公文式で学校の勉強より先に進めたから、学校・部活・公文式教室の生活も可能に
公文式を始めたのは幼稚園の頃でした。家の真裏に教室があり、気づいたら学習していたという感覚です。祖母が僕たち孫の勉強に熱心で、ほかの習い事から帰宅すると「公文の教室に行きなさい」と言ってくれて、バレーボールを始める前までは公文式中心の生活でした。
習い事は水泳や体操教室など、両親がスポーツをしていた影響で、体を動かす習い事が多かったですね。
中学生になってからは公文式教室(以下、教室)で学習が終わった後に、中学校の仲間と一緒にテスト勉強をしていたのもいい思い出です。
教室では国語と算数・数学を学び、英語は中学に入ってから少しだけ学習しました。教科の中では、計算のように答えがはっきりしている算数・数学が好きでモチベーションも高かったです。小さい頃から公文式で学習していたおかげで、今でも数字や計算が好きですね。
公文式は、自分のペースで進められるので、理解できればどんどん先に進めます。学校の授業より進んでいたことで、学校の勉強はとてもらくに感じられました。
部活動を始めてからも、学校の勉強がらくだったので、部活が終わってから教室に通う生活が可能でした。できないことを放っておかない、できたら次に挑むという公文式は、子どもだった僕にぴたりとはまったのだと思います。
公文式と部活動の両立がくれた
苦しいときでも乗り越える力
小学4年生でバレーボールを始めてからは、もちろん大変なときもありました。放課後は部活で体を動かした後、教室へ向かいます。夜9時を過ぎてからプリントに向かった日もあります。
正直に言えば、小・中学生の頃は、行きたくないと思うこともたまにありました。それでも祖母の「行きなさい」の一言に背中を押され、まずは教室に向かいました。行ってしまえば勉強するので、気分が乗らないときでも、まずやってみることが大事でしたね。
僕はやらされてやるのが好きではないので、勉強を強制されずにできたことが続けられた理由かなと思います。公文式はそのときの調子に合わせて、勉強する量を調整できるので、僕には非常に合っていました。
スポーツでも、苦しいときでもがんばるとか、疲れているときでも力を振り絞るとか、気分が乗らないときでもやるという姿勢が大事です。人生は楽しいことばかりではないですし、苦しいときに乗り越えてこそ、その先に楽しい結果やうれしい出来事が待っています。
教室は、先生や一緒に学習する仲間がいたので、孤独を感じることなくがんばることができました。部活と教室を行き来する日々で学んだのは、やると決めたら全力で取り組み、疲れを感じたら迷わず休むという切り替えの大切さです。それは、練習の質にも影響します。
短時間でも集中できれば、長時間だらだら続けるより身につきます。プリント一枚一枚が、僕にとっては“集中の稽古”でした。また、間違いを恐れない心も育ちました。一度間違えることで、次に同じ誤りを避けるための工夫が生まれる。勉強でも練習でも、失敗は次の一歩のための情報です。赤ペンで間違いの印がついても、そこから解き直す時間があるという安心感が、挑戦を前向きなものに変えてくれました。
“自分のペースで進める”という生き方
ミスは学びの入り口
公文式で身につけたのは、学力だけではありません。自分のペースでできるということが、今の自分につながっています。とはいえ自分のペースでやり続けてもいけない。バランスが大事で、がんばる時と休む時、そういったメリハリも必要ですよね。休みの時は、今は動画やアニメやネット配信を見たりして気分転換をしています。
今思えば、公文式で自然とメリハリをつけながら学習していたのだと思います。オンとオフを切り替え、短時間で集中し、疲れたら迷わず休む。呼吸のように当たり前になっているこのリズムは、幼い日の教室で形づくられたものです。
そして、自分のペースで物事に向き合う姿勢、できないことを放置しない勇気、一歩先に進む好奇心、この3つは、僕の生き方にそのまま影響しています。
好奇心に後押しされイタリアに渡って11年目になりますが、最初はイタリア語がわからず、勉強が必要でした。午前中と午後の練習の合間にも勉強していましたが、やらなきゃいけないと思ったときにスイッチを入れられること、また元々勉強する習慣がついていたことは、小さい頃から公文式で学習していたからこそだと思います。
バレーボールの基礎練習も、公文式学習と同じで、積み重ねが非常に大事です。バレーボールがいきなりうまくなることはないですし、たくさん練習して、たくさんミスして、次はどうしたらよいかと答えを探し、答えが見つかって成長していくという、そのくり返しです。
勉強も、最初からすべての問題に正解できる人はいないと思うので、勉強して、やってみて間違えて、新しく学ぶというくり返しですよね。1回間違えないとわからないこともたくさんあります。勉強でもスポーツでも、そこは一緒だなと感じています。
また、基礎を丁寧に積み重ねた動きは、時間をかけてもしなやかに伸びていくことを、僕はコート上で確信してきました。ミスは悪いことではなく、学びの入口です。失敗を言葉にして整理し、次の一歩に変換する。その作業をくり返すうちに、挑戦そのものが怖くなくなりました。「昨日の自分より少し良くなる」その実感こそが、最も強いモチベーションであり続けています。
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後編のインタビューから -イタリアでの挑戦、そして言葉を学ぶ日々 後編へ続く(近日公開) |










