Unlocking the potential within you ―― 学び続ける人のそばに

記事検索
Vol.531 2024.11.29

公文式英語で世界とつながる経験をきっかけに

“Don’t be afraid of making mistakes.”
この合言葉が、今でも自分の人生の芯に

KUMONでは、英語で世界を感じ、地球社会に貢献できる人材を育むために、Kumon English Immersion Activities(KEIA)の活動を展開しています。「まちがいを恐れないで、英語でのコミュニケーションに挑戦しよう」が合言葉。「英語は世界とつながるコミュニケーションツールのひとつ」と捉え、日本全国から参加する友だちや、世界各国出身のリーダーたちとコミュニケーションを取り、視野を広げ、世界について学びます。
その中で、視野を広げ、多様性を感じられる「Global Immersion Camp(GIC)」、その前身である「English Immersion Camp(EIC)」に参加したことがきっかけで、多くのグローバル人材を輩出してきた立命館アジア太平洋大学(以下APU)に進学し、現在は実業家として活躍する宇野 輝紀(うの てるき)さんにお話を伺いました。

目次

    公文式で培ってきた英語力が今の仕事につながっている

    ―― 28歳の若さで経営者をされていらっしゃいますが、まずはそのお仕事内容と起業のきっかけをお話しいただけますか?

    2023年に27歳で起業した「ウーノエンタープライズ株式会社」は、私の地元である茨城県鹿嶋市に本社を置く総合物流会社です。約3,000坪のコンテナヤードでコンテナの集積・保管や、コンテナそのものの手配やレンタルを請け負っています。また、輸出入の代行業務や国内での輸送業務手配もしています。

    主な取引先は、大手展示会主催企業や海外の洋上風力メーカーです。前者では展示会に出展するお客様の製品等の通関及び国内外輸送の手配を行っております。後者では、鹿嶋沖で整備が進められている洋上風力発電設備の建設に携わっている企業です。洋上に数十基の風車を建設するのですが、海外の風車メーカーから建設資材が船で運ばれてくるわけです。そうしたコンテナを当社が一時的に預かって、日本の保安基準を満たしているかどうかの検査をするためのスペースとして貸し出しています。

    地元・鹿嶋でこうした会社を始めるきっかけとなったのは、得意な英語を生かした通訳の仕事でした。海外から洋上風力プロジェクトのエンジニアが来日するので、その通訳を頼まれたんです。そこで初めてコンテナヤード業という仕事を知り、鹿島港があり、成田空港にも近い、さらには土地の価格も安い鹿嶋でのポテンシャルを感じたことが契機となりました。

    こうふり返ると、幼い頃から公文式で培ってきた英語力が今の仕事につながっているんですね。そして今も、その英語力は海外のお客様と円滑なコミュニケーションを取ることに役立っていると感じています。

    ―― 英語を学び始めたのはいつ頃でしたか?

    37年前から母が鹿嶋市内で公文の指導者をしているので、自分の公文歴は胎児の頃から始まっています。お腹の中にいる時から母や教室のみんなが英語の文章を読んでいるのを聴いていたということになりますね。

    物心つく頃には教室にいて、読み聞かせや運筆教材ズンズンに取り組んでいたのを覚えています。当時の母は週4日、2つの教室を運営していましたから、公文の教材は当たり前のように身近にありました。中でも英語の教材は結構進んでいて、小学5年生で英検準2級に合格していたぐらいです。

    EICで出会った、対等なコミュニケーションを取れる大人達

    ―― EICにはどのような経緯で参加されたのでしょうか。

    教室にパンフレットが届いて、母からも「携帯電話も何もない、英語漬けの環境を経験しておいた方がいいよ」と言われたのがきっかけでした。
    それまでも海外旅行をしたり、父の仕事関係の外国の方々と出会ったり我が家に滞在してくれたりしましたが、常に両親が一緒でした。サバイバルじゃないですけど、自分だけで英語を使って生きていかなければいけないという状況をつくるためにも、EICに飛び込んで行った方がいいなと思いました。それが小学6年生の時。元々、積極的な性格なので、行くと決めてからは、「どんな人と会えるんだろう」とか「どんな子と友だちになれるんだろう」ってワクワクする気持ちが大きかったですね。

    ―― EICでは実際にどんな出会いがありましたか?

    世の中にはこんな面白い大人がいるんだ!とうれしくなるような出会いがたくさんありました。スタッフは公文の社員の方やシンガポールやスリランカ、世界各国から立命館アジア太平洋大学(APU)に留学してきている大学生がキャンプリーダーを務めてくれていたのですが、皆さん、子どもと同じ目線で一緒に騒いで盛り上げてくれるというんでしょうか。子どもが何かを達成したときに、一緒に大喜びしてくれる大人や、対等なコミュニケーションを取れる大人と出会ったのは、EICが初めてでした。それが本当に刺激的で新鮮で、こういう大人になりたいとそのときに強く感じたのを覚えています。

    私立の中高一貫校に進学してから、どこの大学に行ったらEICで出会ったような大人になれるんだろう?と考えたとき、EICにキャンプリーダーをたくさん派遣していたAPUに改めて興味がわきました。

    当時のキャンプリーダーとはその後もやり取りが続いていたので、彼らを訪ねて大分県の別府にあるAPUのキャンパスに足を運ぶようになりました。キャンパスで会ったり、EICの卒業生の講演会などで話を聞いたりする中で、やっぱり面白い人たちだな、こういう人たちが学ぶ環境は楽しそうだなとつくづく感じたことから、自分もAPUを受験して進学したわけです。EICでの出会いがなければ今の自分はないと言えるぐらい、EICは大きなきっかけになっていますね。

    ―― EICでの経験で特に心に残っていることはどんなことですか?

