第1回:「子どもの家庭学習の現状」と「子どもが学習に前向きになるきっかけ」
第2回:学習する習慣をつけるために親が子にかけている言葉とは?
第3回:家庭のスタイル別家庭学習の実態(今回)
家庭学習の時間や頻度、母親の悩みに家庭のスタイルによる差はない
【調査概要】
調査方法:インターネット調査 調査対象:小1~小3の子がいる世帯の母親1,200人 調査期間:2016年11月5日~11月8日 |
共働き家庭と専業主婦家庭の家庭のスタイル別に家庭学習の実態を比較したところ、家庭学習の日数、時間、状態などに大きな差は見られませんでした。(図表1、図表2参照)
図表1. 家庭のスタイルに関わらず家庭学習に取り組む日数や時間はほぼ同じ
図表2.家庭のスタイルに関わらず「家庭学習がうまくいっている」「家庭学習で悩んでいる」それぞれの割合はほとんど変わらない。
家庭学習で母親が意識的に行っていること
共働き世帯は「怒るよりもほめることを大切にしている」
「家庭学習で意識的に行っていること」を見ると、共働き世帯、専業主婦世帯ともに「わが子の得意・不得意を把握する」「わが子の宿題を把握している」が上位となりました。その他の項目も含め、子どもの家庭学習に関してさまざまな行動を「意識的に行っている」と回答する率は、専業主婦世帯が共働き世帯よりも全体的に高い結果となりました。これは、共働き世帯の母親は、物理的に家庭学習の様子を直接見ることができないケースも多いためと考えられます。
しかし唯一、「怒るよりもほめることを大切にしている」という項目だけは、共働き世帯の母親の回答率が高いという結果が出ました。子どもの家庭学習の様子を直接見ることができない状況も多いことが考えられる共働き世帯の母親は、意識して「ほめること」を心がけているようです。
図表3. 家庭学習に関して、意識的に行っていること(上位12項目)
共働き世帯における家庭学習で、母親が子どもに求めるのは「自律」
「家庭学習がうまくいっている」と回答した家庭のうち、共働き世帯は390人、専業主婦世帯は368人。これらの家庭で「うまくいっている」のがどのような状態かを聞くと、どちらの世帯でも「子どもが自ら進んで家庭学習ができる」がトップでした。共働き世帯と専業主婦世帯で差が大きく出たのは、「子どもが日々決められた学習量をこなすことができる」、「子どもが自ら学習計画を立てることができる」の2項目。共働き世帯の母親は、家庭学習に関して子どもに「自律」を求めているといえます。
共働き世帯と専業主婦世帯、それぞれの家庭スタイルによって、母親の家庭学習へのかかわり方や意識には部分的に差が見られましたが、家庭学習の実態には大差はありませんでした。お母さんたちは、家庭の状況に応じて、子どもの家庭学習と向き合っていることが感じられる調査結果となりました。
関連リンク 家庭学習についての実態調査|プレスリリース 家庭学習調査2016(1)-子どもが学習に前向きになるきっかけとは?|KUMON now! トピックス 家庭学習調査2016(2)-学習する習慣をつけるために親が子にかけている言葉とは?|KUMON now! トピックス