江戸時代の“子どもの遊び文化”を新しい視点で詳解した“初の大事典”!
江戸時代は「遊びの黄金期」とも言われ、子どもたちにとっては遊びの天国!新春の凧揚げ、春には桜の木の下で相撲、初夏の蛍狩りから冬の雪遊びといった四季折々の遊びから、芝居ごっこ、火消しごっこなど大人の真似っこ遊び。
この事典は、これらの遊び絵に加え、いつの時代も変わらないいたずら、けんか、落書きにいたるまで、江戸時代の浮世絵に描かれた約800点を収録し、子どもたちの遊び文化を詳解した“初の大事典”です。KUMONは、この事典に収録されている浮世絵約800点のほぼすべてを提供しています。
江戸時代 子ども遊び大事典
監修 小林 忠 国際浮世絵学会会長
編著 中城正堯 江戸子ども文化研究会主宰 国際浮世絵学会理事
B5判・上製244頁/カラー口絵16頁/索引付載
定価 本体12,000円(税別)
発行 株式会社東京堂出版
絵画史料の解明によって「遊びの黄金期」、江戸の実像に迫る!
この事典の「はじめに」には、江戸時代の子ども文化の価値と伝承の大切さ、子ども遊び文化研究の新たな進展などがつぎのように記されおり、21世紀の重要な課題でもある、新しい子ども文化や遊びを創出するためのヒントを探れる貴重な一冊となっています。
本書は、かつて欧米人が絶賛した江戸の子ども文化でもその中核をなす「遊び」を、当時の図版を活用して総集するものである。江戸の浮世絵師たちが錦絵・版本を問わず、子どもをテーマに厖大な作品を残してくれていたことは、近年公文教育研究会の「子ども文化史料」収集研究によって、明らかになってきた。従来の文献史料による研究ともあわせて、絵画史料の解明によって「遊びの黄金期」江戸の実像にせまりたい。遊びの由来に関しては、本書は江戸の人々の見解を中心に記述してある。日本の遊び研究は従来民俗学的な考察が中心で、神仏など民俗宗教との関連が強調された。近年は、歴史学・絵画史料学・文化人類学・子ども学など多角的な研究が進んだ。その結果、中国文化受容など遊びの歴史における国際性から、異界・他界と自在に往還して遊ぶ子ども世界の特質、さらには「子どもの遊びこそ人類文化の根源」といった遊び文化の新評価まで、遊びの本質に迫る提言がなされており、その反映も心がけた。
≪本書「はじめに」より抜粋≫

この事典の5つの特長
- 特長1 江戸時代に見られた子どもたちの遊びを五十音順に並べ、絵図とともに遊びのやり方・対象年齢・由来などを解説。
- 特長2 紹介、解説を付した遊びは280項目超。
- 特長3 掲載した浮世絵は、史料としての大切さだけでなく、鑑賞用としても優美。
- 特長4 遊びの名称は、江戸時代および明治初期の各種資料から代表的な呼称を選び立項。
- 特長5 巻末には、本文中で紹介した絵師、絵師別作品一覧のほか、詳細な総索引も記載。

【予告】夏休みにKUMONの子ども浮世絵で江戸時代を楽しみましょう!
千葉市美術館・夏休み特別企画『江戸へようこそ!浮世絵に描かれた子どもたち』が、7月8日(火)から8月31日(日)まで開催されます。KUMONの子ども浮世絵コレクションを中心に、愛情に満ちた子ども浮世絵の世界を紹介します。

鳥居清長《玉花子の席書》
天明3(1783)年