    朝から晩までプログラムがぎゅっと詰まっていて、本当に充実した毎日でした。あまりに楽しくて、一日があっという間に感じて、初日から「この環境が終わらないでほしい」とずっと思っていたぐらいです。

    みんなでオリジナルTシャツをつくったり、自分の夢を絵に描いてみたり、社会人並みの忙しさでアクティビティが用意されていたのですが、中でも一番印象に残っているのは、参加者の誕生日をみんなで祝うバースデーパーティでした。みんなで誕生日を祝うという文化が日本ではあまりなかったので、大きなホールにみんなが集まってダンスパーティのような形でお祝いしたのがとても面白くて思い出に残っています。

    初対面の同世代の子どもたちと協力しあって目標をクリアするという経験も非常に意義あるものでした。英語を喋りたいけど、単語が出てこない瞬間ってありますよね。そういうときに、キャンプリーダーら大人に聞くことも大事ですけど、参加者である子ども同士で英語というツールを使いこなすために、知っている単語を教えあううちに、会話がつながっていくし、自分たちのボキャブラリーが増えていくのが感じられました。

    うまく言葉が出てこない時に、まわりの子ども達も同じような状態でチャレンジしている姿に勇気づけられましたね。合言葉の“Don’t be afraid of making mistakes.”は今でも自分の人生の芯というか理念になっています。みんなで一緒に高めあっていける素晴らしい環境なので、社会人向けのEICがあったら参加したいぐらいです!

    地域に根ざして地域から愛される企業を創っていきたい

    ―― 公文式の思い出と、指導者でもあるお母様との関わりについて教えてください。

    公文の学習歴は0歳9か月から高校卒業まで続けました。とくに英語は研究コースまで修了しました。公文の英語の教材って、いろんなジャンルの文章がメインとなっているので、本を読んでいる感覚で教材を進めていけるのがおもしろいと思っています。
    学校の教科書というのはあくまで文法や構文に沿った内容で組まれていますが、公文の英語は小説だけじゃなく、アンネ・フランクの日記であったり、クリミア戦争の史実に基づいた話であったり、原爆の話であったり、興味をそそられて原文で続きを読みたいと思わせてくれるような教材が魅力でした。そしてこのような話を公文毅さん(創始者・公文公の長男であり、元社長)にお会いしたときにお話ししたら、「君は本当に公文の教材が好きなんだね」と言われた記憶があります。

    数学では公文の教材のおかげで連立方程式が好きになりました。母は指導者で公文の教材の使い方を熟知していますから、例えば自分が数学で解けない、分からない問題があってつまずきそうになったら、連立方程式の教材を取り出してきて、私のご機嫌をとってくるんですよ。国語の教材で行き詰まったときにはすいせん図書を与えられたり。

    親としては、自分が何かにチャレンジしようとしたとき、常に否定せずに背中を押してくれたことは、自分の人生に大きな影響を与えてくれたと思います。EICでの出会いがきっかけとなって進学したAPUですが、人脈を広げるという目標を達成できて知り合いからスタートアップ企業の立ち上げに誘われたことで、実は中退しているんです。その時も、母には反対されませんでした。やりたいことしかやらないという自分の性格を理解してくれているからだと思いますが、ありがたかったですね。

    今、自分も経営者となってみると、母とは親子の関係というよりも、ビジネス仲間のような感じがしています。母は公文の先生であると同時に教室を経営している個人事業主やNPO法人代表でもあるので、アドバイスをもらったり、サポートしあったりしています。

    そして教育という地域に欠かせないことを長年続けている姿を見てきているので、その影響は大きいです。実は私も、母が保護司で担当している、薬物依存症やアルコール依存症からの回復をサポートするリハビリテーション施設で、くもん出版のドリルを使った学習指導のボランティア講師をしているのですが、母の教える姿を見てきたからこそ、迷わず「やります!」と言えたと思っています。

    ―― 今後の目標は?

    35歳までに会社を上場させたいという大きな目標があります。今の仕事に携わってくれている方やお取引先様に、ウーノエンタープライズがあって良かったと思っていただける企業にしていきたいと考えています。地域に根ざして地域から愛される企業になりたい、地域貢献も欠かさずやっていきたいという思いを持ち続けています。

    プライベートでは結婚もして子どもができたらいいなと思っています。上場までのプロセスでは、スモールゴールを積み重ねていくことになりますが、その目標を達成したら「その次はどうするの?」ということになってしまいそうなのが怖くもあります。

    地域に愛され、自分の子どもが継ぎたいと思える会社に育てていくことが大事だと考えています。親の公文の教室のように、地域の皆様に大切にされるものを創っていきたいですね。

    ―― 公文式で学ぶ子どもたちへのメッセージをお願いします。

    “Don’t be afraid of mistakes!”自分でやると決めたことは最後までやりきって、中途半端で終わらせないと言いたいです。たとえ失敗したとしても、それが最後までやり切っての失敗だとしたら、それは成功の基になると思うんです。途中で諦めてしまったらただの挫折で終わってしまう。

    EICで自分より英語を喋れる子がいて、なんで自分はこんなにできないんだって悔しさは感じましたけど、自分はそこで折れることなく、自分に足りていない部分を補う努力をしました。このように何事もポジティブに捉えて、次の解決のために何が足りないかを考えないと、自分というものは育たないですからね。だから、もう本当に “Don’t be afraid of mistakes!”これに尽きますね。

      この記事を知人に薦める可能性は、
      どれくらいありますか?

      12345678910

      点数

      【任意】

      その点数の理由を教えていただけませんか?


      このアンケートは匿名で行われます。このアンケートにより個人情報を取得することはありません。

      関連記事

      バックナンバー

      © 2001 Kumon Institute of Education Co., Ltd. All Rights Reserved.