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アラビア半島の南東部、ペルシャ湾(アラビア語圏ではアラビア湾と呼ぶ)に面した地域に位置する7つの首長国からなる連邦国家、アラブ首長国連邦(略称UAE)。東部ではオマーンと、南部および西部ではサウジアラビアと隣接しています。石油と天然ガスが豊富にあり、一人当たりの国民所得は世界のトップクラスです。日本がその最大の輸出先です。
UAE内における石油開発事業の主役はアブダビ国営石油会社(ADNOC)。日本からその事業推進の一翼を担っているのが国際石油開発帝石株式会社のUAEグループ会社であるジャパン石油開発株式会社(以下JODCO)です。UAEにおいて事業を行う企業の重要なミッションの1つとして、地域の未来のため、そして日本とアブダビ首長国との関係強化のためCSR活動に取り組んでいます。パイロット期間を経て2018年9月にADNOC、JODCOと公文の3社で協力し合い、地域の教育に貢献する取り組みを始めました。2018-19年ではADNOCが運営する4つの小学校に導入されました。これはその1年間のレポートです。
4つの学校は、首都アブダビにあるサスアルナクル校と、アブダビ西部地区にある、ルワイス校、マディナザイード校、ガヤティ校です。今学校年では4校の年長~小2の子どもたち約600名が公文式算数・数学を学びました。
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学習初日。公文式は個人別学習のため、教材内容はそれぞれの生徒で異なります。数字を書く練習をする生徒の隣では、足し算からスタートする生徒もいます。
学習開始時に大切なのは、どの生徒もスラスラと簡単に解けること。その場で先生に採点してもらい、たとえ間違いがあっても自分で訂正して100点満点に仕上げます。生徒たちに「自分でできた」という達成感を持ってもらうためです。アブダビの生徒たちも、満点に仕上げた後に先生とハイタッチして大喜び。学校においても、個人別に先へ進む「自学自習」は変わりません。
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最初は易しいところから学習を開始した子どもたちも、半年も経つと学校で習っている内容に近づいてきます。教材を常に満点にして次の段階に学習を進めるという点も公文式の特長です。やがて、学校の内容に追いつくと授業がよく分かるようになり、算数がより好きになってくるのです。そして学年の終わる頃には、学校で習う内容を越えて学習する生徒も出てきます。そんな生徒たちは、年度末にJODCOとKUMONが定期的に開催する表彰式で表彰されます。この日は、保護者も参加して日々の学習の成果を実感し、子どもたちをたたえます。
2018-19年は導入初年度ですが、素晴らしい成果が出ました。先生方が言われるのは、「生徒たちは喜んで公文式学習に取り組み、算数の力がついただけでなく、自習する習慣が身につき、普段の態度にも改善が見られた」ということ。
2019-20年からは、これまで学習をしていた生徒は継続して学習し、新たに入学する1年生が学習を開始します。公文式学習を通して子どもたちが自分の学力に自信を持ち、身についた自習力で学ぶことを楽しみ、充実した学校生活を送ってくれることを心から願います。