成長するための「型」を身につけた公文式学習
―― 現在はコンサルタントとしてご活躍されています。どのようなお仕事をされているのでしょうか。

日系企業を対象に、事業戦略の策定やその実行に対する伴走支援を行っています。現在は、複数の部署から集まったメンバーでチームを組み、製造業のクライアントを支援しています。経営層やマネジメント層の方々とお話ししながら、事業をどの方向へ進めていくべきかを一緒に考える仕事です。
クライアントの皆さんは、日々様々な判断を迫られています。その重要な意思決定を後押しできたと思えたときに、やりがいを感じます。また、これまで知らなかった業界や領域について、短期間で情報を集め、理解を深め、相手にとって価値のある提案を作り上げていく過程も楽しいです。
前職では自動車メーカーに4年間勤務し、電気自動車に関わる電池系ビジネスのサービス体制づくりや、インド、タイなどアジア地域での事業改善活動の支援に携わりました。その経験を通して、事業を構想したり、戦略を考えたりする仕事をさらに深めたいと思い、現在のコンサルティング会社へ転職しました。
―― 3歳から高校2年生までKUMONで学ばれていたそうですね。KUMONで身についた一番大きな力は何だったと思いますか。

私はKUMONを通して、成長するための「型」を身につけたと思っています。その型には、「努力の方向性」と「努力を続ける力」という二つの軸があります。
ただ闇雲にがんばるのではなく、目標に対して自分の進んでいる方向が正しいのかを考える。うまくいかなければ、解き方や取り組み方を見直す。そして、正しいと思える方向に向かって、粘り強く努力を続ける。このくり返しを、日々の公文式学習の中で自然に身につけることができました。
幼い頃は、同じプリントをくり返し解いたことも、泣きながら取り組んだこともありました。それでも、最後には自分の力で100点を取ることができた。その経験が、「諦めずに続ければ、できるようになる」という自信につながったのだと思います。
KUMONを始めたきっかけは、8歳上と6歳上の兄たちが学習していたことです。KUMONが身近にある環境で、自然と学習に向かうことができました。子どもの頃、親から「勉強しなさい」「宿題をしなさい」と言われた記憶はありませんが、KUMONの宿題は自然と「自分がやるもの」になっていました。両親も、「自分で決めたことは、自分で責任をもってやりきりなさい」という姿勢で見守ってくれていたように思います。
自分のペースで少しずつ先に進み、できることが増えていくKUMONの仕組みそのものも、私には合っていました。KUMONで身につけた自学自習の姿勢は、大学受験や資格試験はもちろん、未知の領域を短期間で学ぶことが求められる現在の仕事にも生きています。
自分の価値観を問い直したEICでの実体験
―― 小学4年生で参加したEICでは、どのようなことが印象に残っていますか。

当時、先にEICへ参加していた兄たちに憧れ、「私も行ってみたい」と思ったのが参加のきっかけです。初日は緊張してしまい、ほとんど話すことができませんでしたが、最終日には別れが寂しくて涙を流すほど、キャンプリーダーや仲間たちと打ち解けていました。
外国籍のキャンプリーダーたちが、ハイタッチやハグを交えながら、明るく、全身で気持ちを表現する姿も衝撃的でした。それまで私の周囲には外国人がほとんどいなかったので、「こんなコミュニケーションの取り方があるんだ」と驚きました。
一方、EICに参加したことで、自分自身の中にあった無意識の偏見にも気づかされました。私は当時、肌の色や育った環境が異なる人たちに対して、知らず知らずのうちに「かわいそうな人」「自分たちが守ってあげるべき人」という見方をしていたことに気づかされました。
外国籍のキャンプリーダーたちは明るく自信に満ちていて、私たちに多くのことを教えてくれました。その姿を前にして、自分の中にあった一方的な思い込みに気づき、大きなショックを受けました。私にとってEICは、単に英語を使う楽しさを知る場だっただけではなく、自分の価値観や世界の見方を問い直した最初の経験だったと思います。
―― EICでの経験は、その後の人生にどのようにつながっていきましたか。
EICで受けたショックは、ずっと心の中に残っていました。当時は国際機関で働くことに憧れていましたが、「このような偏見をもっている自分に、国際的な仕事をする資格があるのだろうか?」と考え、一度はその夢を諦めました。

