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Vol.315 2019.07.16

アメリカで学習療法シンポジウム開催

アメリカ
学習療法導入施設によるシンポジウム
(SAIDO Symposium 2019)開催!

2019年6月6日、アメリカのイリノイ州シカゴで、「全米学習療法実践シンポジウム(SAIDO Symposium 2019)」が開催されました。アメリカでの学習療法は、2012年6月に正式に第1号の介護施設で始まってから、アメリカ内で着実に広がっています。今回はアメリカでの全米学習療法実践シンポジウムをレポートします。

目次

    アメリカでの学習療法®はSAIDO Learning®

    ウェルカムボード
    ウェルカムボード

    アメリカでは学習療法®をSAIDO Learning®(注1)と呼んでいます。2011年5月から半年間のアメリカにおけるトライアル期間を経て、認知症の重度化防止、維持、改善に向けて確かなエビデンスを持つ非薬物療法として、2019年5月現在、アメリカ国内11州、26の高齢者介護施設で導入していただくまでになりました。
    今回行われたシンポジウムは、公文教育研究会 学習療法センターのアメリカにおけるパートナー(注2)である、「カビナント リビング」(Covenant Living)主催によるものです。カビナント リビングはアメリカ国内10州、14の介護施設で学習療法を導入しているNPO法人です。

    アメリカで学習療法シンポジウム開催

    6月5日夕方より、イブニングレセプションで交流を図り、6日当日は朝8時半から夕方4時半まで、学習療法を日々実践している全米各地の導入施設より集った学習療法実践者70名が学び合いました。

    実務責任者エリザベスさんとSAIDOメンバー
    実務責任者エリザベスさんとSAIDOメンバー

    今回は、映画「僕がジョンと呼ばれるまで」(注3)で主人公的役割を果たしたジョン・ロデマンさん、シンポジウムの司会進行役を務めたSAIDOチームリーダーのジル・リッカーさん、チームメンバーのシャノン・ポチャテクさんの3人(ともにカビナント リビング在籍)が、シンポジウムの企画、運営に尽力し、今回の成功に導きました。

    学習療法を介護に活かす

    社長のテリさん
    社長のテリさん

    シンポジウム当日は、カビナント リビング副社長であり、学習療法実務責任者であるエリザベス・マクラーレンさんによる挨拶、続いて社長のテリ・カンリフさんによるオープニングアドレスからスタート。テリ社長は、「学習療法を施設運営の中心に据え、今後益々学習療法実践の質にこだわり、全米各地に普及させたい」と熱くビジョンを語りました。
    続く基調講演は、クリーブランド・クリニック(注4)のマイケル・フェルバー博士より、「世界的な課題として、認知症予防は非薬物療法・認知機能トレーニングとしての学習療法に大いに期待したい」と医者の立場からの期待を持った発言がありました。

    学習療法センター伊藤副代表も登壇
    学習療法センター伊藤副代表も登壇

    公文教育研究会 学習療法センターからは、シンポジウム開催を祝う大竹洋司代表のビデオメッセージに続いて、現地に赴いた伊藤眞治副代表が登壇し、「基本を大切に、学習療法を施設ケアの向上、職員の意欲や成長に活かしてください」というメッセージを参加者に送りました。

    注1 公文教育研究会が商標登録を行っています。SAIDOは、Smart Aging Intervention doの略。
    注2 アメリカでは、公文教育研究会とマスター・ライセンス契約を結んだCovenant Livingが、学習療法を普及しています。
    注3 仙台放送が制作し、2013年に日本国内で公開されたアメリカでの学習療法の実践を記録したドキュメンタリー映画。原題は、「Do you know what my name is?」
    注4 アメリカ国内でも著名な、オハイオ州にある病院

    導入施設同士で学び合う

    施設紹介の展示
    施設紹介の展示

    プログラムの合間の休憩時間には、壁面に掲示された各導入施設を紹介するポスターを熱心に見入り、交流する参加者の姿が印象的でした。
    プログラムの中盤には、アメリカの5つの導入施設で学習療法を実践している職員が、それぞれの施設での学習者の変化、ご家族の喜びのエピソード等、実際の事例から確信を深めてこられた様子を発表しました。

    グループ討議
    グループ討議

    そして、これらの発表を参加者全員で共有した後、全参加者がグループに分かれ、「なぜ学習療法を実践するのか?」という根源的なテーマで議論を交わす時間を持ちました。

    1年間の実践を表彰
    1年間の実践を表彰

    プログラムの最後には、1年間の各施設での実践への敬意を表し、表彰楯を授与するセレモニーを行いました。そして、全参加者に学習療法実践者の証であるピンバッチを進呈し、会を閉じました。
    参加者の皆さんの表情や会場の一体感、興奮冷めやらぬ様子が会の成功を物語っていました。

    参加者の声

    今回のシンポジウムに参加したアメリカの実践者からは次の感想が寄せられました。
    「参加者同士で自由に話し合え、その場ならではの気持ちの高まりを感じながら他の導入施設のベストプラクティスを学ぶことが出来た、素晴らしい機会でした」
    「グループ討議の場で他の施設から得た情報で、学習療法の唯一無二の価値を再確認出来ました。
    たくさん元気をもらって会場を後にしました。ジル、ジョン、シャノンに感謝!すばらしいチームです。実践事例を再確認する中で、取り組みたいアイデアを得ることが出来ました。来年のシンポジウムが楽しみです!」
    「学習療法に出合うまで2つの施設から入所を拒否された利用者様の事例はとても印象に残りました」
    「施設に帰って早速今日得たアイデアを実践したいと思います」

    学習療法センターでは、定期的にアメリカのSAIDOチームメンバーとテレビ会議の機会を持ち、今回のシンポジウムの成功を、今後のさらなるアメリカにおける学習療法の発展に繋げられるよう、社員一同さらに努力していまいります。今後のアメリカでの学習療法の発展に、ご期待下さい。

    関連リンク 学習療法実践研究シンポジウムin ふくしま|KUMON now! 学習療法実践研究シンポジウムin 名古屋 |KUMON now!

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