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Vol.069 2015.01.06

KUMONの子ども文化活動-お正月の子ども浮世絵

子ども浮世絵のなかに
描かれたお正月
百聞は一見に如かず.江戸時代の羽根つきや双六などの遊び、そして学びの場

老若男女、いまも昔もお正月は大切な年中行事です。餅つきや門松の用意はもちろん、近年では「大掃除」のようにとらえられている煤払いなどは、新しい年の始めに歳神様を家に迎えるための行事でした。KUMONが所蔵する子ども浮世絵のなかにも、江戸時代のお正月の様子や遊びを描いた作品が多数あります。浮世絵を通して、当時のお正月をお楽しみください。

目次

子宝五節遊 初春


『子宝五節遊 初春』 鳥居清長 寛政中期

門松が飾られ、空に凧が泳ぐ江戸の正月を楽しむ子どもたちを描いています。手前の少女二人は、手鞠をついており、左の振り袖姿の少女は公家絵の羽子板と羽根を持っています。鞠は五色の絹糸で作られ、羽根は三枚羽根です。少女の衣装は、宝尽くしや梅など、正月らしい文様があしらわれています。門松の前の男子は、裃(かみしも)姿で腰に脇差、手に扇を持ち、お供(とも)を連れて年始に向かう途中でしょうか。

おさな遊び正月双六


『おさな遊び正月双六』 歌川広重 天保14年~弘化3年頃

これは正月の遊びをテーマにした双六です。ふりだしは「道中双六」で、上りは「歌かるた(百人一首など)」。双六は男女を問わず正月の楽しみのひとつでした。描かれている遊びを男女別に見ると男子は「竹馬、たこ、こま」で、女子は「ままごと、あね様、まり、羽根、きさご、綾とり、折り紙、お手玉」が描かれています。男女共通のものは「草双紙、いろはかるた、福引」ですが、なぜか男子と比べて女子の遊びがはるかに多く描かれています。

風流てらこ吉書はじめけいこの図


『風流てらこ吉書はじめけいこの図』 歌川豊国 文化2年頃

これは年の始めの寺子屋(手習所)の一場面です。江戸時代は町人も子育てには熱心で、多くの子どもは家庭で躾をされ、寺子屋で文字の読み書きを習い、算盤や算術を学びました。右側で御神酒を受けているのが女師匠で、手前には晴れ着の母と子が座り、これから師弟の縁固めをするところです。左側は学びの場で、寺子たちは向き合って座り、各自それぞれの手本を使って手習いに励んでいます。

金太郎尽 正月


『金太郎尽 正月』 歌川芳艶 弘化4年~嘉永5年頃

江戸時代のスーパーヒーロー金太郎が新年の社殿で豆撒きをしている場面です。金太郎は烏帽子(えぼし)に弁慶格子の裃(かみしも)という礼装で豆をのせた三方をかかえ、逃げる赤鬼、青鬼に向けて力強く豆を撒いています。豆撒きは室町時代から始まったとされ、江戸後期には広く行われました。社殿上部には、注連縄(しめなわ)が見られますが、旧暦での節分(立春)は、元日前後に行われていました。

≪ お知らせ ≫
2015年1月13日(火)から『くもん子ども浮世絵ミュージアム』に英語でお楽しみいただけるページを増設いたします。

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