BRACと「BRAC Kumon Limited」との三者間ライセンス契約締結
~バングラデシュの貧困層の子どもたちへ持続可能な教育支援を目指して~
このたびのライセンス契約締結により、展開する国と地域にバングラデシュが加わり、その数は55となりました(2019年7月度)。
■ BRACが設立した「BRAC Kumon Limited」
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2018年3月、BRACはバングラデシュ国内での公文式教室の開設・運営を担う組織として、「BRAC Kumon Limited」を設立。2019年7月、公文教育研究会は、BRAC、そしてBRAC Kumon Limitedと三者間ライセンス契約を締結しました。本ライセンス契約の期間は5年間。公文教育研究会は、BRAC Kumon Limitedに、同国内での公文式直営教室およびフランチャイズ教室の展開に関するライセンスを付与し、BRACと協働して、公文式の普及事業を推進していくことになりました。
■ 今後の展望
公文教育研究会とBRACは、2015年からパイロットプロジェクトを立ち上げ、一部のBRACスクールで8か月間試験導入を行い、「公文式の効果」を検証しました。その結果、子どもたちの算数の習熟度や計算スピードが高まるという学習成果の向上とともに、学習意欲も向上するといった効果がみられました。続いて、バングラデシュの中高所得層に公文式が受け入れられるかどうかを検証するために、2017年秋、同国初の公文式教室(BRAC直営)を首都・ダッカ市内に2教室開設しました。学習教科は、算数・数学で、2019年7月、2教室の合計学習者数は、297名となりました。
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本ライセンス契約の締結を受けて、今後BRAC Kumon Limitedは、2019年内にベンガル語版EFL教材(EFL=English as a Foreign Language:英語を母国語としない生徒向け英語教材)の導入、2020年には、フランチャイズ教室の開設を計画しています。 将来的には、これらの教室で得られた利益を、貧困層向けに無償で運営しているBRACスクールでの公文式学習導入費用に充てられるよう、事業を進めていきます。
■ BRAC/ファズレ・ハサン・アベド総裁の想い
写真右:ファズレ・ハサン・アベド BRAC総裁 写真左:池上秀徳 公文教育研究会代表取締役社長 |
2019年2月に開催された、公文教育研究会創立60周年記念式典にあわせ、BRAC創設者のファズレ・ハサン・アベド総裁が来日。式典で、この取り組みにかける想いについて、次のようなスピーチをされました。
「2013年、私たち夫婦は、公文教育研究会の角田秋生前社長とチームの皆様に東京でお目にかかりました。その席で角田前社長は、BRACとの協力により、バングラデシュの一部のBRACスクールに公文式を試験導入する案に関心を示されました。この計画はJICA(国際協力機構)の資金援助を得て進められ、この試験事業の結果を受けて、我々は最も貧しい子どもたちの算数・数学の学習成果向上に、公文式が力を発揮し得ると結論づけることができました。
この2年間、BRACは公文教育研究会と連携して、BRAC直営の公文式教室の運営に取り組んできました。現在ダッカに2教室開設しておりますが、今後規模を拡大し、フランチャイズ教室を運営する指導者を育成して、算数・数学と英語の教室を開設する計画です。この大きな目標の実現に向けた我々の取り組みに、是非とも力を貸してくださいますようお願い申し上げます」
(※1)BRACとは
1972年、人道的ニーズに応えるためにバングラデシュで設立。その後活動を広げ、現在は貧困撲滅を目的として、食糧生産、教育、保健、金融ビジネスなど多岐にわたる事業を行っている。バングラデシュのほか、アフリカやアフガニスタンなどでも活動を展開している世界最大級のNGO。
(※2)BRACスクールとは
貧困層の子どもたちを対象としてBRACが無償で運営しているノンフォーマルな小学校(一部未就学児向けのクラスもあり)。バングラデシュ国内に約1万5千校あり約40万人の子どもたちが通う。
【BRACとの協働に関する過去のプレスリリース】
「バングラデシュにBRACによる公文式教室開設」https://www.kumon.ne.jp/press/9478/
【ご参考:バングラデシュ人民共和国】
国土の面積はおよそ14万7千平方キロメートル(日本の約4割)、人口は1億6365万人。首都はダッカ。人口密度の高さは世界でも有数。国語はベンガル語。
※データは、外務省ホームページを参照。
リリースPDF「0829_BRACと「BRAC Kumon Limited」との三者間ライセンス契約締結」
公文教育研究会 TEL 03-6836-0030