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Vol.542 2025.02.04

公文書写-心の癒し

疲れていても書き始めると心が落ち着く
書写の時間は癒しのひととき

KUMONは、学習成果だけでなく、自学自習と学習習慣を身につけることも大切に考えています。自ら学びを進める中で、学ぶ喜びを感じ、学びながら成長し、自分の生きる道を切り拓いていこうとする自立の精神を育んでほしいと願っています。
教室からほど近い神社で神職をされている江島さん。入会して8年間、毛筆の学習を継続しています。「御朱印帳」の墨書きなど、公文書写での学習の経験が生きることもあるそうです。
仕事の内容や学習の取り組み方、またご自身にとって公文書写はどのような存在か、などをお聞きしました。

目次

    由緒ある神社の神職として

    私は千葉県船橋市にある二宮神社で神職として働いています。約1200年前の弘仁年間(810~824年)に建てられた、歴史ある神社のひとつです。普段は祈禱(祈願)、つまり皆さんの願いごとを神さまとの間に立って取り次ぐ仕事をしています。地鎮祭や家祓(やばらい)、神葬祭など、出張して祭典を執り行うこともあれば、「御朱印」「祝詞」「御神札」などの文字を書くこともあります。

    多忙な年末年始も学習を継続

    江島さんの学習教材
    江島さんの学習教材

    知人の僧侶が公文書写教室で学習していて、その存在自体は知っていました。私も以前からきれいな文字を書きたいとの思いがあり、ある時思い立って近隣で探したところ、職場の近くに教室があることがわかり、ここなら通えそうだと入会しました。手本文字をなぞって書くという、ユニークな教材が自分でもできそうだと思ったからです。先生のやさしくほめてくださる指導のおかげもあって、毛筆教材も最終教材まで順調に進むことができ、今は繰り返しながら学習を継続しています。神社の仕事は年末年始から1月中が最も忙しく、毎年この時期には心身ともに負担がかかります。そんな時は少しペースダウンしながら、先生のきめ細かな計らいのおかげで何とか乗り切っています。

    参拝者の喜びがモチベーションに

    江島さんが書いた御朱印
    江島さんが書いた御朱印

    習い始めてから、御朱印帳の文字がずいぶん変わってきました。参拝者からもたまにおほめの言葉をいただくことがあり、とてもうれしく思っています。御朱印をお求めになられる方は、休日の多いときで100人にも上ります。御朱印帳はその場で書きますし、御神札(おふだ)はお名前まで書きますので、緊張感が伴います。季節の風物詩の絵を取り入れるなど工夫も凝らし、受け取られる方に少しでも喜んでいただけるよう心がけています。

    言霊宿る文字を書き、届けたい

    神職をされている江島さん

    私にとっての公文書写とは、心の癒しです。仕事帰りに教室に来て、「疲れたな」と感じながら学習を始めることもしばしばあります。ただ不思議なもので、書き始めると次第に心が落ち着いてくるのを感じます。今では毎週の学習がごく当たり前のことのようになっています。継続することで毛筆が上達し、それが仕事にも生かされるので、私にとっての教室は、「継続は力なり」の大切さを実感する場でもあります。

     

    「言霊(ことだま)」という言葉があります。言葉が持っているとされる霊力です。これは書かれた文字にも言えることではないでしょうか。美しいというだけではなく、ていねいに気持ちをこめて書いた文字には、魂やエネルギーが宿っていると思います。書くことで、私自身も元気づけられますし、参拝者にもぜひ、その力を感じ取っていただければうれしいですね。
    このまま学習を継続し、まずは10年を突破することが当面の目標です。もちろんそれがゴールではなく、魂の響きが感じられる文字が書けるよう、末永く続けたいと思っています。

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