12/4~12/10は「人権週間」です
脳性まひの少年との心の交流
児童書『4年2組がやってきた』刊行
~無限の可能性をもった、子どもたちの未来への願い~
折しも12/10は「人権デー」です。民族や国籍の違い、障害のあるなしに関わらず、すべての人が、等しく尊重し合える社会の実現に向けて、本書が子どもたちの互いへの理解の一助となることを願っております。
くもん出版では、本書のほかにも共生をテーマにした絵本・児童書を刊行しております。昨年、日本絵本賞大賞を受賞した『ふしぎなともだち』は人権を考える授業で使われることも増えており、この機会にぜひ手に取っていただきたい一冊です。
『4年2組がやってきた』 ISBN978-4-7743-2548-4 野村一秋/作 ささきみお/絵 【対象】 小学校中学年から 【体裁】 A5判・96P 【発売】 2016年11月19日 【定価】 本体1,300円+税 【発行】 くもん出版 |
■本書のみどころ
本書は、脳性まひの主人公マーくんと、交流授業で関わることになった4年2組の子どもたちが、共に育ち、成長していく姿を描いた児童文学です。しゃべれないし、歩けない、手もうまく動かせない。給食も、トイレも、ひとりじゃ無理なマーくんのいる「にじ組」(特別支援学級)に、交流授業として、4年2組のみんながやってくることになります。
はじめは自分たちのペースでマーくんと接していた子どもたちでしたが、しだいにみんなのなかから、彼の気持ちをくみ取ろうという思いが生まれてきます。
緊張すると手が動かなくなっちゃうこと。「となりのトトロ」の「さんぽ」の歌が大好きなこと。少しずつだけど、できることが増えているということ。そして、それはマーくんだけではなく、子どもたちみんなの成長につながっていきます。
著者の野村一秋氏は、綿密な取材をもとに、実在の少年をモデルに本書を書きあげました。「子どもたちのさまざまな優しさを描きたい」という著者の、思いをこめた一冊です。
野村一秋 1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。作品に「天小森教授シリーズ」(小峰書店)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』(第1回児童文芸幼年文学賞受賞、くもん出版)等がある。
■自閉症の少年との友情『ふしぎなともだち』
たじまゆきひこ/作
【対象】 小学校低学年から
【体裁】 B4変型・96P
【発売】 2014年6月
【定価】 本体1,500円+税
【発行】 くもん出版
2014年6月には、自然豊かな淡路島を舞台に、自閉症の少年との友情を描いた絵本『ふしぎなともだち』を刊行致しました。島の小学校に転校してきたゆうすけと自閉症のやっくんとの友情を通し、共に生きることの大切さを描いた本書は、第20回日本絵本賞大賞を受賞しました。
■学習障害を抱える少女の成長『丸天井の下の「ワーオ!」』
今井恭子/作 小倉マユコ/画
【対象】 小学校高学年から
【体裁】 四六判・224P
【発売】 2015年7月15日
【定価】 本体1,300円+税
【発行】 くもん出版
2015年7月には、読み書きが困難な「ディスレクシア」という障害を抱える少女が、小説家になりたいという夢に向かって、一歩を踏み出す物語を刊行致しました。本書は、第60回西日本読書感想画コンクール、第34回静岡県夏休み読書感想画コンクールなど、各県の指定図書に数多く選定されました。