※公文式日本語プログラム(通信)は、学習者が自宅で教材に取り組み、月2回オンラインの音読レッスンでインストラクターの指導を受けます。
伸び悩む姿に導入を決意
日報でわかる日本語能力アップ
日本コンピューター株式会社 ベトナム法人設立準備室係長 大藪克巳さん |
はじめに、公文式を導入した経緯について、日本コンピューター株式会社ベトナム法人設立準備室係長の大藪克巳さんにうかがいました。
―― 公文式を導入したきっかけについて教えてください。
大藪さん: 3年前、社内では初めて4人のベトナム人の社員を雇用しました。彼らはベトナムにいた頃に少し日本語を学んでいたようですが、一度も日本人と会話をしたことがなく、来日した時は日本語を「使える」というところまでには至っていませんでした。来日後、しばらくは日本語学校に通ったり、社内で私たち日本人社員が教えたりしていました。来日した当初と比べれば、日本語で会話をしたり書いたりすることができるようにはなったのですが、そこから伸び悩んでいたことも事実でした。そこで「何かいい学習方法はないだろうか」とインターネットで探す中で行き着いたのが公文式でした。
―― 公文式日本語プログラムを導入する決め手となったものとは何だったのでしょうか?
大藪さん: 実は、私自身が子どもの頃に公文式を学習したことがありましたので、公文式がそれぞれのレベルに合わせたところからスタートして、スモールステップで習熟を重ねながら確実にレベルアップしていくというものだということは知っていました。人事部の教育担当に相談したところ、彼のお子さんも公文式で学んでいて、公文式の良さに関して意見が合致し、2016年5月に導入しました。
―― 実際に導入してみて、効果はどのように表れていますか?
大藪さん: 彼らには日本語で日報を書いてもらい、それを私が毎日チェックしているのですが、そのチェックがだいぶ楽になりましたね。以前は、「てにをは」やカタカナの長音の使い方などに必ず間違いがあって、正しい日本語を書き入れていました。その間違いがどんどん減ってきて、今では1週間一つも赤入れをしない時もあり、だいぶ日本語が上達してきていると感じています。
―― 公文式の良さをどこに感じていますか?
大藪さん: ベトナム人の社員は、仕事も日本語学習もとても真面目に取り組みますし、テキパキと動くところも日本のビジネスマンとほとんど変わりありません。そういう意味では、毎日コツコツと継続していく公文式は彼らには合っていると思います。今後、さらなるレベルアップを目指してほしいと思っています。
月2回の「オンライン音読レッスン」は
間違いを指摘してもらえる貴重な「チャンス」
フング・シャン・ダンさん |
次に、社員の皆さんに約1年間、公文式で日本語を学習してみての感想をうかがいました。まずは、スマホアプリやWEBシステムの設計から開発までの業務を担っているフング・シャン・ダンさん。
―― 実際に公文式で学んでみて、いかがでしたか?
ダンさん: 私は無理やりに「これを覚えなさい」と言われることが嫌いで、それでは頭に入ってこない。でも、公文式はくり返しやっていく中で、自然と覚えていける。それがとてもいいと思います。それと、ふだん会社で話をしていて、「あれ?今の日本語は正しいのかな?」と思うこともあるので、月に2回の「オンライン音読レッスン」では、先生からきちんと間違っていることを教えてもらえるので、すごく助かっています。
―― どんな時に、日本語が上達したなと感じますか?
ダンさん: 私はよく日本語の新聞や本を読むのですが、全部はわからなくても、少しずつ理解できる言葉が増えてきていて楽しいです。時々、文章の中に公文で覚えた言葉が出てきたりするとうれしくなります。
―― 今後の目標は何ですか?
ダンさん: きれいな日本語を話せたり、書いたりするまでに上達したいです。今は、自分が書いたメールの文章などで「ちょっと変だったな」と思ったりすることがあります。逆に日本人からもらったメールを読むと「きれいな日本語だなぁ」と自分との違いを感じるんです。だから自分が納得できるくらいまで頑張りたいと思っています。
先生とのたわいない会話が学習する「楽しさ」に
ブイ・テー・ミン・ルアンさん |
次に、自治体の保健システムを担当し、設計開発に携わっているブイ・テー・ミン・ルアンさんにお話をうかがいました。
―― 公文式で日本語を学んでみて、いかがですか?
ルアンさん: 私が一番いいと思うのは、月に2回の「オンライン音読レッスン」です。わからないところを先生に直接聞けるのがいいですね。例えば、日本語の意味はわかっても、どういう時に使うものなのか、どういう時は使わないものなのかということは、先生に教えてもらわないとわからなかったりするので、とても良いです。先生は優しくて、いつも笑顔。日本語の学習以外のことについても、日本の生活や文化のことをたくさん教えてくれて楽しいです。
―― 仕事においては、どんな効果が表れていますか?
ルアンさん: 会話では、まだ困ることもありますが、それでも以前よりは良くなったと思います。システムの説明は複雑なので説明しきれないところもありますが、だいぶ相手にも伝えられるようになってきました。自分の日本語能力がアップしていることを実感しています。
―― 日常生活ではいかがですか?
ルアンさん: 『ワンピース』など日本のマンガを読んだり、テレビアニメを見たりした時に、わかる日本語がどんどん増えてきました。また、スーパーで買い物をする時も、商品に書いてある説明文を読んで、なんとなくどういうふうに使うものなのかということが理解できるようになり、うれしいです。
―― 今後については、いかがですか?
ルアンさん: 自分の日本語能力に自信を持って、相手と話できるようになりたいと思います。
「面倒」「不安」の印象から始まった公文式
今では苦手だった「音読」も大好きに
チン・タン・ロンさん |
最後に、タイに在住の日本人女性を対象としたウェブサイトのシステム設計開発を担当しているチン・タン・ロンさんにお話をうかがいました。
―― 公文式学習の印象はいかがですか?
ロンさん: 私は先輩からすすめられて始めたのですが、最初は簡単だったので「本当に力がつくのかな」と思いましたし、「くり返しはちょっと面倒だな」と思ったんです(笑)。それと、月2回の「オンライン音読レッスン」に対しては、日本人の先生に質問をされた時に、ちゃんと答えられるかどうかが不安でした。でも、それらはすべてすぐにクリアになりました。
―― 教材についてはどんなところが良かったですか?
ロンさん: 私は読むことが苦手だったのですが、日本の昔ばなしや、日本の歴史など、自分が興味のある内容もあったので、いつの間にか読むことが好きになりました。そのおかげで、日本語のアクセントに慣れてきて、仕事でもスムーズに会話ができるようになってきました。
―― 毎日、どのくらい勉強していますか?
ロンさん: 平均で1時間くらいしています。
―― 日常生活では、どのように役立っていますか?
ロンさん: 私はテレビを見ることが好きで、よく日本のニュースを見ています。公文式のおかげで理解できる部分が増えてきて、半分くらいはわかるようになりました。それから以前日本語があまり話せなかった時は、行きたい所があってもなかなか行けなかったのですが、最近では遊園地に行ったり、花を見に行ったりして楽しんでいます。
―― 今後の目標について教えてください。
ロンさん: 日本語能力試験1級合格を目指して頑張りたいと思います。
今回お話をお聞きした学習者3名のうち、ダンさんとルアンさんは取材時にはすでに公文式日本語プログラムを修了されていました。ロンさんも修了目前ということで、3名とも短期間で日本語プログラムを修了されるという素晴らしい努力をされています。公文式日本語プログラムで培った日本語力を土台にしたこれからのご活躍が楽しみです。
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