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Vol.373 2020.10.06

浮世絵から見える江戸時代の人々「神無月」

神無月に人々の暮らしに寄りそう留守神
~商売繁盛と五穀豊穣を祈って~

KUMONでは1986年から子ども文化研究のために浮世絵を中心とした文化史料を収集・研究してきました。今回は神無月(十月)の江戸時代の人々の様子に迫る浮世絵を紹介します。浮世絵から垣間見える江戸時代の人々の暮らしを一緒に想像してみましょう。

目次

十月は「神無月」。そんな時に“戎講(えびすこう)”・・・?

旧暦十月は「神無月」といわれることがあります。日本の八百万の神々が出雲大社に出向くために島根県以外では神が留守になることから、「神無月」と呼ばれているようです。しかし、その中に出雲に出向かずに神々の留守を守る「留守神」がいて、その一人が七福神で知られる「戎(えびす)神」だそうです。言わずと知れた商売繁盛、五穀豊穣、大漁と航海の守り神である戎神ですが、この戎神を祀り商売繁盛、五穀豊穣を祈願する戎講が地域によって様々な時期に行われました。江戸では十月二十日や一月二十日に「二十日戎(はつかえびす)」が、そして上方では一月十日に十日戎(とおかえびす)」が催されました。

今回ご紹介する石川豊雅の「風流子供遊十二月 十月」は江戸の「二十日戎」の時期の様子を描いた作品です。
十月二十日の戎講の日に、奥座敷では商家の主人が、鯛を釣り上げた戎神の像に、祝いの御膳を供えています。三方を乗せる台には寺子屋(手習塾)の勉強机である天神机が使われていることがわかります。お供えには御頭つきの豪華な鯛も用意されています。
一方、外の子どもたちは、手に茶わんを竹の管をもってはしゃいでいます。子どもたちはシャボン玉を飛ばして遊んでいたんですね。子どもたちにとっては商売繁盛よりも今は遊びが最優先ですからね。

浮世絵から見える江戸時代の人々「神無月」『風流子供遊十二月 十月』 石川豊雅 明和頃(1764-1772)

関連リンク くもん子ども浮世絵ミュージアム

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