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Vol.383 2020.12.15

浮世絵に見る江戸時代の年の瀬と子どもたち

寒さに負けず元気に遊ぶ子どもたち
~江戸時代の人々の暮らし~

KUMONでは1986年から子ども文化研究のために浮世絵を中心とした文化史料を収集・研究してきました。年末に行われる年乃市の一コマが描かれている浮世絵を紹介します。浮世絵から垣間見える江戸時代の人々の暮らしを一緒に想像してみましょう。

目次

今年も残すところ僅かになりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか?今年は大変な一年でしたね。
毎年のことですが、12月というのは「師走」という言葉通り、年末に向けて何かと忙しい日々になりますね。年賀状、クリスマス、仕事納め、大掃除、買い出し、お正月…行事はもちろん、それらに向けての準備などで、慌ただしく日々が過ぎていくという人も多いのではないでしょうか。

さて、今回は江戸時代の年末の様子を垣間見ることができる作品をご紹介します。忙しい合間の息抜きに、江戸時代の人々の暮らしを少しのぞいてみましょう。ご紹介するのは極寒の中でも元気に遊ぶ子どもたちの姿を描いた渓斎英泉の「四季の詠おさな遊 晩冬十二月 年乃市」という作品です。

扇形のこま絵には雪におおわれた浅草の浅草寺の本堂、五重塔と参道の仲見世が描かれています。この年末に行われる「年乃市」には注連縄(しめなわ)などの正月飾りの他、子どもの羽子板や凧も売られて賑わったといいます。しかし、子どもたちにとっては年末の買出しなどはどこ吹く風。年末に積もった雪に大喜びです。全員股引に綿入れを羽織り、足袋もはいた防寒スタイルです。雪に下駄の歯型(二の字)をつけながら、大玉(雪玉)を作って転がしています。棒をてこにする子もいれば、冷えた手に息を吹きかけて暖める子もいる。右後ろの子は器用に雪で作ったうさぎ(雪うさぎ)を持っています。文政2年は卯年だったので干支のうさぎをモチーフに入れたのかもしれませんね。

元気に遊ぶ子どもたちの様子には心が和みますね。

2021年も皆さまにとって幸多き一年となりますことをお祈り申し上げます。

浮世絵から見える江戸時代の人々「神無月」『四季の詠おさな遊 晩冬十二月年乃市』 渓斎英泉 文政頃(1818-1830)

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