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Feature Report - 進化し続ける活動
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KUMONグループの活動  2017/06/27更新

Vol.215 児童養護施設でのKUMON-飛鳥学院  

将来の自立に向けて、
もっと自分の可能性
引き出してほしい

「児童養護施設は衣食住足りているだけでよいのだろうか?」「親御さんたちに代わって子どもたちを育てるという大きな使命を担っているからこそ、“一流の子育て”を目指すべきではないだろうか?」。今回ご紹介する児童養護施設・飛鳥学院の河村院長は、日々そう自問自答していると言います。では、河村院長の考える“一流の子育て”とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

河村院長が考える“一流の子育て”とは?
そして、それを妨げる“偏見”と“言い訳”


飛鳥学院の子どもたちの学習枚数は多い。17人(幼児2人・小学生15人)の子どもたちの月平均学習枚数は132枚(算数・数学)。このプリント教材の厚みが努力の証であり、子どもたちが自分の道を切り拓く“力”の素となる。

さて、冒頭で記した“一流の子育て”。気になっている方も多いかと思いますが、河村院長はこんなふうに話してくださいました。

「“一流の…”といっても、お金をたくさんかけるということではありません。そんな余裕はないですしね(笑)。簡潔に申し上げれば、“子どもたちそれぞれが秘めている可能性を、わたしたち大人が十二分に引き出していこう”ということなんです。数学が好きな子は数学を、サッカーが上手な子はサッカーを、音楽が得意な子は音楽を、というように、その子がもつ能力や可能性を引き出して、さらに伸ばしてほしいと思っています。それが未来の進学や仕事に結びつけば…と思いますが、それはちょっと出来すぎですね、理想ですけど」。

「もっと別の表現をすれば、子どもたちの能力や将来性や希望を、われわれ大人がしっかりと汲みとって、いかに子どもたちが生き生きと育っていけるか、ということになるでしょうか。なかなか実現するのは難しいのですが、チャレンジしています。また、可能性の芽もたくさんあるでしょうから、その“たくさん”にもチャレンジさせたいですね。ですから、子どもたちには学校以外の、地域のスポーツ活動や文化活動にも積極的に参加するように勧めています」。

「ただ、口で“一流の子育てを…”と言うのは簡単ですが、施設のなかで子どもたちと日々向き合いながら実践するのは、正直たいへんです。子どもたちに優しい顔ばかりをしているわけにはいきませんから。ときには、厳しい言葉、毅然とした態度で接することも必要です。例えば、公文の学習です。プリントをやりたくないとすねて、しまいには破ってしまう子もいます。そのとき、どうするかです。やりたくない理由はきちんと聞きますが、それとは別に、破ったプリントはセロテープで貼り合わせ、片面だけになりますが、子どもがやりきるまでつき合います。夜どんなに遅くなってでもです。もちろん、やりきったら、たくさんほめますよ。こういったバランスのある対応も、将来の自立を促すのには大切だと考えています」。

「もうひとつ、自戒の念を込めて、お話ししておかなければいけないことがあります。それは、子どもたちに向き合っているとき、わたしたち自身に“偏見”や“言い訳”はないだろうか、ということです。ご存じのように、児童養護施設に入る子どもたちは、児童相談所で心理診断のひとつとして知能テストを受けることになっています。守秘義務がありますので、ざっくりとした言い方になりますが、IQのスコア(知能指数)が100を超えている子のほうが少ないのが実情です。そういうデータが無意識のうちに脳裏にこびりつき、“公文をこれだけ学習したのに学年相当に追いつかないのは、やはり知能指数が低いから…”という偏見、あるいは“ここまで教材が進んだんだから、もうこれくらいでいいじゃないか”といった言い訳を、わたしたちがしてはいないだろうかということです。知能テストでわかるのは、子どもたちの部分的な能力や発達レベルで、子どもたちが秘めている能力や可能性全体はわからないと思うのですが、どうしてもスコアを気にしている自分がいる。これは、本当に反省し、払拭しなければいけないと考えています」。

「知能指数といえば、こんなこともわかってきました。いま言ったことと矛盾するような話なのですが、ここに入ってきて1年2年とたつと、学力面もですが、立ち居振る舞いも含めての行動面やメンタル面がかなり良くなる子が多く、“これは知能指数も上がっているんじゃないか”と感じることがよくあります。事実、特別支援学校に在籍する子たちは療育手帳の関係で、知能テストを受けることがあるのですが、確かにスコアがアップしているんです。このことが科学的に解明できれば、つまり、学習や子育てや環境により知能指数がアップするとわかれば、われわれもですが、子どもたちに大きな励みになると思うのです。ぜひ、ほかの施設や公文とも協力して解明できればと考えています。それが実現すれば、“知能指数が低いから…”という偏見はなくなるでしょうから」。

子どもたちの意識がプラス志向化している

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