚めるか眠ったままかは、どのような環境や学びを与えるかによって変わります。KUMONを通じて多くの子どもたちが驚くほど思考力や挑戦する力を身につけ、生き生きと夢を叶えていく姿を何度も目にしてきました。だから私は『KUMONはやっておいた方がいい』としみじみと思うのです」

    「特に高進度の教材に進むと、単に知識が増えるだけでなく、初めて出合う課題にどう向き合い、解決へと導くかを考える力が養われます。難問を前にしても論理的に思考し、多角的に捉え、冷静に対処する力も磨かれます。陽翔さんも、お母様の温かいサポートのもと、新しい教材に夢中で取り組み、まるでスポンジのように知識を吸収し成長していきました。人生には挫折もありますが、陽翔さんならそれさえも糧にして力強く乗り越えられるでしょう。夢をつかみ、大きく羽ばたいていく姿が目に浮かびます。何か迷うことがあったらいつでも気軽にいらしてくださいね」

    KUMONは努力を続ける陽翔さんを応援するとともに、すべての学習者が個々人の持つ能力を伸ばし、夢を叶えることができるよう、これからもサポートしてまいります。

    関連リンク 公文式算数・数学教材の一覧 | 公文教育研究会 英語最終教材修了された野菜ソムリエプロ・緒方湊さんが語る学び続ける大切さ 公文式フランス語最終教材修了生から見る自立した学習者の姿とは? 一般財団法人算数オリンピック委員会 公式サイト 2024年大会結果報告

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