鈴木 健斗(すずき けんと)
広島県出身。公文式学習経験者。中高一貫校在学中だった高校2年時に、世界各国から選抜された高校生を受入れる国際的な民間教育機関「ユナイテッド・ワールド・カレッジ」ドイツ校に留学。その後は米国ブラウン大学に進学し、2022年に卒業。同大大学院に進学予定。世界中に友だちを作り、社会課題を自分のこととして捉える「自分ごと化プロジェクト」代表としても活動中。
公文教育研究会 会談参加メンバー(敬称略)
静岡事務局 安藤
埼玉事務局 中元
総務部 大西
中高一貫校を高2で自主退学してドイツに留学
留学経験をきっかけに「自分ごと化」について深く考える
―― まずは鈴木さんの活動について教えていただけますか?
鈴木健斗さん(以下、鈴木):私は現在、一般社団法人「自分ごと化プロジェクト」の代表をしています。また同時に、2022年5月にアメリカのブラウン大学を卒業し、この9月に同大学の公衆衛生大学院に進学する予定です。自分ごと化プロジェクトは2020年11月に発足したもので、その名のとおり、とにかくどういったことでも自分のこととして捉えられるようにする、を目指す団体です。同時に「世界中に友だちを」をスローガンに、友だちづくりを通して世界中の出来事や人々について“自分ごと化”がはかれるような活動を行っております。
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この団体を立ち上げたきっかけは私自身の経歴にあります。私は広島で生まれたあと、福岡に10年住んでいました。その後広島に戻り、中高一貫校に進学しましたが、高校2年生の夏休みに、通っていた中高一貫校を自主退学して、そこから2年間、ユナイテッド・ワールド・カレッジという国際的な団体が管轄しているドイツの学校に留学しました。世界100ヵ国以上から生徒が選抜で集まっていて、自分も日本の代表として行きました。
2016年当時は、ドイツの中でもとくに難民問題がホットな話題として取り上げられていました。でも、私がその時どのように捉えたかというと、恥ずかしながら「大変な人もいるんだな」程度にしか思っていませんでした。そんななか実際に、アフガニスタンやシリアなど、色々な国からドイツに難民としてきている同級生と2年間生活を共にします。そうした環境を通じて、難民問題が自然と“自分ごと化”する経験ができました。
こうした経験を再現できないかと、2年ほど前、コロナ禍で悶々としていた時に思いつきました。現在はオンラインではありますが、まずは実体験として、そういった環境を日本中の若者に届けようという思いで「自分ごと化プロジェクト」を始めました。
―― 具体的にはどのような活動をされているのですか?
鈴木:プロジェクトでは、基本的にはふたつやっていることがあります。ひとつ目が通常セッション、もうひとつが学校セッションと呼んでいるものです。通常セッションはオンラインで、2ヵ月に1回、相手国を変えながら、1ヵ月目に3回、2ヵ月目に3回を1クールとしています。
前半3回は、自分ごと化できる基盤を作るフェーズで、「日常生活をどう送っているの?」「何時に学校に行くの?」「お弁当あるいは給食を食べるの?」そういったことも含めて、伝統文化や日常生活の話をします。ひとつでも自身の振り返りにつなげて自分ごと化できるベースを作っていきます。
2ヵ月目の3回に関しては、もっと踏み込んだ、具体的な社会課題を取り上げて、それについて話をします。このようなことを2020年11月からやっています。相手国は、たとえば2022年の6月と7月はウクライナです。今後も続けていきたいと思っています。
学校セッションの方も基本的に同じですが、ご依頼をいただいた日本の学校と海外の学校をつなぐ、完全なオーダーメイドのプログラムです。依頼元の学校のご希望に沿った内容かつ期間で提供をします。それに関しても自分ごと化をベースに置いて行います。