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Vol.499 2023.12.01

「解きながら」シリーズ第2弾刊行記念

学び直したい!
大人のための「解きながら」シリーズ 開発秘話

くもん出版は、2023年11月に大人の学び直しをサポートする『解きながら楽しむ 大人の数学 2次関数と微分・積分編』『解きながら楽しむ 大人の数学 因数分解と平方根編』『解きながら身につける 大人の語彙力』『解きながら楽しむ 大人の源氏物語』を刊行しました。
先行して2023年3月に発売された『解きながら思い出す 中学英文法』『解きながら身につける 日常会話の英単語』も10代から60代までの幅広い年代に好評で「勉強するのにわかりやすく、働きながら学び直すのにとても役立ちました(30代女性)」「申し分ない素晴らしい教材(20代男性)」といった感想をいただいています。
くもん出版のミッションは、すべての人が自ら学び、描く未来を実現できるよう、商品やサービスを通じて、すべての人の成長に貢献すること。学び直したいと願う大人にその機会を提案する「解きながら」シリーズの担当編集者3人に、ポイントや開発秘話について聞きました。

大人の数学担当:田島
大人の源氏物語・大人の語彙力担当:長野
日常会話の英単語・中学英文法担当:長島

(くもん出版 企画開発部 編集2チーム)

目次

    くもん出版らしい大人の学び直しとは?

    「解きながら」シリーズ全6点

    Q.「解きながら」シリーズ誕生のきっかけを教えてください。

    長野:「既刊の学習参考書を大人向けにアレンジしては?」というひらめきがきっかけでした。大人の方から「中学生向け学習参考書を解いて、とても良かった」という感想を何度もいただくことがあったためです。「資格勉強の前提知識を確認するのに役立った」「コツコツ解いて、日々の生活にはりあいが持てた」といったお声を聞き、大人の学び直しにこれまでのノウハウが生かせるのではないかと考えました。

    田島:「中学基礎固め100%」シリーズや「スーパーステップ」シリーズなどは大人の方にも人気ですね。ただ、「大人の学び直し」といっても幅広い目的や学習動機があります。改めて「くもん出版らしい大人の学び直しとは?」を模索する中、アンケートやモニターも活用しながら企画を深め「学ぶ喜びを感じたい」「充実した生活のために学びの時間を持ちたい」という大人の方向けのシリーズを作ることになりました。

    長島:ターゲットとともに考えたのが「人はどんな時に学びの楽しさを感じるか」という問いでした。チームで話し合う中で、何かを達成した時はもちろんのこと「書いて、解き進める中で身につく」というプロセスも年齢に関係なく味わえる楽しみだという答えにたどり着きました。この学習の楽しさはKUMONでも長い間大切にしてきた部分であり、大人の方にも味わってほしい、思い出してほしいという想いから「解きながら」という言葉を軸にしたシリーズが誕生しました。

    「解きながら」シリーズのこだわり ~習慣化と達成感~

    英単語は1日15単語(グレーの部分にその日に学ぶ単語がまとまっている。2見開きの問題構成で続けやすい。)

    Q.「大人向け」という部分でこだわった点を教えてください。

    長島:学生と違い、大人は「目標を持ちづらい」という点がポイントです。資格取得が目標の場合を除き、日々の生活ではテストや模試もありません。したがって、継続的に学ぶことに課題を感じている方が多いと考えました。大きな目標がなくても続けられる仕組みを取り入れているという部分がこだわった点です。

    たとえば、「1日2ページ」「10~15分で解ける分量」といった細かい区切りを設けることで、頑張りすぎないこと、疲れていても取り組めることを目指しました。また、私の担当の英語では大人ならではの例文も入れています。中学参考書では見られない、お酒を飲んでいるシーンや恋愛のシーンがありますね。

    もちろん、問題のステップや仕様は学習参考書のノウハウをそのまま取り入れているので、つまずかずに力のつく構成になっています。資格取得を目指すにしても、試験対策の学習をいきなり始めることにハードルを感じる方も多いのではないでしょうか。特に「解きながら」の英語に関しては資格試験にも必要な基礎知識をしっかり復習しつつ、学習習慣を取り戻すという使い方もできると思います。

