生徒会から学校の生徒たち皆に還元する「何か」を模索した3日間
![]() 実行委員長・栗本拓幸さん |
「全国高校生徒会大会」は、高校生みずからが大会実行委員会を立ち上げて大会のテーマや内容を考え、当日の運営も彼らが行っています。会場を訪れると、全国から自主的に集まった高校生徒会役員たちが真剣な表情で話し合っていました。「生徒会や学校をよりよくしたい」という意気込みが伝わってきます。
今年、実行委員長として大会を取り仕切った栗本拓幸さん(神奈川県・私立浅野高等学校生徒会長)は、3年前に初めてこの大会に参加した時のことをこう振り返ります。「初めて参加した時、全国規模の大会を高校生だけで切り盛りしているってすごいと思いました。普通、高校生は自分の学校の枠を越えるのも難しいのに、ここに集う高校生たちは県さえ越えている。すごい場だと思いました」。実行委員長として関わる今年は、この場の意義を後輩たちにつないでいくことが大切だと思っていると言います。
自校の枠を越えて高校生たちが集まることで、さまざまな学校の事例を知ることができ、それによって自校の生徒会を見つめ直す。そして、ここでの学びを自校に還元できれば、生徒会役員ではない学校の生徒たちにも影響を与えることができる。そんなサイクルが生まれるきっかけとなりうるのが、この「全国高校生徒会大会」なのだそうです。また、この大会をきっかけに高校生たちのネットワークが生まれ、参加者たちは大会後もそのネットワークを活かして活動を続けていくそうです。
今年の大会のスローガンは“次に繋がる「 」を。全ての生徒にとってわくわくする学校生活を。僕ら生徒会が変えてゆく”。この大会に参加した生徒会役員が「わくわく」を持ち帰り、自校の生徒全体に「わくわく」が伝わり、結果として全国の高校生が変わっていく――。そんな想いが込められているそうです。栗本さんは、全国の高校の生徒会の共通課題として「一般生徒による生徒会への参加意識の希薄」があると言います。
「本来は、生徒一人ひとりが生徒会の会員であって、主体は生徒にあるんです。でも、今はそういう意識が薄れています。そこで、生徒会の方から何かを生徒皆に還元し、よりよい学校をつくろうという意識を持ってもらおうと考えました。その『何か』を見つけることが今大会の主旨となっています」
大会では、1日目に「自校の生徒会を見つめ直す」「次世代の生徒会を見つける」をテーマに、グループごとに話し合い、2日目には5つの議題に分かれて「問題別フリートーク」を実施。そして最終日には、話し合った課題についての結論を発表する場が設けられました。
同じ意識を持った仲間だからこそ、分かり合えることも多いはず。知識と気持ちを高め合う中で、自分たちの学校に必要な「何か」を、それぞれが一生懸命に模索する姿がありました。次ページでは、公文式学習経験者でもある大会参加者にインタビューをしてみました。