世界の現実を知り、「自分に何ができるか」を考えるツアー
インドネシアの小学生との交流の様子。 一緒にダンスをしました。 |
ニュースだけでは知ることのできない世界の現実。そのことを学ぶために小学生から大学生までの25名の子どもたちが今回のスタディーツアーに参加しました(保護者6名も参加)。インドネシアの文化を学んだり、現地の小学校で日本の文化を伝えたり、そして現地の子どもたちと交流をしたり。そのような活動を通して、「今すぐではなくても、未来の世界に向けて、自分には何ができるのか」を考えるツアーとなりました。
英語でコミュニケーションをとる
けん玉や折り紙で日本の文化を紹介 |
現地でサポートしてくれたのは、かつてEnglish Immersion Camp(※)に参加してくれたキャンプリーダーたち(日本に留学したことのあるインドネシアやタイ出身の学生たち)。それぞれ母国語は違っても、英語を使ってコミュニケーションをすることができます。子どもたちは、感想を英語で話したり、日々の日記を英語で書いてキャンプリーダーとコミュニケーションをとったり、どのような発表をするか、英語で計画を立てたりしました。また、現地の小学生に、英語で日本の文化を伝えることにも挑戦しました。「英語を使うことで世界のいろいろな人とコミュニケーションができる」ということを強く実感できる体験となりました。
※小学生が世界各国の人と英語でコミュニケーションをとりながら生活を共にするキャンプ。毎年夏にKUMONが実施。詳細は下記関連リンクよりご参照ください。
「日本では当たり前」のことが「当たり前」ではない!
参加した子どもたちの中には、海外が初めてという子もたくさんいました。そして、日本では当たり前のことが、海外では当たり前ではないことも数多く学びました。例えば、トイレひとつとっても水洗ではない場所がほとんどで、トイレットペーパーもありません。かわりに水の入ったバケツと小さなひしゃくがあります。また、交通渋滞の影響もあり、予定通りに目的地に着くこともほとんどありませんでした。予約していたレストランで食事の準備ができていないなんてことも…。このようなことも大きな学びとなり、子どもたちからは「自分たちは恵まれているとわかった。もっと感謝しないといけないと感じた」という感想が多くありました。
私たちにできること
ボルブドゥール遺跡を見学し、 インドネシアの歴史も学びました。 |
このツアーに参加した子どもたちの多くが、文房具や楽器やサッカーボールなど、自分たちに身近なものを持ってきてくれました。それらはインドネシアの小学校や現地の子どもたちに渡すことができ、たいへん感謝されました。
また、折り紙やけん玉などを一緒にすることで日本の文化を伝えることができ、楽しく交流することができました。一方、インドネシアの小学生たちが、現地の伝統楽器を演奏してくれたり、支援を必要とする子どもたちとの交流では、日本の『チューリップ』の歌を歌ってくれたりと、互いに伝え合い、学び合う場面も多くありました。
参加者は「これからも継続してなにか活動をしていきたい」「1週間だったけど学ぶことがたくさんあった」という感想を多く持ったようです。以下、参加したメンバーの感想を紹介します。
このツアーで自分は成長したと思います。なぜなら、たくさんのことに挑戦できたからです。たとえば、現地の子どもたちに話しかけたり、質問に答えたりしました。(小6・Dくん)
インドネシアに来る前は、私はいいイメージしか持っていませんでした。でもたくさんの支援を必要とする子どもたちがいて、たくさんの問題があり、驚きました。それらについて知ることができてうれしいです。(高1・Nさん)
このツアーに参加して、日本人と比べるとインドネシアの子どもたちは勉強に対して熱心なことを知りました。彼らはみんな勉強したがっています!勉強をしたくない人はいませんでした。日本はどうでしょうか? わたしの学校ではほとんどの子が授業中に寝ています。なんて恥ずかしい!と思いました。
(中3・Nさん)
私はこのスタディーツアーでとても驚くことがいくつもあり、アディクビンタン(経済的な支援を受けている家庭)の言葉に驚きました。 私が彼女の家に行ったとき、日々の生活でたくさん困ったことがあるように感じました。しかし彼女は「何も問題はありません」と言いました。そして、高跳びのコンテストで獲得したお金を、彼女は自分のためには使わず、お母さんの家を建てるために貯めていました。(中2・Hさん)
インドネシアの子どもたちの生活や社会環境がよくなって、彼らの夢がかなってほしいと願っています。そして私はアルバイトをしているので、何らかの方法で彼らを助けたいと思いました。(大1年・Mさん)
インドネシアの現実を見ました。ツアーに参加する前に日本でインターネットを見て調べ、いくつかの楽器とサッカーボールをプレゼントしました。そしてプレゼントで、誰かが幸せになるかもしれないと確信しました。わたしも幸せになります。わたしは誰かのために「テイクアクション」を続けたいと思います。(中1・Rくん)
自分たちの経験を伝えていく
子どもたちは、この1週間という短い期間で大きく成長しました。帰国後の振り返り会でも、「積極的に自分たちでできることを考え、自分たちの経験を伝えていこう」と口々に言ってくれました。将来を担う子どもたちにとって、今回のツアーはかけがえのない経験となったはずです。これからの人生を拓くうえで、大きな意義のある1週間だったのは間違いないと思います。
関連リンク
English Immersion Camp公式サイト『イングリッシュ・イマ-ジョン・キャンプ2014』開催|KUMON now!The hoshiZora Foundation Official Site
※現地でサポートをしてくださった非営利団体。すべてのインドネシアの子どもたちが平等に教育を受けられることを目標に日々活動されています。代表を務めるのはかつてのEICのキャンプスタッフです。