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Vol.385 2021.01.05

浮世絵から見える江戸時代の人々「書初め」

新しい一年の目標や抱負を胸に
~江戸時代の人々のお正月

KUMONでは1986年から子ども文化研究のために浮世絵を中心とした文化史料を収集・研究してきました。今回は古くからお正月の時期に人々に親しまれてきた書初めの様子を伝える浮世絵を紹介します。浮世絵から垣間見える江戸時代の人々の暮らしを一緒に想像してみましょう。

目次

新しい一年の始まりに

手書き文字を書く機会もめっきり減ってしまった現代人。最近は手書き文字の注目度が高まりを見せているようです。そんな昨今ですから、正月の書初めで一年の目標や抱負を書いてみてはいかがでしょうか。

そもそも書初めが始まったのは平安時代。そのころの宮中行事で1月2日に行われていたそうです。江戸時代に入ってからは寺子屋での文字の手習いの普及とともに、庶民の間でも行われるようになっていきました。
古くは元日の朝の初めて汲んだ若水を神棚に供え、翌日にその水で墨をすって詩歌を書いたようですが、庶民への広がりとともに一年の抱負や、字の上達祈願を書くようになっていったようです。書初めは小正月のころ神社で行われるどんど焼きの火祭りの時に、注連縄(しめなわ)や門松、松飾とともにお焚き上げをして願いが叶えられるといわれています。

さて、今回は歌川 豊国「風流てらこ吉書(きっしょ)はじめけいこの図」という寺子屋の書初め会を描いた作品を紹介します。
右手中央で晴れ着の母子から神酒(みき)を受けているのが女師匠です。これから盃(さかずき)を交わして師弟の縁固めをするところのようです。娘の左にある黒い箱には新入生から寺子屋仲間へのお近づきの印の菓子が入っていると思われます。師匠の背後の机や棚には書物、半紙、筆立、硯(すずり)、短冊などが並べてあり、横には火鉢が置かれています。画面の中央と左側は教室であり、コの字型に並べた天神机で、寺子たちが向き合って座り、各自それぞれの手本を使って手習いに励んでいるのが分かります。運筆を手助けする助手もいます。なかには、手習いにあきてあくびをする子もいれば、墨をする子もいます。左手前には衝立(ついたて)があり、その中には新春にふさわしく「寿」の文字や「きみがよは千代に・・・」の和歌も貼られています。左上の女性の手習い帳に書かれている西村屋与八という文字からは版元の名前も知ることができます。

風流てらこ吉書はじめけいこの図『風流てらこ吉書はじめけいこの図』 歌川豊国 享和4年(1804)

関連リンク くもん子ども浮世絵ミュージアム

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