その思いと改めて向き合う機会になったのが、大学1年生で参加したウガンダ研修です。私の中には、「EICのリベンジをしたい」という気持ちがずっとありました。教授の「自分の『普通』を捨てて相手の『普通』を体験した時、初めて相手の文化を対等に理解できる」という言葉に触発され、実際に現地へ行き、自分の目で人々の暮らしを見て、自分の中に残る先入観を乗り越えたいと思ったのです。
ウガンダでは、同年代のウガンダ人学生が「生まれた場所は変えられなくとも未来は自分で変えられる」「一期一会を大切にしたい」「人生最期まで学び続けねばならない」と話す姿に出合いました。私よりも厳しい環境にいるはずの彼が、力強く前向きな言葉を語っている。その姿に感銘を受けると同時に、悔しさも感じました。
日本に生まれた私は、有り難いことに、学ぶことも、行きたい場所へ行くことも、様々な選択ができます。一方で、世界には自分で選べる選択肢が少ない人もいるという現実もあります。恵まれた環境にいる自分には、そういった現実があることを「知る義務」があるのではないかと考えるようになりました。
その後、チェコへ留学し、東欧の旧共産主義国について学びました。さらに、ヨーロッパ、アフリカ、インド、中東など、これまでに61ヵ国を訪れました。ふり返ると、EICで受けた衝撃が、世界を知りたいと思う最初のきっかけになったのだと思います。
目の前のプリントは、やがて世界へとつながっていく
―― 61ヵ国を訪れた経験から、「日本をもっと元気にしたい」という思いが強くなったそうですね。
海外を旅していると、日本を好きだと言ってくれる人によく出会います。日本の文化や技術、人々の姿勢を高く評価してくれる方も多く、日本人であることを理由に親切にしてもらうこともありました。
一方で、日本人の私たちは、自分の国の魅力や、日本に生まれたことの価値を十分に感じられていないのではないかと思うことがあります。海外からこれほど好意的に見られているのに、日本人の私たちが日本を愛しきれていない。そのギャップを、私は少しいびつで、悲しいことだと感じています。
世界を知れば知るほど、日本にはよいところがたくさんあると気づきます。もちろん、変えていかなければならない課題もあると思います。だからこそ、日本が世界でより存在感を高め、日本人が「この国に生まれてよかった」と思える社会をつくるために、自分も何らかの形で貢献したいと考えています。

旅では、思いがけない出会いにも支えられました。旅先で偶然出会った人の一言が、その後の生き方を変えることもあります。ハンガリーのブダペストのトラム(地下鉄)で出会ったご高齢の日本人女性から、「勇気さえあれば何歳からでも何度でもスタートできる」と声を掛けてもらったことがありました。当時、私は歳を重ねるほど可能性が絞られるという焦りから生き急いでいた節があったため、その言葉に勇気をもらうとともに、怖いと思っていた歳を重ねることを楽しみに思えるようになりました。そうした出会いも含めて、世界を旅することは、私にとって自分自身を見つめ直し、未来を拓くための希望とパワーを与えてくれる起爆剤です。
―― これから挑戦したいこと、実現したい未来について教えてください。

仕事を通して、日本企業がさらに成長し、世界で存在感を発揮するための支援をしていきたいです。その積み重ねが、日本を元気にすることにもつながると考えています。
また、個人としては、何かに挑戦したいと思っている人や、本来その人がもっている魅力や力を発揮しきれずにいる人の背中を押せる存在になりたいです。その人が一歩を踏み出すためのスイッチを押す「モチベーター」のような人になれたらと思っています。
将来的には、経済的にも時間的にも余裕ができたら、国際機関や草の根の活動にも携わりたいと考えています。世界を旅するという意味では、いつかは100ヵ国を訪れることも目標にしています。これからは南米やキューバなど、まだ訪れたことのない地域にも足を運んでみたいです。
私は、「選択を正解に変える」という考え方を大切にしています。人生では、その場で何が正解なのかわからなくても、いずれかの選択肢を選ばなければならない時があります。でも、選んだ後にどう行動するかは自分で決められます。たとえ思い通りにならなくても、考え方を切り替え、努力を重ねることで、自分の選択を正解だったと思えるようにしていくことができると思っています。
―― 最後に、KUMONで学ぶ子どもたちや、GICへの参加を考えている皆さんへメッセージをお願いします。

KUMONで学ぶ皆さんには、目の前のプリントに取り組む中で、ぜひ自分なりの「成長の型」を身につけてほしいです。
夢や目標をかなえるためには、ただ長く努力すればよいのではなく、自分が正しい方向へ進んでいるかどうかを考えることが大切です。方向が違っていると思ったら、やり方を変える。そして、正しいと思える方向に向かって、粘り強く続けていく。KUMONの自学自習には、その力を育てる仕組みがあると思います。
GICへの参加を迷っている人には、ぜひ目の前にあるチャンスをつかんでほしいです。参加できる環境があること自体、とても恵まれたことです。初めは緊張しても、すべてを完璧にできなくても構いません。まずは飛び込んで、そこでしか得られない出会いや体験を、貪欲に楽しんでください。
私にとって、目の前の一枚一枚のプリントは、やがて世界へとつながっていきました。KUMONで身につけられる力は、問題を解くためだけのものではありません。自分で考え、挑戦し、選んだ道を正解に変えていくための力です。目の前のプリントの先には、きっと皆さんだけの世界が広がっています。
関連リンク KUMON English Immersion Activities (KEIA) Global Immersion Camp (GIC) とは 鎌田 悠美加さんFacebookアカウント








