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KUMONグループの活動  2015/12/01更新

Vol.117 児童養護施設でのKUMON-吉敷愛児園  

 「基礎学力みずから学ぶ姿勢
生きていくうえで財(たから)ですね」

児童養護施設は全国に600ほどあり(2014年10月、厚生労働省調査)、そこでは幼児から18歳の子どもたち、約3万人が生活しています。子どもたちはどんな生活を送り、どんな人生を歩んでいくのでしょうか。山口県山口市の吉敷愛児園(よしきあいじえん)を訪ねました。

「園の子どもたちには、なりたいものになってほしい。 そのためにこそ、基礎学力や学ぶ姿勢がとても大切だと思っています」


田中先生
吉敷愛児園への公文導入のキーパーソン

さて、毎週月曜と木曜の夕方5時、園の子どもたち全員がひとつの部屋に集合します。公文の算数・数学と国語(英語は小5以上の希望者)をみんなで学習するためです。児童養護施設の形態(子どもたちが暮らす部屋・建物などのタイプや規模)には何種類かあるのですが、愛児園は、園の敷地内に6つの独立した家(一軒家)があり、そのうち4つの家で、それぞれ15人くらいの子どもたちが分かれて生活する「中舎制」という形態。一見すると、若いお父さんとお母さん(園の職員の方)がいて、幼児から高校生のきょうだいがいる大家族、といった印象でしょうか。

月曜と木曜は園長先生がいる家の大きな部屋に全員集合しますが、それ以外の日は「居室学習」といって、各家のリビングなどで学校の宿題や公文式教材に取り組んでいます。食事も職員の方たちがつくるので、調理の音を聞きながら、おいしそうな匂いにおなかをへこませながらプリントに向かいます。ふつうのご家庭の夕食前のひとコマと同じですね。

愛児園が公文式を導入したのは2002年9月。すでに導入から10年以上がたち、公文式学習は園の子どもたちの生活の一部になっています。とはいえ、すんなり導入が決まり、すぐに軌道にのったわけではありません。ふつうに考えると、児童養護施設で公文式を導入するには大きな決断が必要なのだろうと思います。職員の方たちは、そうじや洗濯や食事づくりも含め、子どもたちの生活全般の世話をしながら、学校の宿題なども教えます。日々、心とからだのケアにも気を配ることも不可欠。そういった忙しさに、さらに公文式学習が加わることになるからです。
※2015年10月現在、全国約600の児童養護施設のうち78の施設で公文式を導入いただいています。

そんな実情にもかかわらず、愛児園で公文式学習が10年以上続いているのは、園の公文式学習の主担当である田中先生と井原園長の強い想いがあるからです。まず、田中先生にお話しいただきましょう。

「園の子どもたちには、なりたいものになってほしい。そのために、やみくもに就職や進学を考えるのではなく、いろいろ社会勉強をして、自分は何になりたいのか、どんな仕事が向いているのかといったことをよく考えて、余裕をもって社会に巣立ってほしい。いつも、そう思っています。でも、そのためにはいろんな要素や力が必要だと考えています。なかでも、基礎学力やみずから学ぶ姿勢はとても大切です。これらは、生きていくうえでの財(たから)ですね。しかし、子どもたちが入園してくるときには、そんなことすら考えられないような厳しい現実があることも確かです。だからこそ、公文式で学力をつけてほしいし、学ぶ姿勢も養ってほしいのです」(田中先生)。

井原園長、田中先生のお話をうかがっていると、園の責任者、職員の方というより、「子どもたちの第二の母」のような、そんな存在なのかと思えてきてしまいます。そして、田中先生はこんなことも話してくださいました。

「じつは、わが子二人は公文式教室でお世話になり、おかげさまで、なんとか本人の志望通りの道を歩んでいます。園に入ってくる子どもたちは、それまでの成育環境も年齢も学力も、一人ひとりみんな違います。学力だけをとってみても、高い子もいれば、学年相当にはほど遠い子もいます。だから、できるところからスタートし、できることを積み重ねていく公文式はとてもいいと思い、園に導入をお願いしました。それから、もう10年以上がたつのですね。とにかく、学ぶことの大切さを、なるべく早い時期に自覚してほしい。そんな気持ちからでした」(田中先生)。

とはいえ、導入当初から学習がうまくいったわけではなく、現在でも園の子どもたちの何人かは「くもん、しんどい」「やりたくない」とつぶやくことがあるといいます。公文式導入前のことも含め、子どもたちのつぶやきについて井原園長にうかがってみました。

「公文式を導入する前は、園の職員それぞれが、子どもたちに合うような市販のドリルを買ってきて教えていました。けれども、職員たちは食事をはじめ生活全般の世話をしながらですから、きちんと学力をつけるというのには限界があったのです。そんなとき、田中先生からの提案で公文式を導入することになりました。それで、すぐにうまく学習が定着したかというと、そうではありませんでした。職員からは“採点に時間がかかって大変”“学習が夕食の時間にくいこみます”などの報告が、子どもたちからは“しんどい”“テレビ見たい”などの声がでました。それで、学習曜日や時間帯などを調整し、なんとか落ち着いてきました」(井原園長)。

「導入してしばらくすると、職員も子どもたちも公文式学習になじんできたようで、集中して学習する子が何人かではじめ、しだいにそういう子が増えていきました。さらに半年、1年とたつと、学習習慣が定着し、学校の成績が上がる子もでてきました。際立っていたのが、そうして学習を積み重ねてきた子たちが中学生になり、“前(小学生時代)はしんどかったけど、中学になって、やっててよかったってホントに思う”と言うようになったことです。その言葉を聞いて、その自覚を目の当たりにして、“ぜったいに公文だけは続けさせよう”と思いました」と井原園長は微笑みます。

園の子どもたちの夢とは?

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