「学習療法 実践研究シンポジウム」とは
![]() 続々と集まる参加者たち |
「学習療法 実践研究シンポジウム」は、学習療法を導入している高齢者介護施設や脳の健康教室を実施している自治体等の方が、年に一度一堂に会し「介護ケアに学習療法をどう活かすか」を発表、情報交換する場です。今年度からは、学習療法・脳の健康教室の実践者だけが参加できる「実践研究プログラム」の他に、一般の方に学習療法をわかりやすくご理解いただくための「一般参加プログラム」が設けられました。一般プログラムでは、学習療法の共同開発者である東北大学・川島隆太教授の基調講演と、映画『僕がジョンと呼ばれるまで』*を上映。この映画の主役であるジョンさんがアメリカから来日し舞台挨拶をしました。
*映画『僕がジョンと呼ばれるまで』の詳細につきましては、記事末尾の関連リンクよりKUMON now!バックナンバーをご参照ください。
熱い想いの実践者たち
![]() 分科会のようす |
午前中の「実践研究プログラム」では、10の分科会で59の発表がありました。そこでは「学習療法を日頃の介護ケアに活かす」というテーマのもと、各施設から、認知症の学習者の方がどのように改善したか、について多くの事例が発表されました。中には、実際に入所中の学習者の方を同伴し、学習療法の感想を発表するという驚きの場面もありました。その姿は、とても認知症を患われているとは思えないハキハキとしたものでした。
![]() ポスターセッション |
すべての発表に共通したのは、介護ケアにかける実践者たちの“熱い想い”です。介護の世界はいわゆる三大介護(食事・排泄・入浴)だけで、あっという間に一日が終わってしまうのが常です。そのような中で、学習療法のために1日1人に30分の時間を当てるというのは相当のモチベーションがなければ続きません。それが続くのは目の前にいる「◯◯さん」に「人としての尊厳」と「日常」を取り戻してほしい、という一人ひとりの介護スタッフの“熱い想い”があるからこそです。