わが街で、みんなに観てもらいたい
大分県日田市自主上映会の様子 |
映画『僕がジョンと呼ばれるまで』(以下『僕ジョン』)には、2011年にアメリカの高齢者介護施設で、認知症高齢者が学習療法に取り組んだトライアル(実証実験)の様子が収録されています。撮影した仙台放送の取材スタッフは、わずか半年間で認知症高齢者の方々がどんどん変化されていくのを目の当たりにして、「この取材内容をテレビ番組だけで終わらせるのはあまりにもったいない」との声が上がり、ドキュメンタリー映画化されました。
2014年の秋から『僕ジョン』は、自主上映方式で、映画館のない街でも見ることができるようになりました。大分県日田市では、学習療法導入施設の施設長が、「福岡で観たこの映画を、自施設の職員や、入居者のご家族、地域の方々にぜひ観てほしい」との思いから、市内の他の導入施設とともに上映実行委員会を結成。12月に1日だけ開いた上映会では、日田市約6万8千人の人口の1.2%にあたる約800人の方々が『僕ジョン』を観てくださったのです。
上映後、「本当にいい映画でしたね」、「ウチの母がやっているのはコレなんですね」といった反応が数多くありました。映画を通じて、認知症になっても、学習療法という“希望の光”があることを、上映会に参加した人たちは、感じてくださったようでした。 大分県日田市の成功をきっかけに、認知症問題を地域の方に身近に感じてほしい、との思いを抱く方々が中心となって、各地で『僕ジョン』上映会の動きが広がっています。2014年秋からの1年間に、約30の地域で上映会が行われ、これからも全国各地で上映会の動きが始まろうとしています。この映画をより良い高齢化社会を実現するための一助に
鳥居明夫さん |
『僕ジョン』の自主上映を中心になって担っているのが、映画配給会社の全国組織、ジャパン・スローシネマ・ネットワーク(JSN)理事長の鳥居明夫さん。鳥居さんは『僕ジョン』を通じて実現したい思いを、こう語っています。
「今回配給をお引き受けすることになった『僕がジョンと呼ばれるまで』のテーマは、より良い高齢化社会の実現を願う、ということになると思っています。この映画は恐らく、国内全ての地域で、ほとんどの方が共通してご賛同いただける素晴らしいテーマを持った作品だと思っています。私はこの映画のご賛同の輪を、地域の中に広げていきたいと考えています。ご賛同の輪が広がっていけば、素晴らしい高齢化社会の未来が、きっとどの地域においても花開いていくと思っています」11月1日「学習療法 実践研究シンポジウムin幕張」で、
映画『僕ジョン』を上映します
学習療法センターは、11月1日(日)に幕張メッセ国際会議場で、「第1回 学習療法 実践研究シンポジウムin幕張」を開催します。今年から一般の方を対象とした、学習療法の基本情報を知っていただくための場である「一般参加プログラム」を設けることになり、その中で、『僕ジョン』を上映することになりました。
学習療法の基礎となった理論を提唱された川島隆太・東北大学教授の、脳科学についての講演、学習療法の紹介、そして『僕ジョン』をご覧いただくことで、認知症について、一人でも多くの方に理解を深めていただける場になることを願っています。
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