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プレスリリース

今注目される「子ども浮世絵」絵画史料から学ぶ

2009年6月30日 (火)

子ども浮世絵

“公文浮世絵コレクション”2008 年度活用のご報告

KUMONでは江戸子ども文化研究のために3000 点あまりの「子ども浮世絵」を含めた、江戸子ども文化資料を保有しています。子ども浮世絵とは、子どもが描かれていたり子どもが楽しんだ浮世絵の総称で、美術品としてだけでなく絵画史料として現在様々に活用されています。ここでは「子ども浮世絵」の昨年度の活用の中から、以下4点中心に、公文浮世絵コレクション活用の切り口と浮世絵のパブリシティーから見られる現代の傾向をご紹介します。
◆ ≪江戸の暮らし・遊び≫ 全国学校図書館選定図書を受賞した『公文浮世絵コレクション 江戸子ども百景』の刊行。
◆ ≪江戸の学び≫ 寺子屋の絵を表紙カバーとして、世界に向けグローバルに広がるKUMONを紹介した本『Leaning for Life』の刊行。
◆ ≪マンガ文化のルーツ≫ 水木しげるの妖怪マンガを切り口にマンガの歴史として公文浮世絵コレクションから多数展示された、「ゲゲゲの鬼太郎と妖怪不思議ワールド」展(於 米沢市上杉博物館)。
◆ ≪日本のルーツ≫ 昨年度のパブリシティー全般の傾向として浮き上がる「日本のルーツを探る」テーマの増加。

 

 
■ ≪江戸の暮らし・遊び≫子どもの暮らしや遊びの今と昔を比べ考える良質な題材
公文浮世絵コレクション『江戸子ども百景』発刊(監修 小林忠 編集 中城正堯 河出書房新書刊)  

  

【ムクロジの実で作ったシャボン玉をとばす子どもたち。「風流十二月 十月」】

浮世絵1プレス.png

公文浮世絵コレクションより、江戸の子どもの遊びや学びの情景が描かれた浮世絵125 点を集めた当画集。ここでは仲間同士群れ、自然の中でいきいきと遊ぶ江戸の子どもたちが描かれています。こうした遊びの様子は昭和の高度成長期以前に育った大人にとっては懐かしい遊びの原風景と映り、今の子どもたちにとっては、江戸の子どもの姿を通して、江戸時代や日本の文化に好奇心の目を向けるきっかけとなります。
本書は2008 年度全国学校図書館協議会選定図書を受賞。現代の子どもたちにとって、今と昔を比べ考える良質な題材として子ども浮世絵が評価されました。

その他、ポプラディア情報館『日本の歴史』、小学館『21世紀子ども百科 もののはじまり館』、毎日小学生新聞など子ども向けの新聞や事典などで江戸時代のくらしや伝統、歴史を知る史料として、子ども浮世絵が活用・掲載されました。

 

 

■ ≪江戸の学び≫日本の教育、その源流としての寺子屋
  『Leaning for Life』(木下玲子著 I-House Press 刊)

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『Leaning for Life』(I-House Press 刊)はジャーナリストの木下玲子氏が、なぜKUMONが世界46 の国と地域で受け入れられているのかを長期取材により明らかにした書籍『寺子屋グローバリゼーション』の英訳版。表紙カバーには公文所蔵の寺子屋の絵を配しています。KUMONでは日本の教育の源流として、寺子屋が描かれた浮世絵をはじめ、当時の教科書である往来物など様々な資料を
所蔵、研究を続けています。

その他、2008 年度には『週刊 古代文明 ビジュアルファイル68 号』(デアゴスティーニ刊)などの雑誌や、『内面を磨く 江戸の女性』(NHK 教育)、『たけしの日本人の教科書』(日本テレビ)などのテレビ番組で、寺子屋を紹介する際の絵画史料として活用されました。

■ ≪マンガ文化のルーツ≫マンガ文化の歴史を語り辿る作品としても評価
「ゲゲゲの鬼太郎と妖怪不思議ワールド」

2008 年7 月19 日~9 月15 日、山形県・米沢市上杉博物館

 
【水木マンガをはじめ多くのアニメやマンガのモチーフとなっている
『百鬼夜行絵巻』部分】

 

浮世絵2プレス.png

 

KUMONが所蔵している浮世絵や絵巻、奈良絵本は、近年、世界を席捲している日本のアニメやマンガの歴史を語り辿る作品としての評価も高まってきております。
2008 年7 月19 日~9 月15 日、山形県米沢市にある米沢市上杉博物館において「ゲゲゲの鬼太郎と妖怪不思議ワールド」という展覧会が開催されました。当展覧会では水木しげる氏の作品とその源流として、所蔵の妖怪画や妖怪絵巻が展示されました。夏休みの期間中親子が約2 万人も来場し、水木マンガを切り口に日本文化や美術を楽しんで頂くことができました。絵を少しづつ開きながら巻きとるという読者の時間の経過と共に物語が繰り広げられる絵巻、美しく繊細な挿絵が入った奈良絵本、諷刺やマンガ的な表現に満ちた浮世絵。伝統的な日本美術や文学の延長に日本のマンガは確かに存在しています。

 

■≪日本のルーツ≫日本のルーツを探る
「和風総本家」(テレビ東京)、『日本人なら身につけたい「和」の礼儀作法』(河出書房新社)

【3月弥生のひな祭りおままごとをして遊ぶ女の子たち「雅遊五節句之内 弥生」】

コピー ~ 浮世絵ひな祭り.jpg

ここ数年の江戸ブームや江戸文化が再評価される流れの中、浮世絵の画像提供件数も年々増加しています。中でも昨今のテーマとして多く取り上げられているのが「日本人」です。日本の伝統、行事やしきたりのはじめ、先人の教えや知恵を紹介するものなど、時にはクイズ形式で浮世絵資料を使いながら日本とは何かを探るテレビ番組や書籍が増えています。経済も文化も急速にグローバル化している現代、そして厳しい経済状況などもあって、改めて日本独自の文化や強みを知りたい、誇りをもちたい、そんな時代の要請や雰囲気があるのかもしれません。

歴史や文化を絵画史料を使ってビジュアルにみせたり考えさせる手法は、出版や映像メディアに限らず、学校など教育の場面でも益々さかんになっていく傾向がみてとれます。教育を含め現代と過去を結ぶ架け橋として、また現代の子どもを取り巻く環境や教育を考えるヒントとして「子ども浮世絵」が活用されるよう、KUMONでは今後も活動を進めてまいります。

 プレスリリースに関するお問い合わせ先
公文教育研究会 TEL 03-3234-4401