公文式教室との出会い
マヌエルさんは、自分自身にこう言いきかせたそうです。「私はすでにいい年齢になっていて、脳が疲れていたとしても、数字の知識ぐらいは得られるはず」。マヌエルさんは、町の知人たちに、自分が取り組める算数の問題を出してくれないかと頼んだりしていました。そんな時に、知人の1人が公文式教室を紹介してくれて、マヌエルさんのために2か月分の月謝を払ってくれたそうです。マヌエルさんは、こうして公文式教室の扉を開きました。
「マヌエルさんが初めて教室に来た日、私はいつものように教室にいて、他の生徒たちを指導していました」。マシエル先生は、その日のことをよく覚えています。マヌエルさんを歓迎しながら、「これから、今までにはない経験をすることになるだろう」と感じたそうです。
マヌエルさんの思い
マヌエルさんが学校に通ったのは、小学校3年生まで、そこから働き始めました。おつりを数える、買い物をしたらいくらになるか、そして手元に残るお金はいくらになるか計算できず、ずっと数字が怖かったそうです。学習開始から2カ月、仕事をしているとはいえ、マヌエルさんは誰かからの金銭面のサポートがないと公文を続けられません。「公文を続けられないことが、本当に悲しかったのです。先生から渡されたプリントを解くことができなくなるのは、とてもつらかった」。マヌエルさんは当時を思い返します。その後、(上司である)Juan Alberto Gonzálezさんがサポートを申し出てくださり、学習を継続できたのです。「生き返る思いがしました。私がすべきことは、精一杯やることだけでした」。マヌエルさんは、休むことなく教室に通い、難しかった教材にも粘り強く取り組み続けました。
3A教材から学習を始め、6年経った今はI教材を学習中です。算数が好きになったという65歳のマヌエルさんの言葉です。「現在は、数字の課題を乗り越えようと、常に努力しています。私の心は変わったのです。仕事もうまくできるようになりました。会計も得意になりました。実践をしながら、毎日学び続けています」。
未知の課題に取り組むことの大切さ
マシエル先生は、これまでのマヌエルさんの学習を振り返って、未知の課題を乗り越える意義を再確認されました。
「マヌエルさんは、公文の学習の中で何度も課題に直面しました。そのうちの一つは九九でした。習得するのに非常に苦労しましたが、そのおかげで彼は、毎日学習して問題を終わらせることが、課題を乗り越えるのに役立つのだと確信したそうです。正の数、負の数、指数、文字も、彼にとって全く新しい世界で、未知のものでしたが、マヌエルさんはそれを乗り越えられ、今も学習を続けられています」。
この動画は、北米公文制作のスペイン語版(英語訳)です。
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