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Vol.118 2026.02.13

声優
田中 苑希さん

<後編>

常に目標をもち
地道に進み続ければ
きっとはかなう

声優

田中 苑希 (たなか そのか)

鳥取県出身。中学3年生だった2017年に、中高生の国際声優コンテスト「声優魂」鳥取大会に初挑戦し、3位に入賞。翌2018年には2位、2019年には1位と順位を上げ、県代表として全国大会に出場し、最優秀賞を受賞。鳥取県立鳥取西高等学校を卒業後、明治大学文学部文学科演劇学専攻に進学。演劇学を学びながら、大学3年生の時に大手声優事務所「大沢事務所」の研究生となり、大学4年生から同事務所所属の声優として活動している。

小学5年生の頃から抱いていた夢をかなえ、現在は声優として活躍されている田中苑希さん。小学2年生の時に公文式教室で算数・数学と国語の学習を始め、その後英語にも取り組みました。中学1年生の夏には国語の最終教材を修了。その学習を支えてくれたのは、幼い頃から多くの本に触れることで育まれた「物語を想像しながら楽しめた」ことと、苦しい時にも時間を惜しまず寄り添ってくれた「くもんの先生」の存在でした。KUMONで培った「集中力」や「へこたれない力」は、その後の受験や、声優として活動する現在にも生かされていると、田中さんは朗らかに語ってくれました。

目次

    なじめなかった転校先で
    「音読」で一躍注目される

    引っ越しが多いと、そのたびに人間関係がリセットされてしまいます。小さい頃からそうした状況には慣れているつもりでしたが、小学6年生の時に、3校目の転校先となった鳥取の小学校では、なかなかクラスになじめませんでした。

    そんなある日、小学校の国語の授業で音読発表の機会がありました。クラスメイトはみんな、淡々と読んでいましたが、声を出すことに抵抗がなかった私は、「みんなと同じでは面白くないな」と思い、感情を込めて音読しました。すると、「あの子、面白いんじゃない?」「すごいじゃん!」と驚かれ、クラスメイトの私を見る目が変わったのを感じました。

    ただでさえ転校生は目立ちやすいので、なるべく目立たないように過ごしていましたが、この出来事をきっかけに、人前に立って何かをすることへの抵抗感がなくなりました。本来の自分を出せるようになったというか、「認められたい」と思うようになったのです。その年には町民ミュージカルに参加するなど、積極的に人前に立つようになりました。

    中学校に入ると、英語と日本語の弁論大会でいずれも学校代表に選ばれ、地区大会に出場しました。また、文化祭で上演した演劇では主役を演じました。部活動は演劇部を希望していましたが、残念ながら在籍していた中学校にはなかったため、吹奏楽部に入部しました。クラリネットを担当しましたが、3年次には部長を務めるなど、リーダー的な役割を担うようにもなりました。もちろん、勉強もがんばりました。親友が勉強家だったことに刺激を受け、私も早朝に起きて勉強するなど、部活と勉強の両立をできるように取り組みました。

    大きな転機となったのは、中学3年生の時、声優を目指す中高生を対象にした国際声優コンテスト「声優魂」の鳥取大会に出場したことです。親には反対されましたが、姉が背中を押してくれたおかげで挑戦することができ、初出場ながら3位に入賞しました。私はその大会の優勝者の方に強く憧れ、「彼女と同じ高校で、同じ演劇部で活動したい」と思うようになりました。

    それから受験勉強を必死にがんばり、晴れて希望の高校に合格して、往復3時間かけて通学する生活が始まりました。その後、この大会に出ることは毎年の目標になり、高校1年生では県大会2位、高校2年生では優勝、全国大会でも優勝することができました。「これだ!」と思ったことに突き進む性格は、KUMONで培った「諦めない力」が影響していると思います。

    引き出しを増やすために大学へ
    「シェイクスピアプロジェクト」に参加

    高校卒業後、私は明治大学文学部演劇学専攻に進学しました。大学に進学せず、声優の専門的な道に進む選択肢もありましたが、ある方の言葉をきっかけに、「表現の引き出しを増やすためには、大学での勉強も必要だ」と感じ、受験を決意しました。

    明治大学を選んだ理由は、東京に出たいという思いに加え、「明治大学シェイクスピアプロジェクト」に参加したかったからです。このプロジェクトは、翻訳、上演、企画運営のすべてを学生主体で行い、シェイクスピア劇を上演するもので、2004年から続いています。明治大学の様々な学部から200~300人の学生が参加し、観客数は5,000人にものぼる大規模な舞台です。

