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KUMONグループの活動  2019/01/29更新

Vol.294 公文式の施設導入――
ひまわり学園真美ケ丘自立訓練校  

学習によって生まれた
訓練生の「自信」と職員の「モチベーション」
お互いの「信頼関係」

奈良県広陵町にあるひまわり学園真美ケ丘自立訓練校。特別支援学校を卒業した障害のある方たちの生活介護サービスが行われている同施設では、「自分のできることに自信をもって、たくましい人生を歩んでいってもらいたい」という理念のもと、そのツールの一つとして 2006 年 3 月の開所と同時に公文式が導入されました。現在は、平日の週 4 日、午前中の 1 時間、算数と国語の教材学習のほか、KUMON のカード教具などを使った学習が行われていますが、そんな中で生まれたのが「自信」と「信頼関係」だと言います。そこで、公文式を導入したきっかけや学習効果について、お話をうかがいました。

実体験で感じた「無理のないところから」が学習効果に


「ひまわり学園」施設長 坂口紀和さん

まず初めに、公文式導入の経緯について、「ひまわり学園」の施設長・坂口紀和さんにお話を伺いました。

―― 公文式の導入に至ったきっかけを教えてください。

坂口さん:この施設に通う方たちは、特別支援学校を卒業した方たちなのですが、一日中作業をすることは難しいという方もいます。そこで、「職業訓練」だけでなく「生活訓練」の方も大事にしていこうという方針のもとに2006年3月に開所しました。最初は全員女性の訓練生だったということもあり、取り組みとして考えたのは「調理」と「手芸」でした。それに加えて、職員から候補があがってきたのが「公文式学習」でした。

―― 坂口さんご自身は公文式へのイメージはどのようなものだったのでしょうか?

坂口さん:実は私自身、中学校の3年間、KUMONの教室に通っていました。お世話になった先生のご指導が良かったからだと思うのですが、教室に通うようになって成績がグンと上がったんですね。身を持って学習効果を感じていましたので、とても良いイメージを抱いていました。今振り返ってみると、自分に無理のないところからスタートできたことが、続けられた要因になったのではないかと思います。

―― こちらの施設でも導入しようと思われた理由は何だったのでしょうか?

坂口さん:訓練生は中・重度の知的・発達障害のある方たちなのですが、地元の特別支援学校では、どうしても「木工」や「農園」といった、卒業後に事業所で通用するものを身に付けてもらうことがメインとなり、なかなか「学習」という時間が設けられていないという話を耳にしていました。そこで、「学習」の時間をつくることで、例えば自分の名前を読めたり書けたり、あるいは簡単なお金の計算ができたりすることで自信をつけることが、日常生活にも波及されるのではないかというのが導入の理由でした。

集合学習でお互いの存在を意識しているからこその相乗効果

―― 実際に公文式を導入してみて、いかがでしょうか。

坂口さん:まず私自身が公文式の特徴や良さを肌で経験していたということが、とても大きかったと思います。何よりも「無理なく」やれるところから、ということを重視しています。一人ひとりの学習の様子を見ながら、「無理なく」に加えて「ちょっと頑張れる」ところはどこなのか、ということを大事にしながら声かけしたり、教材のレベルや学習する枚数を考えたりしています。それは、自分自身が中学生の時にKUMONの先生にしていただいたことなんですね。その経験が生かされているかなと思います。もう一つは、あくまでも公文式はツールの一つであって、障害者支援の視点を忘れてはいけないということも、常に職員たちと確認しあっています。一番の目的は、訓練生たち本人の生活が豊かになること。そのことを念頭に置きながらやってきたからこそ、中・重度の知的・発達障害のある訓練生たちにも学習効果が表れてきているのではないかと思っています。

―― 訓練生への学習効果についてはどのように感じられていますか?

坂口さん:特に重度の知的障害のある訓練生が3人いるのですが、この3人はここに来るまでは「ひらがなを書く」「計算をする」といった学習がなかなかできなかったと思います。その理由の一つには、周囲からの「できないだろう」という先入観もあったのではないでしょうか。しかし、公文式学習によって「できるところはどこだろう」ということを探しあてることができたおかげで、学習効果が表れています。現在では、学習時間中は席に座って学習することができている3人ですが、最初は座り続けることも、職員と対面で学習することもままなりませんでした。それが今では自分からカードをめくって、一生懸命、発語しようとすることも見られるようになり、発語や表現方法が少ない訓練生とは、カードを通じて意思疎通が図れたという実感がありました。「○○君はちゃんとわかっているんだ!」ということが、私たち職員にはよくわかりました。

―― 公文式を導入して良かったと思うことは何でしょうか。

坂口さん:公文式は、訓練生一人ひとりの良いところを“見つけやすい”ツールになっていると思います。学習時間を設けたからこそ、それぞれの潜在能力を引き出すことができ、職員に「褒められる」「認められる」シーンが多く生まれ、訓練生には大きな自信が生まれています。そして、もう一つの効果として感じているのは、訓練生同士の相乗効果と、職員のモチベーションアップです。学習は、障害の程度によって場所を2つに分けて、それぞれ集合学習を行っているのですが、訓練生は自然とお互いの存在を意識しているところがあります。ですから誰かが職員に褒められたりすると、「自分も褒めてもらいたいから、頑張ろう」とか「自分も同じことをやってみたい」とやる気が引き出されてくるみたいで、職員に積極的にアピールしてきます。お互いがお互いを引き上げている、そんな相乗効果が生まれていると思います。また、職員も「こんなこともできるんだ」「こんな力を持っていたんだ」と訓練生に対して新たな発見があります。同時に、「じゃあ、次はここまでステップアップできるかな」と、スモールステップで能力を伸ばすという楽しみもできています。そうすると、職員たちにも自然と訓練生たちを「観察する力」「能力を見抜く力」「ポジティブな見方」が養われているのではないかなと。こうしたことが、お互いのモチベーションにもなっていると思いますし、信頼関係を作り出しているのではないかと思います。もし重度の利用者の方の支援に悩まれている施設の職員さんがおられたら、たべものカードや動物カードなど何か利用者の方が興味のあるものを、信頼関係のきっかけ作りとして使ってみてもらいたいなと思います。

職員から見た公文式学習の効果とは

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