公文式とバレーボールで、
「積み重ねる習慣」が身についた
私は3歳の頃から公文式教室(以下、教室)に通っていました。最初は国語と算数、小学校に入ってからは少し英語も学びました。はっきりとした記憶は薄いのですが、小学生の時に四字熟語をたくさん覚えたことは印象に残っています。
プリントをやり終えて採点してもらい、100点をもらえた時はすごくうれしかったし、「できた」という達成感がありました。
そうした経験が、「もっとやってみたい」「もう少し難しい問題にも挑戦したい」という気持ちにつながっていたと思います。
バレーボールは小学3年生から始めました。当時は、学校が終わってから教室に行って学習し、その後夜7時頃からのクラブチームの練習に向かうという生活でした。
自由な時間はほとんどなく、「ちょっといやだな」と思う日もありましたが、行ける日は教室に通い、できる範囲で続けていました。行けば楽しく学習していましたし、今思えば、その継続が先につながっていたのだと思います。無理をしていたというより、自分のペースで取り組めていたのだと思います。
バレーボールでも勉強でも、うまくいかないことや、このままやっていて上達するのか不安に思うことももちろんありました。やっている最中は苦しいという気持ちが大きいですが、達成したときに、その苦しさがあったからこそ今があると思うので、続けることや自分が好きで取り組めていることが大切だと思います。
公文式で学んだ「積み重ねること」と「継続」、「自分のペース」という考え方は、バレーボールにも通じています。うまくなりたい、強くなりたいという気持ちがあるからこそ、毎日基礎練習を重ねます。
それは公文式で「昨日より少しできるようになりたい」と思って取り組んでいたことと、とても似ています。できたときの喜びが次の挑戦を生み、そのくり返しで成長できる。小学生の頃はただの興味本位だったかもしれませんが、その感覚は今も私を支えています。
「自分で考えて行動すること」
選手として強く意識するように
バレーボールの指導は厳しく目標に向かって努力するものでしたが、公文式の先生はやさしく接してくれました。それぞれ違うけれど、どちらも「私が自分でやりたいと思うことを支えてくれる存在」だったと思います。
日本代表、そしてキャプテンとしてプレーする中で求められるのは、「自分で考えて行動すること」です。
チームを率いるには、誰かに言われたことをこなすだけでは足りません。自分がどう動くべきかを判断しなければならない。小さい頃から「やりたいからやる」と取り組んできたことが、今の姿勢につながっていると思います。
中学生の頃から親元を離れてバレーボールに集中しました。不安や苦しい時期は何度もありましたが、やめずに続けたからこそ、今があります。達成できたときに「苦しい経験があったからこそ成長できた」と実感できます。結局、続けることが大事なんです。
悔しさを味わうこともたくさんあります。思うような結果を残せなかった時もあります。でも私は「悔しさがあるから次に進める」と考えるタイプです。悔しい気持ちをずっと抱えていても先には進めません。切り替えて、また前に進む。その気持ちが成長につながると思っています。
日本代表選手として
次の目標は五輪でのメダル獲得
イタリアリーグでの経験は、私を大きく変えました。以前はミスを過度に恐れて考えすぎてしまうことが多かったんです。でもイタリアでプレーして気づきました。「自分が思うほど、まわりは気にしていない。考えすぎなくても大丈夫だ」と。
現地の選手はミスをしてもすぐに切り替えて、次のプレーに向かっています。その姿勢に触れて、私もポジティブに考えられるようになりました。
もちろん、語学の壁は大きいです。英語やイタリア語でのコミュニケーションは、今でも一番悩む部分です。学生の頃にもう少し勉強しておけばよかった、と感じることもあります。それでも「継続することが大事」と思いながら取り組んでいます。
海外では、日本と指導の仕方が違う部分もありますが、プロになってからは「自分で考えて次を決める」ことを優先しています。これまで経験してきたことをどう生かすのか、どこを伸ばすかを、自分で考える。公文式で身についた「自学自習」の感覚が、ここでも生きているのではないかと思ったりします。
オフの日にはイタリアの街を散歩し、気分転換をしながら、また練習に向かう。そんな生活も新鮮です。
これからの目標は明確です。まずはアジアの大会で1位を取り、自分たちの手で五輪の出場権をつかむこと。そして最終目標はロサンゼルス五輪でのメダル獲得です。
バレーボールの技術だけでなく、人間性の面でも成長していきたい。競技を通して、もっと自分を高めていきたいと思っています。
公文式で学んでいるみなさんに伝えたいことは、「楽しむ」気持ちを大事にしてほしいということです。勉強は難しく感じることも多いと思いますが、「できた」という達成感を楽しみながら続けてほしいですね。やらされている意識ではなく、自分がやりたいと思って取り組めるといいと思います。
スポーツも同じです。いつも楽しいことばかりではありませんが、成長できると思って取り組めば、必ず次につながります。
私はバレーボールが大好きだから続けてこられました。公文式で学んだ「自分のペースで積み重ねる力」も、今の私を支えてくれています。これからも、自分のペースで、前に進み続けたいと思います。
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後編のインタビューから -まわりの人たちに支えられた公文式学習 後編へ続く(近日公開) |