    私は声優になりたいという夢をもっていたものの、「本当に才能があるのだろうか」「小さなコミュニティの中だけで満足しているだけかもしない」と、ずっと不安を抱えていました。だからこそ、大舞台に立つことで自分がこの道に向いているかどうか試したいと思ったのです。大学に入学すると、早速「シェイクスピアプロジェクト」に参加しました。実際に取り組んでみると想像以上に楽しく、ありがたいことによい役ももらうことができ、「演じる道でやっていこう」と思える経験となりました。

    大学3年生の時には、現在所属している事務所の研究生となり、大学の勉強と並行しながらレッスンを受け、大学4年生からは、所属事務所の声優として活動しています。

    私が夢をかなえることができた理由の一つは、常に目標をもっていたことだと思います。私にはいつも身近に目標となる人がいて、「あの人のようになりたい」「追いつきたい」と思い、努力を積み重ねてきました。目標が人であっても自分のことであっても、例えば私の場合なら「来年は優勝するぞ」「研究生に受かるぞ」など、具体的なものであることが大切です。漠然とした目標では、長く努力を続けることは難しかったと思います。

    もう一つ大切にしてきたことは、「卑屈にならない」ことです。私は決してメンタルが強いタイプではありませんが、立ち直りはとても早い方だと思います。「解けない」「わからない」「できない」と落ち込むことはあっても、しっかり反省したら、それ以上引きずらないようにしてきました。悩んだり泣いたりしても前に進めないので、一度リセットしてやるしかない。これは昔から意識し続けてきたことであり、KUMONの学習を通じて身につけた力でもあります。その力があったからこそ、私はへこたれることなく、自分の夢に向かって進み続けることができました。

    勉強を地道に続けていけば
    自信と教養を自分のものにできる

    自分の経験から、子どもたちにはへこたれないで勉強を続けてほしいと思います。「この勉強が何の役に立つの?」と途中で投げ出したくなることもあるかもしれません。しかし、その積み重ねは「ここまで自分はやってきたんだ!」という自信につながりますし、教養として身についていきます。その教養は、大人になって何をするにも、あるに越したことはありません。

    また、保護者のみなさんには、単に叱るだけではなく、「こんなにできたね!」とほめたり、「あなたはできる子なんだよ。ほら、やり直せたでしょ」と伝えたりしてほしいと思います。そんな声かけが、子どもたちのモチベーションにつながるはずです。完璧を求めず、少しずつでもよいので、地道に進んでいくこと。子どもたちにはそんな積み重ねが大事なんだろうなと思います。

    私が仕事をする上で心がけているのは、かたくなにならないことです。収録前に声を当てるデモ映像を見て、何度も考え抜き、「これはこうだ」と自分なりに結論を出して演じていても、「違う」と言われることがあります。そんな時、自分で考えていたものがあったとしても、求められるものに柔軟に対応できることが必要です。

    指摘されたことを素直に受け止め、的確に応えていく力が何よりも必要だと感じています。これは「修正力」とも言えるかもしれません。最初は20点や30点であっても、100点になるまで何度も微調整を重ねて修正していく――この姿勢は、KUMONの学習とも共通しているように思います。

    絶妙な調整ができる声優さんは、聴く人の心を揺さぶる演技ができます。どれだけ考えて収録に臨んでも、その思いが声に乗っていなければ意味がありません。そこが今の自分の課題だと考えています。その課題を克服するためには引き出しは多い方がいいと思うので、様々なことを積極的に吸収するようにしています。そうやって声優としての基盤を築いていくことが、私の当面の目標です。

    今後は、様々な役にも挑戦していきたいです。特に演じてみたいのは、立ち直る力の強い女の子のキャラクターです。また、小説のアニメ化作品にも関心があります。もしも湊かなえさんの小説がアニメ化されることがあれば、ぜひ演じてみたいです。

    とはいえ、私は既に知られている作品に出演すること以上に、自分自身が納得できるお芝居をしたいと思っています。自分が演じるキャラクターを原作以上に魅力的に表現することで、声優としての本分を果たしたいのです。

    そして、私が『進撃の巨人』に触れて衝撃を受けたように、今度は自分が誰かに衝撃を与えられるような存在となり、「声優ってすごいんだな」と思ってもらえるような演技ができるようになること――それが今の私の夢です。

    前編を読む

     

    関連リンク 大沢事務所

     

     

    前編のインタビューから

    -声優を目指したきっかけは 小5で観た『進撃の巨人』
    -母に絵本を「読み聞かせ」 教材の『車輪の下』に衝撃
    -人生の「お守り」になった くもんの先生の言葉

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