「夢」「学び」を支えるKUMONの「いま」を伝えます

記事検索
Vol.377 2020.11.04

特別対談 たかまつななさん×KUMON

お笑い芸人と学ぶSDGs
目標だけではなく行動の持続可能性が大事

フェリス女学院出身のお嬢様芸人としてデビュー後、数々のバラエティ番組出演で話題になり、お笑いジャーナリストとして最近では時事YouTuberとしても発信を続けるたかまつななさん。SDGsをテーマにした全国の学校での出張授業をきっかけに、『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』がこのたび書籍化されました。発刊を機に、公文教育研究会ブランドコミュニケーション本部の山本と、「持続可能」をキーワードにした教育談義を交わしました。

目次

出張授業をきっかけにしたSDGsの入門書

たかまつななさん×KUMON

たかまつななさん(以下、たかまつ):いま世界には、環境破壊、貧困と格差、各地の紛争など、たくさんの課題があります。そうした課題を解決するための、2030年までに達成したい目標、それをSDGs(エスディージーズ)と言います。そして私はこのたび、くもん出版から『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』という本を出しました。
※Sustainable Development Goals(=持続可能な開発目標)
私は以前より、お笑いタレントをしながら、社会問題をお笑いで楽しく伝えるため、「笑下村塾」という会社を作って、全国の学校で出張授業をしてきました。その授業には、18歳選挙権の導入にともなう主権者教育をはじめ、SDGsについても楽しく学んでもらうためのコンテンツもあります。
じつは、SDGsは世界を変える17個の「目標」でしかないということがポイントです。17個の目標を紹介する本が多いなか、本書ではその目標をどうやって達成するか、アクションにつながることを大事に考えて構成しました。
SDGsを知らない人にとって、「なんでそんなことをやらなきゃいけないの?」というところから考えてほしいなと思い、第1章は、「このままだと未来が危ない!」ということで、具体的に「あの夢の国が水没しちゃうよ」とか、「寿司屋からマグロがなくなっちゃうよ」とか、「水で戦争まで起きちゃうんだよ」というところから入り、だから持続可能に向けた行動を私たちがとらないといけない、と呼びかけています。

公文教育研究会 山本(以下、山本):たしかに、目標や理想論だけではなくて、行動や実感をともなうことが大切ですね。当社も社内横断で「SDGs委員会」を昨年7月から立ち上げました。一人ひとりがそれぞれの立場で、身近なところから考えて行動する、という投げかけは、数あるSDGs関連書の一冊として新鮮でした。

これからは「教えるのが上手い人」よりも「ファシリテーションが上手な人」

たかまつななさん×KUMON

たかまつ:私は出張授業のほか、お笑いジャーナリストの立場で教育現場をたくさん取材させてもらう機会があります。すると、最近はタブレットを活用したAI教材で学習している学校では、一斉授業でやるよりもだいたい通常の半分くらいの時間で進むそうです。これはAI教材を活用した学習の最適化だと思うのですが、お話をきくと、KUMONさんの個人別学習っていうのはそのはしりかもしれないですね。使っているものはタブレットではありませんが、教室の何十人という生徒さんたちが、みんなそれぞれ違うプリントやっているわけじゃないですか。これってまさに「個別最適化」なんだなと思います。その「個別最適化」こそ、学校現場が取り入れるべき要素だと私は感じていて、これからの先生の役割は、「教えるのが上手い人」じゃなくて、「ファシリテーションが上手な人」に変わっていく必要があるのではないかな、と思うんです。

たかまつななさん×KUMON

山本:いま日本の教育は、「主体的・対話的な深い学び」の方向に進んでおり、「個別最適化」がキーワードのひとつになっていますね。
じつは私たちKUMONは、もともとその方向性で実践してきたといえます。
KUMONは、学力をつけると同時に自習する態度と方法を身につけることで、自分の可能性を信じ、自分の力で可能性を広げていただきたい、という思いで実践しています。公文式教育により、自分の道を自分の力で切り拓いていける自立した人を育むことを通じて、地球社会に貢献していく、という願いもあります。そうした私たちKUMONの理念を追求することが、SDGsへの貢献につながっていくのだろう、ということを改めて感じています。

持続可能な行動を継続するために必要なのは、やはり人

たかまつななさん×KUMON

たかまつ:自学自習できること、自発的であるということは、私すごく大事だなと思うんです。ましてや新型コロナウイルスの影響で、学校は休校を迫られてしまいましたから…。宿題を出してもやらないとか、やれないって生徒も多いようで、さらに共働きの世帯であれば、休校中の子どもの勉強を見ると仕事ができない…みたいなことになったり、結局全然学習が進まなかったり、なんてケースも。
できることなら、親が介在しなくても自発的に学習できる教育システムにしていくことが、今の日本社会に必要だと思っています。どういう宿題の出し方、どういう見守りの仕方だったら子どもたちができるのか。
こうした現状はもっと共有される必要があるでしょうし、私としてはもっとたくさんの人たちがここに関心を持つことで、世の中が良くなっていくと思うんです。1人の人が100歩歩むよりも、みんなが1歩だけど100人が1歩ずつ歩む方が社会は変わっていくと思います。私は自身の活動を通して、関心がない人にどうやって関心を持っていただくかというところにアプローチする役割を担っていきたいなと考えています。

山本:それこそ、持続可能性ですね。社会課題に声を上げても単発で終わってしまって続かない、ということはたくさんあります。行動していく場合、その継続のためにどのように関わりを持っていくか、コミュニケーションをしていくか、ということが大切だと思います。
教育もそうですね。たとえばKUMONの指導者は、一人ひとりの子どもたちにとっての「ちょうど」を見つけ、最適な教材を提供し指導していき、少しずつ自分でできるように導いていくことを大切にしています。子どもたちへの継続的な関わりが重要なんですね。

たかまつ:もちろん、無理をする必要は全然ないと思います。それこそ持続可能性がなくなってしまいますから。持続可能性ってなんだろうということを意識すると、SDGsには17個の細かい目標がありますが、この目標を覚えることが大事ではなく、とにかく持続できるってことが大事なんですね。
つまり、「これは持続可能なのか?」ということを常に問うのがいいのではないかなと。そうしたら、あらゆることが楽になると思います。たとえば、「1日20時間勉強して受験に合格しよう!」みたいなことってどう考えても厳しいから、それは持続可能じゃないし、そういう計画も立てなくなると思うんです。
何事も、持続可能なことから行動したいものです。私の本に書いた100個の取り組みを、「じゃあ明日からやろう!全部やろう!」ってなったら、きっとすぐにできなくなりますよね。皆さんにもぜひ、持続可能なことから取り組んでいただきたいなと思います。

プロフィール

たかまつななさん×KUMON

【たかまつななさんプロフィール】
1993年神奈川県横浜市生まれ。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科、東京大学大学院情報学環教育部修了。お笑いジャーナリストとして、現場に取材に行き、お笑いを通して社会問題を発信している。18歳選挙権導入を機に、株式会社笑下村塾を設立し、全国の学校へ出張授業「笑える!政治教育ショー」を届ける。近著に『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』(くもん出版)。

関連リンク たかまつななオフィシャルサイト 笑下村塾 たかまつななチャンネル -YouTube

    この記事を知人に薦める可能性は、
    どれくらいありますか?

    12345678910

    点数

    【任意】

    その点数の理由を教えていただけませんか?


    このアンケートは匿名で行われます。このアンケートにより個人情報を取得することはありません。

    関連記事

    バックナンバー

    © 2001 Kumon Institute of Education Co., Ltd. All Rights Reserved.