    1日15分で行える分量で解いた後「すっきりした!」という社員も。

    田島:数学も習慣化にはこだわりました。この2冊で微分積分まで到達することを目標にしていたので、あきらめにつながらないようにモニター結果の分析を重視しました。つまずきやすいポイントはわかりやすくして、例を入れて解き方を示しつつ、時にはあえて簡素化して、無駄なく集中して解けるようにしています。

    毎日「できた!」を感じていただけることで学習が習慣化しやすいよう、問題構成にもこだわりました。他の教科に比べて難易度が高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、『2次関数と微分・積分編』の微分積分までたどり着くことができれば、その分大きな達成感を得ることができると思います。

    苦手意識が強い方でも、『因数分解と平方根編』の特に「因数分解」はパズルを解くような感覚で進められると思いますので、まずこちらから解き始めてはいかがでしょうか。

    社員同士で因数分解にチャレンジ中!
    『解きながら楽しむ 大人の源氏物語』はキーワードから古文に入り込む構成。

    長野: 『解きながら楽しむ 大人の源氏物語』については「あらすじ」ではなく「キーワード」を軸にしています。『源氏物語』に出てくる言葉を解説した後、その言葉が出てくる部分の文章を読み、問題を解いていくという構成です。

    あらすじをたどり、大体の流れを理解する書籍は世の中にたくさん出ています。くもん出版からも児童向けに『マンガでさきどり古典 源氏物語』を刊行しています。一方、本書は大人だからこそ興味を持ちそうな「恋愛」「結婚」などから、「陰陽道」「お葬式」「役職」「身分」に関するものまで、一度はどこかで聞いたことがありそうなキーワードをきっかけに問題を解いていただくことで、親しみながら古文に触れることができるのが特長ですね。

    受験対策という枠組みがないからこそ、解く方の人生になぞらえながら『源氏物語』に親しむことができます。この一冊を解くと原文をもっと読みたくなるかもしれません。

    『解きながら身につける 大人の語彙力』には面白い切り口の問題が集まっています。

    『解きながら身につける 大人の語彙力』も1日20問楽しみながら続けることを目指し、意図的に常用外の漢字(義務教育で習わない漢字)も入れています。こちらは「え、知らない」という問題も入っているので「覚えなきゃいけない」といって縛られるのではなく、解きながら毎日新しい発見や学びが得られるところも楽しんでいただきたい本ですね。

    「大人の学び直し」シリーズの今後は?

    Q.それぞれに解くと楽しめるコンテンツがつまっているシリーズですね。今後も「大人の学び直し」をサポートする書籍は企画していきますか?

    長野:すでに刊行している『解きながら思い出す 中学英文法』『解きながら身につける 日常会話の英単語』の感想を見ると、書いて解く楽しさというKUMONらしいコンセプトに共感いただいている声が集まっています。今後も、本シリーズの特長を生かした切り口の問題集を出していければいいなと思っています。今回の問題集につながる形だけでなく、学校で習う教科以外の学びなどにも焦点を当ててみたいです。

    長島:今でこそタブレットの学習などが普及し始めていますが、私たち大人が学ぶ時は書くことが学習の大きな要素を占めていました。書くことになつかしさを感じるとさえ言ってくださるモニターの方もいます。「解きながら」シリーズは引き続きこの良さを生かしたいですね。一方で、私が主に担当している英語は、幅広いニーズがあると感じています。いい意味で書くこと以外も含めた大人の学び直しの可能性にもチャレンジしてみたいです。

    田島:「大人の数学」を編集していて感じたのは、現在働いている方だけでなく、定年などで一度仕事から離れても「学び続けたい」と思っている方がいるということでした。そのような方にも喜んでいただけるようなものも作ることができればと思っています。

    (写真提供:Pixta・くもん出版)


     

     

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