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Vol.516 2024.07.02

ネパールの未来を照らす教育の光

日本発の公文式教育
ネパールで新たな地平を開く

2024年5月16日、ネパールの教育の未来を切り開く歴史的な一歩が踏み出されました。株式会社公文教育研究会〔以下KUMON〕とIGC Business Holdings Pvt. Ltd.〔以下IGC〕は、ネパール国内での公文式学習の普及をすすめるにあたり、2024年4月に合意していたライセンス契約の調印式を執り行いました。
調印式のために来日した、IGCと、現地でサポートを担う特定非営利活動法人Colorbath(カラーバス)に公文式を導入した効果や今後の展望などを聞きました。プレスリリースでは紹介しきれなかった内容をお伝えします。

目次

    教育の力で社会を変革する

    これは、単なるビジネス上の契約ではありません。ネパールの子どもたち一人ひとりに与えられている無限の可能性を発見し、その能力を最大限に伸ばすことにより、健全にして有能な人材の育成をはかり、ネパールの教育に貢献するための強固な決意と行動を確かめ合う機会でもあったのです。

    IGCの創業者 ガネッシュ氏

    ネパールにおいて、地域コミュニティや社会全体への貢献を理念にかかげ、多様な分野で持続可能な事業づくりに取り組むIGC。その創業者であるガネッシュ氏は、ネパール政府と協働して学校を設立するなど、地方への教育貢献を長年続けています。
    同氏は、自身の経験から、教育が社会に与える影響の大きさを交え、このように語りました。

    「自分が子ども時代を過ごした地方では、その当時200人近くいた子どもたちの中で中学に進学できたのはわずか数人だけでした。私は必死の思いで学び続け、親元を離れ、Tシャツ1枚で首都カトマンズに出てきました。大学まで学び続ける中で、ネパールのこの現状を変えたいと強く思うようになりました。

    今でも、ネパール全土で60数パーセントもの小学生たちが、学び続けることを断念しています。それは経済的な理由だけでなく、教育の仕組みや環境にも課題があると考えています。

    KUMONとの協働が、ネパールの子どもたちの学力向上において、一つのマイルストーンになると確信しています。これから、政府や教育関係者はもちろん、ネパールの多くの方々にもっともっと公文式を伝えていきたいと気持ちを新たにしています」

     

    IGCのManaging Director ビカス氏

    さらに、ガネッシュ氏と共に来日したビカス氏からは、学校導入を見守っていただく中で得られた感触を教えてもらいました。

    「ネパールの子どもたちは新しいことにすごく興味をもっていて、特にタブレットで学習するということに、とても意欲的になってくれています。KUMONの学習が、様々な子どもたちの学習意欲や能力向上に効果を発揮していると感じます。

    算数を嫌いになる子どもたちが多いのですが、そうした子どもたちの算数に対する学習意欲の改善に大いに期待しています。また、それだけでなく、基本的な生活習慣にも良い変化が出ており、算数だけでなく、他の教科においても「学習する習慣」が身についてきています。

    さらに、学校教員の皆さんが大きな手応えを感じてくれています。例えば、自閉症の子どもに対する能力向上のためのアプローチが、公文式の導入によってうまくいきつつあるのです。
    算数の学力だけでなく、様々な学習上の課題にも効果があらわれていることから、この協働の意義が大きいと感じています」

     

    Colorbathの代表 吉川氏

    KUMONとIGCとの連携を現地でサポートするColorbathの吉川氏は次のように期待を語りました。

    「今、より良いメソッドや、より良い教育を子どもたちに届けたいという高い熱量をもった人々が世界中にいます。でも、どうすれば良いのかと、その方法に悩み苦しんでいます。
    ネパールでもそうした思いの先生方と一緒だからこそ、新しい試みにも果敢に取り組めており、その姿勢と成果が見えつつあることに、この先の未来への光が感じられます。

    学校や教員の存在意義としても、教員が生徒に寄り添って、共に成長していくということをこれまで以上に考え、試行錯誤していける公文式導入プロジェクトに大きな期待とやりがいを感じています」

    持続可能な学習環境の構築

    ネパールでの学習の様子

    KUMONとIGCの協働は、ネパールの教育システムに革新をもたらすだけでなく、持続可能な学習環境を構築することを目指しています。

    この5年間の契約期間中に、両者でネパールの学校に対して公文式学習を提供し、より良い学習環境の向上に取り組み、ネパール全土で子どもたち一人ひとりの能力を高められるような教育制度にも貢献していきます。

    また、先行して導入している私立校での学習効果を蓄積することで、学習に関わる技術的な向上を図り続けます。

    さらに、先行する導入プロジェクトから得られる収益を原資に加えつつ、タブレットの安定供給の仕組みの整備などを図り、恵まれない子どもたちが通う公立校での公文式導入費用の一部として支援し、より多くの子どもたちに公文式学習が届くよう事業を進めていきます。

    未来への一歩

    弊社内での勉強会

    調印式後、IGC、ColorbathとKUMONの社員との間で勉強会を行いました。60人以上が参加し、ネパールの現状や課題の整理、更なる発展に向けたアイデアなどを議論しました。

    参加した社員からは
    「教育で国を良くしていきたいという同じ志をもって活動しているIGCの存在を心強く感じる」
    「ネパールの現状を聞き、社会貢献につながる事業に後方から関われている事に喜びを感じる」
    「日常業務の意義を考え直す良い機会になった」
    などの感想が寄せられました。
    改めて、私たちが教育を通じて貢献できることとその影響力や、仲間の存在について確かめることが出来ました。

    プロジェクトメンバー

    この協働は、ネパールの教育を変えるだけでなく、世界中の多くの国々の教育に対する考え方にも影響を与える可能性を秘めています。
    KUMONとIGC、そしてColorbathが示した連携と決意は、次代を担う子どもたちにより良い教育を届けたいと願う人々の想いの力を世界に示すものになるはずです。

    ネパールの子どもたちに明るい未来をもたらしたいという灯が、日本とネパールの距離を超えて、多くの人々の手によって、今一筋の光となりつつあります。私たちは、この教育の光をネパール中に広げ、SDG4「質の高い教育をみんなに」という目標の達成を目指し続けます。

     


     

     

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